月別アーカイブ: 2020年6月

練馬でショパンに出会う──私の「マイクロツーリズム」④

●『ショパン 200年の肖像』を観てきました。4/26からスタートの予定が、コロナ禍のため6/2に。昨日28日で終了は変わらないので、会期が半分以下になってしまい、かなり混雑していました。自筆の楽譜、手紙、遺品をはじめ、ショパンの肖像や彼に関わる美術作品、国際コンクールのポスターなど、さまざまな素材が巧みに構成・展示されたユニークな内容でした。
●会場は、西武池袋線中村橋という地味な駅の真ん前に建つ練馬区立美術館。35年前にできた施設ですが、同じ沿線に住んでいながら一度も行ったことはありませんでした。でも今回、コロナのおかげで足を運ぶことができ、よかったです。実を言うと、今年の8月、5年に1回開催されるショパン国際ピアノコンクールに行く計画を立てていました。残念ながらその夢はかなわずガックリ来ていたのですが、今回の展示会はそこそこ満足できました。もっとも私の場合、ショパンの音楽に惹かれているわけでもなく、ポーランドという国や文化に強い関心があるだけですから、満足の中身は違います。昨日会場で見かけた方々のほとんどは音楽ファン、というかいかにもショパンのファンといった感じの人ばかり。子どもも、幼い頃からピアノ習ってま〜すといった雰囲気がありあり。私などとはおよそ別の人種のように思えました。
●それでも、人間ショパンの一部が垣間見えましたし、彼を生まれ育ったポーランドという国のユニークさ・奥深さも強烈に感じた次第。いつかかならずこの国に行くぞーっ! との思いが固まりました。というわけで、「(マイクロ」 ではやっぱり我慢できそうにない私です。

Facebook Post: 2020-06-29T15:31:19

父の日とアジサイと──私の「マイクロツーリズム」③

●アジサイが見たくて見たくて…。今年も我が家では一輪も咲かなかったので。ネットで都内の名所をリサーチして行ってみたのは文京区の白山神社。日曜日とあってたいそう人が来ていました。孫文と宮崎滔天【とうてん】がその昔、境内で会ったことがあるらしく、記念の碑が。
●帰り道、すぐ近くの谷中銀座に立ち寄りしばしブラブラ歩き。いまや立派な観光地のようで、こちらもけっこうな人出でした。帰宅すると、父の日のプレゼントが。そのエプロンを着て、今夜は魯肉飯を作りました。

Facebook Post: 2020-06-21T18:24:44

東京に渓谷があったとは!━━私のマイクロツーリズム②

●天気がよく、湿度もそれほど高くないようなので、今日は23区で唯一の「渓谷」に行ってみることに。場所は世田谷区の等々力(とどろき)です。行ってみてびっくり、正真正銘の渓谷でした。環八、第三京浜、多摩川などに囲まれた一角にあるのですが、東急線の駅から3分、一戸建てやマンション、店舗が建ち並ぶただ中に突然、こんな自然の風物があることにまず驚きます。
●谷沢川の両岸が遊歩道になっており、木々がうっそうと生い茂っているので、涼しいこと。それに、何より空気が清々しく、フィトンチッドがふんだんにただよっているのが感じられます。23区といっても端っこですから、こういう場所があっても不思議な気はしませんが、それにしても。暑気払いの穴場と言っていいでしょう。
●遊歩道の途中には滝あり、古い木の橋あり、古墳あり、日本庭園ありと、変化にも富んでいて、小一時間ほどでしたが、大いにリラックスできました。こじゃれたイタリアンの店があったので入ってみましたが、ピザもパスタもGOOD。値段もリーズナブルですしカジュアルな雰囲気なので、お客さんの多くがのんびり長居している印象です。今日は渓谷の南側を歩きましたが、今度は駅に近い北側エリアを歩いてみようと思いました。

Facebook Post: 2020-06-17T17:41:30

「自粛」から「マイクロツーリズム」①

●前日は雨のためあきらめた神代植物公園に再度チャレンジ。朝10時過ぎに到着しましたが、駐車場にはけっこうな数の車が。家から離れたいという人はやはり多いのですね。ジジババ割りでチケットは半額。欧米ではごく当たり前のシニア料金ですが、国内ではまだまだ少ないようで、どんどん広まってほしいと願っています。もう一つ、公共施設に多い「月曜日休館」も、改めてほしい習慣。働き方改革と言われるわりに、この旧態依然のスタイルが変わらないので、結局多くの人が、いわゆる週末にしか休めないという現実があります。
●さて、東京に50年も住んでいるのに、ここは初めて。バラ園のエリアが広く取ってあり、枯れてしまった品種もありますが、いまが真っ盛りというものも。クイーンエリザベスやらプリンセスミチコやら、多彩なネーミング(なんでも2万を超えるのだとか)に感心しながら見て回ります。バラ園の向かい側がガラス張りの大温室(ホント、大きいですよ!)。あまり期待もせずに入ってみたのですが、どうしてどうして、温室にだけ半日いても飽きそうにない充実ぶりでした。
●ここには、多種多彩なラン(お祝い事とかでおなじみの胡蝶ランなどほんのごく一部でしかありません)、ベゴニア、熱帯スイレン、食虫植物…見たこともないような花々が、これでもかこれでもかと並んでいます。どれを見ても、その美しさに感動。結局ゆっくり見たのはこの2カ所だけで、あとは次回のお楽しみということになりました。
●都内には、向島百花園、目黒の国立科学博物館附属自然教育園、堀切菖蒲園、小岩菖蒲園、京王百草園など、有名なところだけでもまだまだあるようです。行ったことがあるのは小石川植物園くらいのもので、あとはすべて未到の地。いまのこのチャンスを利用して足を運んでみたいと思っています。

Facebook Post: 2020-06-15T15:50:17

『空港(駅・街角)ピアノ』はおもしろい!──自粛だより⑭

●まあ、ひどい雨でした。今日は調布の神代植物園で、少しくらいの雨なら、傘を差しながら花を楽しめるのではと淡い期待を抱いていたのですが、とんでもない話で。途中、吉祥寺でランチをとの構想も、周辺が大渋滞であきらめるほかありませんでした。仕方なく、少し先の三鷹まで行き、以前夜に入ったことのある居酒屋に駆け込みました。昼間もハンパなしで美味しかったですよー。帰り道、荻窪のスーパーに立ち寄ったら、「中島航空機発動機発祥の地」の碑に出会いました。そんなオマケもあったりします。
●さて、明日も雨予想ですが、どの程度なのでしょうか。東京はアラートが解除になり、ほぼほぼ規制もなくなったものの、遠出は自粛するのが賢明そう。そんなわけで、無類の旅好きである私もこの3カ月はもっぱら近場をウロウロし続けています。「マイクロツーリズム」ともいうそうですが、たしかに、遠くに行くのだけが旅ではありません。これまでもっぱら、その逆=マクロツーリズムを追い求めできた私ですが、コロナ禍に遭遇したことで、ごく自然に転向しつつあります。
●しかし、それよりもっと近くへの旅はテレビではないかと。3月に入ってから観る機会がめっきり増えました。といっても、観るのは映画、食べ物テーマの番組、ニュース、ドキュメントがほとんど。そうした中で強烈な吸引力で私を引っ張るのが『空港(駅・街角)ピアノ』です。今夜オンエアされたベストセレクションはこれまでの名場面の数々が。世界15の都市が取り上げられていましたが、どれも目頭が熱くなるものばかりで、なかでも、ロンドンのセントパンクラス駅篇に登場した91歳のお年寄り(元花屋さんの男性)の演奏はホント素晴らしかったです。
●3年前、一緒に旅した男性が同じ駅の同じピアノを弾いてくれたことがあるだけにいっそう親しみを感じたのかなぁ。これほどまでにテレビが新鮮に感じられたことはありません。いい意味でも悪い意味でも「発見」の連続で、究極のマイクロツーリズムという気がします。

Facebook Post: 2020-06-13T22:15:51

ゆっくり歩くからこそ発見できるもの・こと──自粛だより⑬

●日曜日は朝9時半過ぎに自宅を出ました。目的地は表参道なのですが、六本木まで行って歩いて戻ることに。西麻布から高樹町を経て、根津美術館の脇を通るコースです。途中の坂は予想以上にキツく、午前中だというのに、けっこう汗をかきました。
●でも、「ゆっくり歩く」という原始的な行為が心身に与える影響は思いのほか大きそうです。ふだんからしょっちゅう目にしているはずなのに、意識を向けていないため見落としてしまっている物・ことが多いのに気がつきます。まあ、日曜日の早い時間帯というのも感性のブラッシュアップにひと役買っていたかもしれません。
●いやいや、曜日など関係ないようにも思います。というのも、昨日ですが、池袋で所用を済ませ、家まで歩いて帰ろうと地上に出ると、西口のルミネ入口近くに大きなオブジェと碑があるのに気がつきました(これまで何百回と前を通り過ぎているのですがね)。そこには、当地にかつて鉄道員の養成機関があったことが記されています。そういえばここから少し北に行ったあたりに昭和鉄道高校があったことを思い出し、一度この目で確かめてみようと歩き始めました。その養成機関と何かつながりがあるかもしれないと思ったからです。川越街道からほんの少し入ったところに立派な建物がありました。古いSLが展示されていたり、新幹線をイメージさせるような校舎であったり、いまでは全国でただ一校、「鉄道」という言葉が使われている学校だけあって、スペシャルな雰囲気が、感じられました(あとで調べてみると、先の養成機関と直接のつながりはないようです)。
●そこから西に向かい、熊野町の交差点を曲がって、山手通りを南に。すると、かの有名なハタボウルが解体工事中ではありませんか。手ごろな値段でボウリングが楽しめるというので、学生時代に何回か遊びに来た記憶もあり、時代の移り変わりを実感させられました。その先からクネクネした細い道を行くと、えびす通りの入口=要町駅前に到着。思わぬ長歩きになりましたが、またまた新発見の連続で、楽しい時間になりました。歩ける方は、機会があったらどんどん歩きましょう!

Facebook Post: 2020-06-09T14:29:14

韓国映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』──自粛だより⑫

●一昨日(5日)、ためていた録画で韓国映画を見ました。『タイトルは『タクシー運転手 約束は海を越えて』。1980年5月の光州事件が素材なのですが、これ以上ない絶妙のタイミングで観る結果に。前日は天安門事件が起こった日、また、アメリカとヨーロッパでは、黒人差別に対する抗議デモが大きな広がりを見せています。これらに通底するのは、権力を手にした者は、それを守るために非人間的な行為にも平気で手を染めてしまうということ。一般民衆の熱が高まると、それがさらにヒートアップするのも世界中に共通しています。
●映画の結末は悲しくもありうれしくもあり、複雑な気持ちにさせられますが、そんな気分を吹き飛ばしてくれたのが、我が家の花壇。これまで咲いたことのない(植えて育てた記憶もない)花が2種(知っている方、名前を教えてくださいませ)、突然開花。さらに庭には、都心では珍しいカラスアゲハの姿が。自粛で、在宅時間が長くなっているおかげですね。
●それにしても、東京アラートの状況がこのまま続くと、ひょっとして非常事態宣言発令中のような厳しい要請が復活するのでしょうか。いったんゆるんだ気持ちを元に戻すのは、それと逆のとき以上にエネルギーが要りそう。あと3週ほどで上半期も終わってしまというのに、先行きがまったく見えない不安とストレスはさらに高まります。それを乗り越える新しい楽しみをまた見つけたいものです。

Facebook Post: 2020-06-07T21:18:49