ドナウ川クルーズの愁眉ヴァッハウ渓谷

2017年11月4日
DSC04111今回のクルーズの目玉の一つが「ヴァッハウ渓谷」です。ドナウ川沿いでは景色がいちばん素晴らしいとのことで、この季節は黄色く変わった葉でいっぱいの木々が楽しめそうです。

今日未明にウィーンを出発した船は朝方、デュルンシュタインに到着。ここで下船し、徒歩で町に向かいます。黄色に色づいたブドウ畑の横を通り抜けた先が市街地。といっても、往復20分足らずですべて観ることのできるこじんまりした町です。

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私は、かつてリチャード獅子心王が幽閉されていたという城跡のある山に登りました。20分ほど歩くと頂上なのですが、ここから見下ろすドナウの眺めは最高でした。私より先に、数人の方が登り終えており、お話をうかがうと、80ウン歳とか70代後半とか、はるか年上の人ばかり。とにかく、その元気さには恐れ入ります。

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出発まで時間があったので、この町を象徴する「聖堂参事会修道院教会」の周りを歩いてみました。水色の外装がユニークな教会です。川岸ギリギリの道を小型定期船の船着き場まで歩いていき、その全景を観ることができました。

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DSC04137船に戻るとランチです。バイキングスタイルは変わりませんが、今日はなぜか、基本のラインナップのほかに子豚の丸焼きが出てきました。厨房から、大きな銀の皿に載せた豚が運ばれてきたときはびっくり。小さなロウソクが何本も差し込んであるのですが、その炎が爆竹のようにはじけて音を出すのです。それにしても、なぜこのタイミングで? どう考えてもわかりません。

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さて、デュルンシュタインから船はパッサウまでさかのぼっていくのですが、その間が「ヴァッハウ渓谷」。途中、山の上に古い城跡があったり黄色い木々に覆われた山肌が見えたり教会の尖塔がひときわ目立つ可愛い町があったりなど、ずっと観ていても飽きません。2時間ほどで、次の目的地メルクに到着。「修道院」で有名なところと聞いていましたが、遠目で見てもたいそうなスケールであることがわかります。

 

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DSC04187もともとは、ハプスブルク家より前の時代にこの地方を支配していたというバーベンベルク家が築いた城をベネディクト派修道院に寄進したもので、18世紀の初めにバロック様式で再建されたため、見た目も派手な=清貧のイメージとは真逆の修道院に。内部、とくに祭壇はなんとも絢爛豪華でした。10万冊の本を備えた図書室は、今年8月にダブリンで訪れた「トリニティー・カレッジ」を思わせるような造り。また、ほかにもさまざまな宝物を展示しており、楽しむことができます。屋上からの眺めも素晴らしく、こんな場所で修行に打ち込めるのだろうかと心配になってしまいました。

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