2019年11月22日
とてもうれしい話を聞きました。11月15日から始まったトップリーグの一つ下「トップチャレンジリーグ(TCL)」の試合に多くの観客が詰めかけたそうです。「TCL」は言うならば「トップリーグ」の2部で、8チームの構成。この日は平日(金曜日)で、しかもナイターという悪条件。にもかかわらず、愛知県刈谷市のウェーブスタジアム刈谷(豊田自動織機vsマツダ)に、3182人もの観客が集まったといいます。昨年9月の「TCL」開幕戦(マツダvs近鉄)のなんと4倍で、これは明らかにW杯で日本中が盛り上がった余波でしょう。豊田自動織機には、W杯予選プールであいまみえたサモアのトゥシ・ピシが先発出場していた影響もありそうです。(写真は日刊スポーツ)

さらに、翌11月17日、大阪のヤンマーフィールド長居でおこなわれた近鉄vs清水建設のゲームには、W杯で献身的な活躍を見せたトンプソンルーク、元オーストラリア代表(70キャップ)のクウェイド・クーパーが先発出場。同じくオーストラリア代表のウィル・ゲニア(110キャップ・写真はスポニチ)も後半途中からプレーし、スタンドをほぼ埋め尽くした5068人の観衆も大喜びだったといいます。トンプソンルーク(写真は共同通信)にとっては最後のシーズンですが、「本当にびっくり。近鉄入りしたときはこんなに人はいなかった。雰囲気が変わってうれしい。最後のシーズン。でも、いつものように次の試合に集中してチームのためにプレーする」と語っていたそうです。
ちなみに、この試合でフル出場した清水建設のサム・ワイクス(元オーストラリアU20代表・ポジションはロック)は昨年2月、リオデジャネイロで私が観戦したスーパーラグビー(ジャガーズvsサンウルブズ)の試合に出場しており、日本への帰途、乗り継ぎのサンチャゴ空港でその姿を見かけ一緒に写真を撮ってもらいました(左端)。

ほかにも、コカ・コーラにはウィリアム・トゥポウ(JAPAN代表)、清水建設にはルーク・マカリスター(元ニュージーランド代表・33キャップ)が所属しており、コアなファンには見逃せないカードも少なくありません。とともに、年明けからスタートする「トップリーグ」への期待が高まります。
そんな中、「早明戦」(毎年12月第1日曜日)のチケットが取れないというニュースを聞きました。関東大学ラグビー対抗戦グループに属する早大vs明大の試合は、かつて「学生スポーツのドル箱」と言われるほど多くの客を集めました。秩父宮に入りきらないということで、1973年~2013年は旧国立競技場でおこなわれたほどです。なかでも82年の入場者数66999人は、64年の東京オリンピック開会式・閉会式に次いで3番目に多かったとのこと。早大の本城和彦、吉野俊郎、明治の藤田剛、河瀬泰治など、いまでもその顔やプレーぶりが目に浮かびます。80年代後半から90年代初め頃は早大が清宮克幸、堀越正巳、今泉清、増保輝則、明大は大西一平、太田治、永友洋司、吉田義人、元木由記雄らが活躍。それより前、70年代にも、早大の藤原優、石塚武生、明大の笹田学、松尾雄治など、名プレーヤーがいました。
私も早明戦は何度か国立で観戦しましたが、感動で胸を熱くした記憶があります。しかし、それから何年か経ち、世界のラグビーを見始めるようになると、プレーのレベルの低さに愕然としてしまいました。「世界」どころか、大学ラグビーの前に社会人ラグビーが立ちはだかったのです。
1960年に始まった日本選手権(当初はNHK杯)は大学選手権の優勝チームと社会人の優勝チームが雌雄を決するスタイルでした。87年まで両者の力は拮抗しており、早大が4回、同大が2回、日体大と明大が各1回、社会人に勝ったこともあります。日本人特有の判官びいきの心情もたぶんに影響していたのでしょうが、大学チームが勝ったときは非常に気分がよかったものです。しかし、87年の早大を最後に(東芝府中に22対16)大学勢は社会人にまったく歯が立たなくなります。その差が年々顕著になったこともあり、97年からは出場チームの選定など試合方式を変更したのですがそれも焼け石に水。大学チームの優勝はここ四半世紀ありません。
それだけ社会人の力が学生をはるかにしのぐようになったわけですが、その社会人のベストメンバーを集めて編成されるJAPANが、世界を相手にするとさっぱり歯が立たないのです。それは1987年に始まったW杯でくっきりあらわれました。W杯には毎回出場しているJAPANですが、第1回の代表メンバーは、大学ラグビーで大活躍した選手も含め26人。しかし、予選プールではアメリカ、イングランド、オーストラリアに連敗しました。次の91年は宿沢広朗の率いたチームで、スコットランド、アイルランドに連敗したあと、3戦目のジンバブエ戦で初めて勝利します(52対8)。しかし、このあと2011年まで5大会(20年間)、JAPANの勝利はありませんでした。
91年のスコッドを見ると、FWに藤田剛、大八木淳史、林敏之、HBに堀越正巳、BKに平尾誠二、朽木英次、元木由記雄、吉田義人など、当時国内では超一流とされていた選手の名前がズラッと並んでいます。それでもまったく歯が立たないのですから、日本のレベルがよくわかります。

それから4年後、95年のW杯でJAPANは歴史に残る屈辱を味わいます。予選プールでウェールズ、アイルランドに完敗したあとの最終戦、ニュージーランドになんと17対145という大敗(145得点は大会史上最高、得点差128、失トライ数21はいまもなおW杯のワースト記録)を喫したのです。このときのメンバーも、けっして91年に劣りません。にもかかわらずこの悲しい結果。世界とのあまりに大きな差に日本のラグビーファンは打ちひしがれました。というか、私など、ほとんどドッチラケ状態におちいりました。そして、この大会の2カ月後、世界のラグビーは本格的にプロ化が始まります。しかし、日本ではアマチュアリズム信仰が強く、そうした流れに乗れませんでした。
99年、2003年、07年、11年と、JAPANは4大会連続で1勝もできない状態が続き、予選プールで敗退。ようやく2003年になって「トップリーグ」が発足、プロ契約でラグビーをする選手が出てきました。それが前回の15年、エディー・ジョーンズに4年間鍛え上げられたJAPANはすっかり生まれ変わり、南アフリカ、サモア、アメリカと3勝をあげるまでに。勝ち点の差で残念ながら決勝トーナメントには進めませんでしたが、ようやく光が見えてきたのです。
しかし不思議なのは、W杯でまったくいいところなしの敗北を繰り返していたにもかかわらず、国内では大学ラグビーが相変わらず盛り上がりを見せていたことです。2008年までは早明2校を軸に大東文化、関東学院がリードしましたし、10年以降は帝京が大学選手権9連覇を達成しています。関西は1984年の同大を最後に低迷が続いていましたが、ようやく19年、天理大が決勝まで進みました(明大に敗れ優勝は逃す)。
2019年1月の大学選手権決勝=明大vs天理大はテレビで観戦しましたが、何より興味深かったのは天理大で外国人留学生の選手がプレーしていたことです。18年まで9連覇していた帝京大にも外国人選手はいましたが、1人だけ。同じ対抗戦グループに属する大学を見ても、日体大を除き外国人選手は皆無です。一方、リーグ戦グループ(1部)はというとガラリ一変、流通経大、拓大、東海大、法政大、日大など多くの大学で留学生がプレーしています。関西Aリーグでも天理大のほか、京都産業大、摂南大に外国人選手がいますが、同大、立命館、関大、関西学院大といった伝統校にはいません。(写真は毎日新聞社)関東・関西を問わず、伝統校の場合、チームは日本人だけでという考えがまだまだ強いのでしょう。
しかし、これからの時代、大学スポーツはもちろん、高校スポーツでも外国人留学生抜きで好成績を収めるのは難しくなるのではないでしょうか。ラグビーもいずれそうなるのは目に見えているにもかかわらず、そうした中、純血主義=日本人選手だけのチーム編成にこだわるのは時代錯誤というか、むしろ違和感を覚えます。
いまでこそ外国人選手抜きのプロ野球など考えられませんが、大昔のプロ野球セ・リーグの巨人は、どうした理由かわかりませんが、純血主義にこだわっていました(正確には「見かけ」だけ)。巨人の場合、姑息というか、顔が日本人ならOKと勝手な理屈をこさえ、ハワイに移民した日本人2世の選手(与那嶺要、宮本敏雄)を使っていたのです。まさかいまのラグビー協会がそうした考え方をしているとは思えませんが、これからはむしろ、外国人をどんどん、それも高校・大学のうちから集めたほうが賢明だと思います。
南太平洋のトンガ、フィジー、サモアを始め、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンといったラグビーの盛んな国々、さらにインド、スリランカといったアジアの国からどんどん留学生を集めるのです。私が密かに期待しているのはモンゴルです。モンゴルのラグビーなど聞いたことがありませんが、いまの大相撲での活躍ぶりを見ると、日本に来てから始めても、鍛えさえすれば強くなるのははっきりしています。高校から日本に留学してもらい、ラグビーを覚えさせても十分間に合うのではないでしょうか。最初はモヤシのような細い体であったとしても、こちらでトレーニングを積み、作っていけばよいのです。それこそ、大相撲の力士のような身長180センチ以上、体重も100キロ以上でラグビーができる学生が育ちJAPANのメンバーになれば、「ティア1」の国々と戦っても十分太刀打ちできると思うのですが。
今年はW杯の余波もあり、久しぶりに大学ラグビーにも大きな関心が集まっているようです。早明戦のチケットが手に入らないというのも、その影響でしょう。各大学には将来のJAPAN代表になるメンバーもいるはずで、4年後のW杯に出てくるような成長株を見つける楽しみもたしかにあります。大学生が一生懸命やっているのだから……という心情も理解できないではありません。ただ、そのあたりで満足していると、そのレベルで終わってしまいます。それだけならいいのですが、大学ラグビーの人気イコールラグビー全体の人気などと思い違いをする人が出てくるのが怖いのです。
もちろん、ラグビーですから、どんなレベルであっても、野球やサッカーをはるかに上回る面白さには満ちています。しかし、大学ラグビーはしょせん一段も二段も下。どうせお金と時間をかけて観戦するなら、やはり「トップリーグ」を追いかけたほうが得だと思います。

そういえば、今年3月、母校ラグビー部の創部70周年を祝う会でも、後輩が「去年、今年は入部者が少なく、単独でチームを組めない心配もあります」と語っていました。6年前、「選抜高校ラグビー」に“21世紀希望枠”で出場したことがある我が母校ですらこれが現実なのです。それから3年ほどの間に急激に弱くなってしまったという背景はあるにしても、たかだか2、3年でこれはないんじゃないの!? と言いたくなりますね。
さて、校庭の芝生化と並行して進めなくてはならないのが競技人口を増やすことです。野球の甲子園、サッカーの国立(ただし、2020東京五輪に向け工事中のためおそらくは埼玉スタジアム?)に対し、ラグビーは花園(東大阪市)。ただ、全国高校ラグビーの参加校数はここのところ減少の一途をたどっており、2020年大会(第100回の記念大会)はおそらく1000校を割っているはず。高校生の競技人口も2万人カツカツで、これはサッカーの8分の1。バスケットボール、バレーボールより少ないのはなんとなく実感できますが、ハンドボールよりも少ないという事実には驚きました。

また、今大会でウェールズ代表の練習の様子がニュースで紹介されたとき、ジャージにISUZUの名前がプリントされているのに気がついた人もいるでしょう。実はISUZUはスバルとともに、同国代表チームのスポンサーになっているのですが、どちらも日本国内ではラグビーと縁がありません。オーストラリアのDAIKINはじめ、世界各地のラグビーを見ると三井不動産、NISSUI、asics、三菱自動車の名も見えますし、W杯ではキヤノン、三菱地所グループ、大成建設、TOTO、NEC、SECOM、ヒト・コミュニケーションズもスポンサーに名前を連ねていました。このほか、これまで日本のラグビーとまったくかかわりを持ったことのない有名企業も含め、果敢にアプローチしていってほしいものです。豊富な資金を確保した上で、知恵者・切れ者がかかわっていけば、短期間のうちに斬新なアイデアが浮かび上がり、それを実際の形にしていくのも難しくはないでしょう。(共同通信)
ゲームとしての面白さもありますが、それ以上に、生身の体が音を立ててぶつかり合う興奮、自分自身がグラウンドの上にいるかのように錯覚してしまう迫力──。ラグビーの醍醐味はそれに尽きます。ただ、そうした体験ができるのは、球技専用のスタジアム、それもグラウンドに近い席だけです。その点、豊田タジアムで前から5列目に座れたJAPAN vs サモア戦は最高でした。選手の声も聞こえますし、表情もはっきり見えましたから。
ニュージーランドなど南太平洋の国のチームにだけ許されているハカ(フィジーのシピ、サモアのシヴァタウ、トンガのシビタウ)についても、昔から議論があるようです。とくに、イングランドとアイルランド、フランスは、NZのハカに対しては敵意をむきだしにするところがあり、今大会でもそれを隠そうとしませんでした。日本人的には、「神聖な儀式なのだから、おとなしく見ていればいいではないか」と思うのが普通でしょう。しかし、イングランドやアイルランド、フランスの選手たちには「NZだけがそうやって戦意高揚を図るのは不公平だ」「黙って見ていろというのはおかしい」という思いが昔からあるようなのです。
試合が終わったあとお互いの健闘を讃え合うのは、どの国も同じ。これはラグビーの基本精神だからです。花道を作り、相手チームのメンバーを送るのも、ほかのスポーツでは見られないシーンでしょう。日本の出ない試合であっても、二つの国の国歌を、日本人の観客が歌詞カードを見ながら歌うというのもえらく新鮮な印象を与えたようです。
今回、釜石鵜住居【うのすまい】スタジアムでおこなわれたフィジー vsウルグアイの試合。ラグビーの競技人口比率が世界でもNo.1のフィジーは世界ランキングも日本とさほど変わりません。もちろん、選手は全員プロです。これに対しウルグアイは、31人のスコッド中9人がアマチュアだというのです。公認会計士もいれば医者もいる、自動車整備工場の経営者もいれば銀行に勤める者もいる。チームもほかの国のように、何カ月も合宿をして力をつけていくなどというプロセスはまったく経ていません。ところがなんと、そのウルグアイがフィジーを相手に30対27で勝ったというので大きな話題になりました。フィジーがプロらしからぬミスを連発したせいもあるのですが、それにしてもウルグアイの選手は皆、溌溂とプレーしていました。それが観客だけでなく、取材に訪れていた日本のメディア関係者や新聞記者にも伝わったのではないでしょうか。


17時50分、選手がグラウンドに入ってきます。太鼓の音ともに両チームが入ってくるのは日本らしさ満点で、ホントよかったですね。南ア初めての黒人主将・シヤ・コリシもいささか緊張気味。でも、胸に期すところは大きいのではないでしょうか。
さて、試合のほうはというと。今日も後半25分までは12年前とまったく同じ。このままで終わってしまうのかと思っていたのですが、後半26分にマカゾレ・マピンピが、さらにその8分後には“ポケットロケット”チェスリン・コルビがトライを決め、終わってみれば32対12で南アの快勝でした。

表彰式は2位・1位の順でメダルの授与→「ウェブ・エリス・カップ」授与の流れ。でも、イングランドの選手のうち何人かはメダルを首にかけてもらうのを拒んだり、かけてもらってもすぐ外してしまったり。悔しいのはわかりますが、こういう姿は見たくないですね。もうひとつ、「ウェブ・エリス・カップ」授与のときの盛り上げは少々物足りませんでした。前回がド派手だっただけに、いささか見劣りしました。(写真は©World Cup Rugby)

なお、南ア代表として今大会に出場していた選手のうち、フッカーのマルコム・マークスがNTTコミュニケーションズ、BKのダミアン・ディアレンデがパナソニック、同じくジェシー・クリエルがキャノン、さらにBK(FB&ウィング)のウィリー・ルルーがトヨタ自動車でプレーすることになっているといいます。ヤマハのクワッガ・スミス(FW第1列)、クボタのドウェイン・フェルミューレン(NO.8)、HondaのRG・スナイマン(ロック)の3人はこれまで同様。また、ルルーもかつてキャノンに2年在籍していたことがありますが、昨日記したニュージーランド代表の3人、オーストラリアの4人、サモアの2人も含め、2020年のトップリーグは興味津々です。
さあさあ、W杯もいよいよ今日が決勝。イングランドvs南アフリカの対戦となりました。こんな黄金、いや“プラチナカード”が横浜で見られるなど、10年前には想像すらできませんでした。W杯を日本で開催できたことを、いまさらながら改めて喜びたいですね!
さて、昨夜は東京スタジアムで、ニュージーランドvsウェールズの3位決定戦を見ました。9月20日の開幕戦、日の入りは18時10分だったのが今日は16時48分。スタジアムに入ったときは夕日の残照が空を染めていました。どこかさみしげな印象がしますが、これはやはり「3位決定戦」という、ある意味位置づけの難しい試合のせいでしょうか。勝っても3位ですから、選手たちのモチベーションもいまひとつ高まらないのではという気もします。
観客も、両国だけでなく多彩。ほとんどはベスト8に進んだ国の人たちですが、心の底では、「ホントは明日試合するはずだったんだよな」くらいに思っているのでしょう。スタンドも、オーストラリの集団がいたり、イングランドのサポーターがあちこちに固まっていたり、ビールをガンガン飲んでいるアイルランドのグループも。


キャプテンのキアラン・リード(NO.8)も代表としては最後の試合、またスティーブ・ハンセンHCも同じく最後とあって、チームの全選手も心に期するところがあるようで、ハカも気合満点。ちなみに、通算127キャップで代表を退くことになったキアラン・リードは、来年1月から日本のトップリーグでプレーするとのアナウンスもありましたよ。ちなみに、この日出場していた選手のうち、POTM(プレイヤーオブザマッチ)に輝いたロックのブロディー・レタリックは神戸製鋼、トライを決めたCTBのライアン・クロッティはクボタ、FW第1列のマット・トッドは東芝(昨シーズンはパナソニック)だそうです。これでトップリーグ観戦の楽しみが増えますね。

今日のサプライズは上皇ご夫妻が観戦にいらしたこと。後半からでしたが、巨大なスクリーンにお二人の姿が大写しになったときはどよめきが起こりました。決勝戦にも皇族のどなたかがいらっしゃるのかもしれませんが、3位決定戦というのが、いまのお立場を感じさせます。



どの開催都市に行っても、空港、駅、主要道路、繁華街、デパート、小売店など、ポスターや横断幕、幟【のぼり】、捨て看、バナー、ラグビーボールのオブジェ、公式マスコットの「レンジー」を見かけましたし、居酒屋やカフェもにぎわっていました。「4年に一度じゃない。一生に一度だ」のキャッチコピーどおりの体験をした人もいっぱいいるのではないでしょうか。
しかも、9月20日から11月2日までのW杯開催期間と日程が重なり合うスポーツイベントには、プロ野球のセ・パ両リーグのCS、日本シリーズ(ソフトバンクのストレート勝ちで10月23日に終戦)、バレーボール男子のワールドカップ、競馬のGⅠ菊花賞に天皇賞、プロ野球ドラフト会議(高校生)、日本初開催となる男子ゴルフのPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」(タイガー・ウッズが13年ぶりに日本で出場)など、強力なコンテンツが目白押し。また、サッカーJリーグも最終盤に来て激しい優勝争い(10月29日現在、4チームが勝ち点5の差でひしめく)が展開されていますし、バスケットボールBリーグも開幕しました。
そうした中で大変な数の「にわか」ラグビーファンが生まれたのは間違いありません。多くの人が「いやぁ、私はにわかなので」「世の中ラグビーで盛り上がっているのに一人だけ外れているとさびしくて」……、さまざまな人がいるでしょうが、とりあえず2試合でもテレビ中継を観た人は、なぜラグビーがこれほど多くの人の心を鷲づかみにするのか、理屈抜きで感じ取れたと思います。こまかなルールなどうっちゃってOK、要は相手ゴールラインを越えたエリアにグラウンディングすればトライだということさえ分かっていれば、ハンパなく濃密な80分間を経験できることが体感できたのではないでしょうか。

つい半年、いな3カ月ほど前までは、どこに行ってもラグビーの「ラ」の字も見えませんでした。「これで大丈夫かなぁ」と、大会関係者でもなんでもない私ですら心配になったものです。それがなんと、国民の半分半分近くが、突然“ラグビーファン”になって熱くなり、南アに負けて“JAPANロス”、そして大会が終わったら“ラグビーロス”になりかねないような雰囲気すら感じられます。

選手個々人はこのほか、いくばくかの賞金も手にするようですが、それとは関係なく、ラガーマンにとって最高に名誉で誇らしいことがあります。それは、「バーバリアンズ(Barbarians)」というチームのメンバーに選ばれることです。英語のbarbarianは「野蛮人」を意味するのが面白いのですが、ラグビー界で「バーバリアンズ」といえば、「ホームグラウンドを持たず、数名の役員によって選ばれた世界の一流選手で編成される伝統あるラグビーユニオンクラブ」(Wikipedia)のこと。もちろん各国の代表チームやクラブなどと試合をするために編成されるのですが、チャリティーの目的で試合をすることも多く、テストマッチのようなピリピリした緊張感はありません。

日本の選手でこれまで選ばれたのは、今大会でも活躍した田中史朗、ほかには林敏之(同志社大→神戸製鋼)、元木由記雄(明大→神戸製鋼)、ホラニ龍コリニアシ(埼玉工大→パナソニック)、藤田慶和(早大→パナソニック)しかいません。©Daily Telegraph
そのジョセフHCが、JAPANの決勝トーナメント進出が決まった3日後、福岡の企業サニックスの本社を訪れ、ベスト8入りを報告したというニュースが新聞に小さく出ていました。同社とジョセフHCとの縁は深く、1995年、同社の創業社長・宗政伸一さん(2017年に死去)に請われてラグビーチームに加わり、2003年までプレー。その間チームはめきめき力をつけ、トップリーグ加入も成し遂げました。99年のW杯ではJAPANの代表にも選ばれています。
にもかかわらず福岡の熱気といったら……。それは、予選プールで4本、それも派手なトライを決めた福岡堅樹(ウィング)のおかげでしょう。地元福岡県古賀市生まれ、福岡高校出身(→筑波大学)、そして名前が福岡。これで盛り上がらないほうがおかしいかもしれません。「JAPAN躍進の電源地は福岡だ」と、誰もが思っているようなのです。ちなみに、日本ラグビー協会の会長も、福岡の森重隆さん(福岡高→明大→新日鉄釜石)です。©サンケイ
しかし、そうした表舞台の出来事とは別に、派手さはないものの、日本ラグビー界に貢献していることがあります。それは「サニックス ワールド・ラグビー ユース交流大会」です。これは2000年から始まった、高校生の国際大会で、会場は福岡県宗像【むなかた】市のグローバル・アリーナ。毎年5月のゴールデンウィークに世界各国から16チームが参加して開催されます。過去20回おこなわれたうち、ニュージーランドが10回優勝しており、もちろん最多。残念ながら日本のチームが優勝したことはないのですが、世界の高校生ラガーマンのあこがれと言っても過言ではありません。
©Getty Images
横浜のスタジアムは今日が5回目になりますが、ようやくアクセスのコツも飲み込み、すんなりと行けました。しかし、予選プールのときよりも人の出足が早く、途中の道筋にある居酒屋、カフェ、コンビニなど、酒を売っている店は、中はもちろん、店の前、さらにはその周囲まで人でビッシリ。それもでき上がり具合が相当のレベルまで行っているように感じました。外国からの観客もどうやら日本のパターンに慣れてきたようです。
共通するアテ(酒肴)はラグビーで、ニュージーランドが負けたのはなぜか、決勝で当たったらイングランドよりウェールズのほうが強いとか、皆それぞれ自説を曲げません。いわゆる「にわか」ファンとはまた違う、けっこうクロウトはだしのファンが多いのです。たしかに、着ているレプリカのジャージを見ると、「2003」「2007」「2011」などという数字がプリントされていたりします。毎回、かならず観戦に行っているようです。もちろん、自分の応援している国が優勝するのが最高なのでしょうが、そうでなかったとしても、準決勝、3位決定戦、優勝で超ハイレベルの試合が見られればそれだけで満足というファンが多いように感じられます。
スタンドの外でもこれは同じ。さらに言うなら、スタンドの中でも同じです。サッカーのように、アウェーのサポーターはこのエリアなどという制限はありません。一人で、イングランドの応援歌をがなりたてる人がいるかと思えば、その2、3段後ろの席に陣取ったサポーターがオールブラックスの旗を体に巻いて盛り上がっていたり……。敵も味方もごちゃ混ぜに座っているのはごく普通で、対戦していない国のファンがけっこういるのも珍しくありません。要は、ラグビーというスポーツが楽しめればOKなのです。今日も、ウェールズのサポーターの中にはイングランド、スコットランド、アイルランドから来たとおぼしき人がいっぱいいました。「同じイギリスだから」ということなのかどうかはわかりませんが、そうした合従連衡・呉越同舟的な雰囲気は当たり前なのかもしれません。
ゴールドやグリーン、青や赤などカラフルなジャージが目立つ中、イングランドの、飾り気のない純白はかえってイキな印象。胸の赤いバラのマークもどこか由緒を感じさせます。ちなみに、15世紀の半ば頃イングランドの王位継承をめぐって起こった「バラ戦争」を戦った2つの名門一族(ランカスター家vsヨーク家)の家紋がどちらもバラだったことからそう呼ばれているですが、勝利したランカスター家のバラが「赤」だったそうです。写真はカンタベリー社の広告から(左からカリー、ジョセフ、ファレルの3選手)。
ホイッスルが吹かれる前、スタジアムにどよめきが起こりました。恒例によりハカを披露するニュージーランドの前で。イングランドの選手たちが「V」の字に並んでみせたのです。ハカの陣形は前の尖った三角形ですが、それを受け止めるかのような「V」の陣形。こういうパフォーマンスを見せれば、さしものニュージーランドも多少は動揺するのでは……というエディー・ジョーンズHCの読みがあったのかもしれません。それが功を奏したのか、開始早々イングランドがノーホイッスルトライ。ニュージーランドの選手がまだ心を落ち着かせずにいるスキを狙ったのだとすれば、これはみごとな采配としか言いようがありません。©『RUGBY JAPAN 365』



20日の試合、前半が終わった時点で3対5という僅差。見かけはJAPANの大健闘という印象ですが、それより目についたのは南アフリカのミスの多さ。いいところでノックオンやスローフォワードなどのハンドリングエラーをしてしまい、なかなか得点に至りません。選手もかなりフラストレーションをためていったようで、その象徴が前半ラストの場面。トライかと思われましたが、レフェリーの笛が鳴りません。プロジェクターで見ると、タックルされたらボールからいったん手を離さなければならないのですが、それを忘れそのまま持ち込んでいたのがはっきり映っていました。「なんとか1本トライを」と気が早っていたのでしょうね。
それにしても、これまでグラウンドを縦横無尽に動き回っていたJAPANがこの日は、時間の経過とともにどんどんへたっていくのがうかがえました。スクラムは押される、ラインアウトはマイボールを奪われる、モールは押される、パスを回そうとすると強烈なタックルを浴びる、そればかりか持ったまま押し戻される、密集でボールを奪われる(ジャッカルですね)、キックしても相手にキャッチされ逆襲される……。前後半を通じ、これまでのようにボールが5人、6人とつながる場面がほとんど見られませんでした。
また、最初から予選プール、準々決勝、準決勝、そして決勝まで見据えて選手を起用していくプロセスに慣れている南アのようなチームと、まずは決勝トーナメント進出が目標というJAPANとでは、選手の意識、フィットネスコントロールも違っていそうです。
Rugby World Cup Limited © 2007 – 2019.
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今大会のJAPANは、これまでホントに長い間、日本のラグビーファンが夢に見ていたことを次から次へやってのけてくれています。JAPANにもう「まさか」はなさそうです。長い間「まさか」の領域に閉じ込められてきた高等技術も、いまや「お手のもの」とまでは言いませんが、JAPANの選手たちにとってはごく日常的なものになっています。すごい時代がやってきました。それを67666人の一人として目の当たりにできる私は幸せです。
決勝トーナメントの組み合わせが決まりました。プールAを1位で突破したJAPANは、B2位通過の南アフリカと当たります。W杯直前、9月6日のテストマッチで敗れ(7対41)ていますし、最新の世界ランキングはもちろん上。昨年はニュージーランドと1勝1敗(いずれも2点差)と互角に渡り合い、今年も7月の「チャンピオンシップ(南半球4カ国対抗戦)」では引き分けています。このW杯では予選プールB組で対戦(9月21日)、13対23で負けました。4年前の大会でJAPANは“世紀の番狂わせ”で勝った相手ですが、普通に考えれば、負けて当然の相手です。
ただ、「ティア1」の国々と、「ティア2」から唯一決勝トーナメントに進んだJAPANとの間には目に見えない壁のようなものがあるのはまぐれもない事実。また、レフェリーも「ティア1」の国に有利な判定をする傾向があるのは否めません。そのあたりをいまノリに乗るJAPANが突き破れるか、期待したいものです。リーチマイケルのリーダーシップがもの言うといいのですが。

まあ、それはそれとして、スコットランド戦快勝に気をよくし、今日は浅草に行ったついでに「亀十のどら焼き」を買ってきました。勝利のお祝い、そしてこれはかなり無理がありそうですが、全力をあげて応援した自分へのごほうびですね。仙台の秋保では「主婦の店さいちのおはぎ」、大宰府(福岡県)では、“天然モノ”で売る「日本一たい焼き」、日田(大分県)では老舗の「赤司の羊羹」と、何かにつけては前祝いだの、景気づけだのと言ってはこの種の和菓子を口にしようとする食い意地には我ながらあきれてしまいますが、それもまた「楽苦備(ラグビー)」の楽しみと言っておきましょう。いささかこじつけっぽいことは百も承知で(笑)。

ジャージの話は先日も少し書きましたが、ポロシャツ風に仕立てたものはやはり亜流のように思います。本流はやはりラガーシャツ(長袖もあれば半袖もあります)ではないかと。そのいちばんの老舗が1904年創業のレーン・ウォーカー・ラドキン(LWR)社カンタベリー(Cantebury)というブランド、ニュージーランドの会社です。「The World Toughest Active Wear(世界一タフな活動着)」というのが製品コンセプトだそうです。






これでW杯史上初めて、予選プールAを1位で突破したJAPAN。次はクォーターファイナル(準々決勝)で、相手はプールBを2位で突破した南アフリカです。望むらくはもう一度ジャイアントキリングを。“二度あることは三度ある”ともいいますから。
スタンドにもけっこう差があります。日本がアイルランドに勝った静岡エコパスタジアムにはガックリきました。しかも、ドリンクホルダーもついていないのです。近頃のシネコン並みにとまでは言いませんが、前後のスペースの狭いこと。用があって籍を離れるとき、隣の人にお断わりし(もしくはアクションで示し)、体を縮こめてくれたのを確認した上でようやく動き始めることができます。それでも、途中体が揺れたり、足もとがおぼつかなくなったりするともう大変。まあ、これは世界中どこのスタジアムでも、ほぼ同じですけどね。ただ、ドリンクホルダーがないのはやはり参りました。

予選プールD組のウェールズvsフィジーは緊迫した一戦でした。ウェールズは勝てば決勝トーナメント進出が決まり、フィジーは望みがつながるからです。開始10分でフィジーが2トライ(コンバージョンは失敗)、そのあと15分間はウェールズが主導権を握り2トライ(コンバージョンは成功)。前半は14対10でウェールズがリード。
大分駅からスタジアムまではシャトルバスでしたが、車内の4分の1はウェールズのサポーター。しかも、乗る前からビールででき上っており、大きな声で歌を歌っています。着いたら、赤いレプリカジャージを着込んだ人の姿がさらに目立ちます。これまで観た試合のなかで、外国人の数がいちばん多かったのではないでしょうか。フィジーも負けてはいません。世界ランキングではJAPANより一つ上ですから、実力をフルに発揮できれば決勝トーナメントに進む可能性はあります。サポーターもそれを信じ、試合前から盛り上がっていました。
試合終了後シャトルで大分駅まで戻ると、どこもかしこも赤、赤、赤。駅前のアーケード商店街はあちこちでウェールズ・サポーターが集団で大騒ぎしています。チームは地味なのですが、サポーターは素晴らしく派手なようです。いちばんすごかったのは、その中にあるアイリッシュ・パブ。まるで、こうした事態を狙いすましたような場所に店を開いています。店内はカウンター、テーブルはもちろん通路までも、そして店の外も赤一色。ビールを飲みながら大きな声で歌い、母国の勝利を喜んでいました。
大分は今大会、5試合がおこなわれます。もちろん、地方の都市では最多。西日本では収容能力がおそらく最大のスタジアムがあるからでしょう。今夜が早くも3試合目ですから、おもてなしの態勢はバッチリ。アーケード商店街の上には今日戦った2チームの人形がしつらえられていました。それにしても、今夜の寒さといったら。10月9日という時期を考えると当たり前なのですが、昼間の気温と差が大きく、体にはこたえます。

「A列車で行こう」というのはなんともユニークなネーミング。ご存じ、チョー有名なジャズナンバーのタイトルをそっくり頂戴したものです。列車自体はとりたててジャズと関係があるわけではなく、「A」は「天草(Amakusa)」の「A」に由来しているよう。ただ、



三角西港から熊本駅まで戻ると、駅構内にもあちこち「ラグビー」が。人気のクマモンもJAPANのジャージを着ていました。ホテルに戻ろうと、市電に乗って熊本城の前で下車、ちょっと立ち寄ってみました。W杯の開催に合わせるかのように天守閣外観の修復が完成したことで、特別見学会が10月5日から始まったのです。実際、フランスなど外国人観光客の姿も目立ちました。
ちなみに、ホテルに戻り、部屋のカーテンを開けてみると、なんと先ほど見てきた天守閣の姿が──。でも、遠目に見るのと、間近でから見上げるのとでは、この段階ではやはり違うように思いました。


スタジアムはといえば、もう立派のひと言。周辺は体育館など総合スポーツ公園になっており、このスタジアムもその一つ。ただし、陸上競技場と兼用なので、ラグビーやサッカーで使う場合はスタンドからピッチまでがたいそう遠いというのが、まあ難点といえば難点でしょうか。




スコットランドに勝てば予選プールA組1位で突破するので、決勝トーナメントの初戦はニュージーランドでしょう。しかし、これではベスト8止まりでジエンド。できれば2位で突破し南アフリカと当たるほうが、希望的観測ですが、わずかながら期待の目もあります。そして、前回大会に続き南アを負かすようなことになれば、間違いなく世界的なニュースになるでしょう。そんなことを夢見ながら、13日のスコットランド戦を迎えましょう。

夕食は駅隣接の伊勢丹の上にある名店「かつくら」でトンカツ(勝つ)。そのあと、地下の食品売り場で買った、林万昌堂の甘栗を食べながら南アフリカvsイタリアをテレビでゆっくり観戦しました。開幕2日目でオールブラックスに敗れた南アフリカですが、さすがイタリア相手だと、大人と子ども。7つのトライを重ね、49対3で圧勝です。11番(ウィング)のチェスリン・コルビの際立つ俊足、スタミナが印象に残りました。JAPANが予選プールを突破すると、決勝トーナメントで当たる可能性がある南アフリカですが、この選手は要注意でしょう。




「規律」という点でもJAPANはアイルランドを上回っていたように思います。反則数は6、相手のPKにつながりやすい自陣での反則は1回きり。POTM(最高殊勲選手)にはFW(フッカー)の堀江翔太が選ばれましたが、私個人は、キャプテンのリーチマイケルとSH(スクラムハーフ)の田中史朗【ふみあき】の二人の貢献度が大きいと思っています。リーチは前半30分から交代出場でしたが、すさまじいタックルを連発、また田中は福岡のトライにつながるパス出しで貢献しました。FW第3列・姫野和樹の動きも素晴らしかったですし。



六甲山から再び神戸の街中に下り、夕食。横浜のときにならい、元町近くの南京町でまたまた中華。ひいきにしている「民生」という店でお腹いっぱいに。これだけ食べてパワーをつけておけば、あすのJAPANvsアイルランド戦@エコパスタジアムの応援にも力が入るはずです。
ホテルを出て三宮駅から続くSOGOデパート地下で観戦時の食料を確保。昨日から、食べ物の持ち込みが認められたのです。地下鉄で5つ目の御崎公園で降り、そこから15分ほど歩くとノエビアスタジアムに。今日はイングランドvsアメリカ。旧宗主国と旧植民地の対決です。その図式はラグビーにもそっくり当てはまり、実力の差は歴然。アメリカではなぜか、サッカーもラグビーもあまり広まらなかったようです。その代わりが野球とアメリカンフットボールなのですが、それでも近年はサッカー、そしてラグビーのプロ化が始まりました。



スタンドのまわりに並ぶ売店もそれぞれ個性的。飲み物はどこも共通ですが、食べ物は東北各地のローカルなメニューを販売しています。売り手も、岩手県人ならではのほのぼのとした優しさがいっぱい。軽く言葉を交わしながら好みの物を買い、温かな日の光とさわやかな風が頬をなでる中、ベンチや芝生の上に座り込んで飲んだり食べたりしながらキックオフを待つファンがいっぱいいました。コンクリートで作られた、いかにもといった感じの都市型スタジアムとはまったく違う味わいがあります。
試合は、スコッド31人中9人がアマチュアで、世界ランキングも19位という格下のウルグアイが、W杯では毎回健闘し、いまもランキング10位のフィジーを相手に堂々と渡り合い、最後は30対27で勝利。メインスタンドに陣取っていた100人近いウルグアイ人サポーターを喜ばせました。私たちが観戦したバックスタンドにも3人の熱いサポーターがおり、大きな声を張り上げていたのが印象に残ります。帰りも順調で、スタジアムから北上の駅まで渋滞もなく到着。茜色に彩られた西の空がきれいでした。

平屋建ての、さして大きくもないスーパーなのに、駐車場が3カ所もあり、しかも警備員までいます。そこへ次から次へ車が入ってきて一目散に店の中に。もちろん、食料品や生活用品を買いに来る客もいるようですが、3分の2はおはぎ買いの客。狭い売り場の一角に並べられているのですが、どの客も5パック、10パックとバスケットに入れていきます。話を聞いていると、自分たち用に隣人やお客さん用などを一緒に買っているようです。

