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初めて、タイをきちんと観光してみました

2013年2月19日
私がタイを初めて訪れたのは、四半世紀以上も前のこと。当時私がかかわっていた出版社で、客家に詳しい著者による単行本を企画、そのインタビュー取材でシンガポールに来たとき、ついでにということで、先のSくんと再会するためでした。このときは観光などする時間はまったくなく、ひと晩過ごしただけです。

というわけで、ほとんど初めて同然(家人は正真正銘の初訪問)のタイですから、今回は多少「観光」を盛り込みました。それでもわずか2泊しかできないとなれば、イキているのは1日だけといっても過言ではありません。

「王宮」、そして「ワット・プラ・ケーオ」「ワット・アルン」「ワット・ポー」の4カ所をまとめて観たのですが、どこがどこだったかも思い出せません。アジアの宗教建築はおそらくどこもそうなのでしょうが、とにかくきらびやか。外壁にびっしり仏像や神さまの彫像がほどこされているパターンが多いので、新しかったり保存状態がよかったりすると、それこそ光り輝いています。

「ワット・プラ・ケーオ」は「王宮」に隣接しており、別名をエメラルド寺院といいます。その昔、国王がラオスから戦利品として持ち帰ってきた翡翠【ひすい】の仏像がエメラルドグリーンをしていたことからその名がついたようです。境内にはどれも皆派手な金箔がほどこされており、見る角度によってはまぶしくて仕方ありません。

もともとは仏教寺院だったのが、その後ヒンドゥー教の影響を受けたため、そちらの神様なんぞも祀【まつ】られています。極彩色で覆われているのは、そうした影響もあるのでしょう。とにかく目立つこと、目立つこと。同じ仏教であるにもかかわらず、日本の禅宗っぽい質素さ、渋さといったものは微塵も感じられません。

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次に行ったのが「ワット・アルン」寺院。王宮の脇にある桟橋から渡し船でチャプラヤ川を渡って行く「ワット・アルン」。こちらは外壁が中国陶器で覆われていて、きらびやかさとはほとんど無縁です。もちろん、外壁を覆う小さな彫刻は一つひとつ細やかな細工がほどこされており、全体としては派手なのですが、金ピカなイメージはありません。高さ81mという仏塔の途中まで歩いて登れるのですが、階段が急でかなりのハードワークでした。

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このあともう一度渡し船で川を渡り、最後に訪れたのが「ワット・ポー」。こちらは本堂に安置されている“寝仏”が有名なようです。巨大な仏像は頭のてっぺんから足先まで金箔が塗られていて、まばゆいばかり。ただ、顔の表情はなんとも柔和で、成仏を示す半眼半口(目と口が半分開いている)の表情が印象的です。足の裏には精巧な螺鈿【らでん】の細工がほどこされていました。

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夕食の前に、ホテルの隣にあるヒンドゥー教寺院「エラワン・プーム」をのぞいてみました。ここは、日本でいえば町中の神社風の場所で、1日中参詣の人が。だれもが線香を焚くのですさまじい煙と香りが漂っています。日本の線香と成分が違うのでしょう、香りもドぎついというか、独特です。
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食事は、そのすぐ近くにあるショッピングモール「セントラルワールド」へ。ここには伊勢丹が入っているせいもあってか、日本の食べ物屋(フランチャイズチェーン系)もイヤというほど出ています。ただ、タイ飯をまだ食べていなかったので、スープやら麺やら、軽いメニューで済ませました。昼間まばゆいものをずっと見続けていた疲れもあったのかもしれません。

今回は時間がなかったのであきらめましたが、次に来たときは、都心の官庁街のただ中にあるという「ドゥシット動物園」にぜひ行ってみたいいなと思いながら、バンコク観光は終わりました。この「次に来たとき」というのが、大事なのですね、海外旅行では。

「オリエント・エクスプレス」の旅・3日目

2013年2月17日

L1050264さて、今日で「オリエント・エクスプレス」の旅も終わり。予定では、午前10時ごろカンチャナブリという駅に停車し、そこから、映画『戦場にかける橋』で知られているクワイ川を観光するはずなのですが、列車の進行が遅れてしまっていたようで、先にランチを済ませました。お昼前に駅に着き、そこからしばらく歩いたところにある桟橋で船に乗り換え、甲板にしつらえられた野外教室のようなところに一同着席。ガイドさんの英語によるレクチャーがあります。

内容は、私たち日本人にとってはかなり辛辣です。韓国人慰安婦や強制労働、中国・南京での大虐殺など、戦争というのはしばしば日ごろの常識では考えられないような行為を平気でしてしまう恐ろしさを秘めていますが、ここで起こったこともそれに似ています。それも、冷静な理性が稼働している状況下のことなので、悲しさと恐ろしさがいっそう強く感じられます。

太平洋戦争当時、東南アジアに侵攻した日本軍は、タイとビルマ(現ミャンマー)とを結ぶ全長415㎞の鉄道(泰緬【たいめん】鉄道)を建設しようとしました。それまでビルマの宗主国だったイギリスが、何度も計画したものの、過酷な自然条件のためにあきらめていた鉄道です。しかし、日本陸軍にとってこの鉄道は、物資や兵員の輸送のため、何がなんでも作る必要がありました。そして、実際にそれを実行に移したのです。

陸軍は、各地の戦いに勝って捕虜にしたイギリス、アメリカ、オーストラリア、オランダの兵士6万2千、タイ、ミャンマー、マレーシア、インドネシアから徴用した現地人労働者30数万、合わせて40万人ほどを動員し工事が始まったのですが、過酷な自然や厳しい地形、劣悪な労働環境などで、その半数が犠牲となりました。なかでも、このカンチャナブリ近くを流れるクワイ川に鉄橋を架けるは困難をきわめ、ことのほか多くの犠牲者が出ました。しかも皮肉なことに、彼らが作った橋を、軍事作戦上の必要から、最後は彼ら自身の手でその橋を爆破してしまうのです。当然のこと、これは捕虜の保護を義務づけているジュネーブ協定に違反した非人道的な残虐行為として、東京裁判などで厳しく糾弾されました。

レクチャーが終わると船が出発、チーク材で作られた昔風の家々を見ながらクワイ川を下り、降りるとバスに乗り換えて博物館「泰緬鉄道センター」へ。そのあとはすぐ向かい側にある「ドンラック戦没者墓地(鉄道建設で亡くなった人たちの共同墓地)」を訪れて献花、再びカンチャナブリ駅に戻りました。

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さて、列車は、住宅が建ち並ぶバンコク郊外から終着駅が近づくにつれ、スピードが大幅にスローダウンします。予定の16時45分より2時間近く遅れて、バンコクのフアランポーン駅に到着。ちょうど日が沈むころでしたが、50数時間、2160kmの豪華列車旅の終わりです。

ステップを降りると、ホームの出口に向かって歩き始めます。すると、旅の間、私たちのお世話してくれた担当スチュワードを始め、車掌、食堂車・売店・バーのスタッフが全員、プラットホームに立ち並び、「Thank you」といいながら手を振って見送ってくれるのです。最初から最後まで、真心あふれるホスピタリティーに強く感心させられました。姿・形は「列車」ですが、その空間は1から10まで上質の高級ホテルそのもの。料金だけは高級でも、サービスは2流以下というホテルも少なくありませんからね。

ホームの端で荷物を受け取り、あとはそれぞれの旅路へ。私は高校時代の友人で、バンコクで会社を経営しているSくんの出迎えで、予約していたグランドハイアット・エラワン・ホテルまで送ってもらいました。本当は夕食をともにするはずでしたが、Sくんがその夜のフライトで大阪に行かなければならなくなり、ホテルのロビーでお別れ。残念ですが致し方ありません。そもそもお腹が減いておらず、夕食は結局、近くのショッピングモールにあったアメリカの老舗ハンバーガー店で済ませました。

「オリエント・エクスプレス」の旅・2日目

2013年2月16日

L10501762日目の朝。私たちのキャビンを受け持つスチュワードがドアをノックします。さあ、朝食です。温かいクロワッサンとデニッシュ、オレンジジュース、コーンフレーク、ヨーグルト、コーヒー、水。どれも皆、気品のある器とともに供されました。見ているだけでも優雅な気分にひたることができます。

午前9時、バターワース駅に到着。ここで専用バスに乗り換え、近くのペナン島まで観光に。橋を渡ると、島の中心・ジョージタウンという港町でバスをおり、こんどはトライショー(人力車)に乗って街の中をひと回り。イギリス人の造った町はどこも皆共通していますが、美しいのが特徴です。町自体は6年前に大学時代の先輩夫妻と来たことがあるのですが、トライショーに乗って動くと、また異なる印象を受けます。これ以上はないというほどの好天で、気持よい時間を過ごすことができました。

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11時15分、ジョージタウンを出発、バターワースの駅に戻り再び列車に。涼しい車内でひと息ついたころがランチタイムで、食堂車へ移りました。

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今日のランチは「トム・ヤム・ヴィシソワーズ」「うずらのメダイヨンと野菜のタリアテッレ」、メインは「白身魚のフライ 四川風野菜添え」、デザートは「ラズベリー入りライチのムース バナナソース添え」+コーヒー(または紅茶。けっこうヘビーな内容で、ただじっとしているだけだったら、半分は残していたでしょう。でも、観光で適度に体を動かしているので、サクサクいけてしまいました。

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午後からはいよいよタイに入ります。マレーシア出国、タイ入国の手続きは担当スチュワードにパスポートを預け、そちらで済ませてくれます。その間、私たちはアフタヌーンティーをゆっくり楽しめるというわけです。窓にはタイの田舎の景色が広がり、農作業にいそしんでいる人々や学校帰りの子どもたちが列車に向かって手を振っています。

L1050232タバコを吸いに展望車まで行くと、それこそいろいろな国からやってきている乗客に出会います。だれもがリラックスしているというか、そうそう体験できない優雅な列車旅を堪能している様子。天気にも恵まれ、いうことなしです。

地続きなのに、マレーシアとタイとでは外の景色が大きく違います。タイのほうが村々も田畑も豊かな感じがするのは、産業構造のせいもあるのでしょう。マレーシアはだだっ広い熱帯樹林が続くだけ、たまに見えてくる畑もどことなく殺伐とした印象です。それに対しタイのほうは田んぼあり、野菜畑あり、果樹園ありと変化に富んでいるためか、気持ちがおだやかになってきます。国民性の違いもあるのかしれません。「風土」という言葉の持つ意味を考えさせられました。

今日の夕食は遅めのスタート。でも、お腹の空き具合からしてちょうどよかった感じがします。たっぷり2時間近くかけてのディナータイムなど、日本にいるとなかなか味わえません。たいそうなボリュームなのですが、話をしながらゆっくり食べると、すっかり完食。これには自分でも驚いてしまいました。でも、正直、そろそろ日本蕎麦が食べたい心境です。「2泊3日」のコースにして正解でした!

「オリエント・エクスプレス」の旅・1日目

2013年2月15日
さて、今日からは「オリエント・エクスプレス」の旅です。「オリエント」はご存じのように「東方」という意味。本来の「オリエント・エクスプレス」は、西ヨーロッパと「東方」、つまり東ヨーロッパ、さらにトルコとを結ぶ鉄道でした。しかし、航空機輸送の発達で、かつてのような鉄道でゆっくり移動する旅は廃れていく一方。「オリエント・エクスプレス」もさまざま変遷を経て、いまは、ヨーロッパを走る「ベニス・シンプロン・オリエントエクスプレス(基本路線はパリ・ヴェネツィア間)」と東南アジアを南北に結ぶ「イースタン&オリエンタル(E&O)エクスプレス」の2つです。

1883年から運行が始まった「ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス(VSOE)」は、本来の姿を色濃く残しているようです。「豪華」「優美」「洗練」といった言葉が似合う雰囲気が売りで、ロンドン、パリ、ウィーン、ベニス(ヴェネツィア)、ベルリン、ブダペスト、ブカレスト、イスタンブールの各都市をさまざまなルートで結んでいます。こちらはやはりフォーマルな服装で乗らなければ……といった感じがします。値段はいちばん安いもの(1泊2日、ロンドン・パリ間)でも1000ドルほどでしょうか。

これに対し、アジア版の「E&O=イースタン&オリエンタルエクスプレス」は、1993年から運行が始まった、いうならばリゾート路線。年中暑い地域を走っているのですから当然といえば当然かもしれません。シンガポールとバンコクとを結ぶ路線「E&O」には2つのパターンがあります、1つはバンコク→シンガポールで3泊4日、もう1つはシンガポール→バンコクで2泊3日。もちろん、後者のほうが値段は手ごろですし、いくらなんでも3日連続でフレンチのフルコースでは辟易しそうだということで、後者に決めました。

“走るホテル”と呼ばれているくらいですから、列車に乗る前に「チェックイン」の手続きがあります。場所は、市内の「リージェント・ホテル」。スタッフからさまざまな説明を聞き、荷物を預けると、カフェでしばしスタンバイ。飲み物や軽食、おつまみなど、すべて無料(というか、こういうものもすべて込みで値段がついているのですね)。

所定の時間が来ると、スタッフが呼びに来ます。専用のバスに乗り、マレーシアとの国境近くにあるウッドランズ駅まで移動。ここでシンガポール出国とマレーシア入国の手続きを済ませ、待ちに待った乗車が始まります。

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ダークグリーンとクリームカラーに塗り分けられている車体からは、気品すら感じられます。なんでも、その昔はニュージーランドを走っていたそうで、さらにさかのぼると、1970年代の日本製の寝台車両を改装したものだとのこと。編成は22両(もちろん、東南アジアでは最長の旅客列車)で、132人の乗客を乗せられるといいます。

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私たちが予約した「ステイト・キャビン(広さ=7・1平方m)」という個室(コンパートメント)があるのは7号車。このタイプの車両には個室が6つあります。車両ごとにスチュワードがおり、その案内で個室まで行きます。通路の内装はローズウッドで、真鍮の金具はピカピカ。キーを差し込んでドアを開け中に入ると、ソファー(夜になると2台のシングルベッドに変わる)と小さなテーブルがあり、窓にはシルクのカーテンがかかっています。そのほかワードローブ、セーフティーボックス、バス(もちろんシャワーですよ)・トイレの使い方やら、食事などについて、懇切丁寧な説明がありました。食事の時間が来ると、スチュワードが呼びにくるそうです。

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L1050145出発時刻は午後12時15分。最後部の22号車は展望車です。食堂車(ダイニングカー)が全部で3~4両、ほかに売店車両やマッサージルームの付いた車両、バー車両などがあります。展望車は唯一タバコも吸える車両で、この先何度もお世話になりそうです。椅子が並べられたデッキの上に屋根が付いていて完全なアウトドアなのですが、すぐ隣にバーラウンジ車両が設けられているので、そこでお酒など飲み物を頼み、外に出てゆっくりすわりながら過ごせるわけです。街の中より田園地帯を走る時間が圧倒的に長いので、意外と気持ちがゆるみます。

しばらく走ると早くもランチです。食事も、「オリエント・エクスプレス」の大きな楽しみといわれています。最初は前菜が、「サーモンフィレ・オランデーズソース アスパラガスとホウレン草添え」、メインが「鴨胸肉のロースト黒コショウソース 野菜のつけ合わせ」という内容。デザートは「パイナップル ライムのシャーベット添え」、そして飲み物という組み合わせでした。もちろん、どれも美味。

車内での食事は1日目の昼・夜、2日目の3食、そして3日目の朝昼のつごう7回。朝食はルームサービスなので、食堂車で食べるのはそれ以外の5回です。どの食事も2回の時間帯に分かれていただくシステムなのですが、食堂車の内装も素晴らしく、見ているだけで楽しめる仕掛けになっています。

L1050152夕食は、アミューズのあと、「温かいホタテのテリーヌ ロブスターのビスクとキュウリのミカド・サラダ沿え」の前菜、メインは「牛肉のメダイヨン」か「マレー風鶏の煮込みカレー」のチョイス。デザートは「レモンのムースとドラゴンフルーツとイチゴ添え」とプチフールで、最後がコーヒーまたは紅茶。

L1050249_2その昔、アガサ・クリスティーの小説で読んだ元祖「オリエント・エクスプレス」の食事は、どの客も正装に近い服装をしていましたが、熱帯の国々を走る「E&O]ではあまり気にしなくてもOKのよう。それでも、いちおうジャケットを着てネクタイも締めました。もちろん、カジュアルでも問題はなさそうでした。個室に戻ると、ベッドが整えられ、いつ横になってもOK。感激です!

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出発して7時間半ほどでクアラルンプールの駅に到着。ここから乗ってくるお客もいますが、人数はそれほどでもありません。停車駅ごとに、水や食材など、さまざまなものが運び込まれているようでした。そのため、停車時間も1時間半近くになります。

午後9時25分、出発。しばらくすると列車は真っ暗闇の中を走ります。前日に朝食を持ってきてもらう時刻を告げてあるので、それに間に合うように起床すればOK。列車の走る音はごく単調ですから、よほど神経質な人でないかぎりぐっすり寝ることができるはずです。

ベッドで横になる前にシャワーを浴びました。シャワージェルやシャンプーはブルガリ。お湯の出もまったく問題ありません。下手なホテルよりきちんとしている感じすらあります。これ以上は無理といってもいいほどギリギリの空間なのですが、けっこう快適でした。

リトル・インディアからチャイナタウンへ

2013年2月14日
海外旅行での朝食はホテルのレストランで取るのがキホンですが、それだけに、滞在中は気分の行方を大きく左右するところがあります。「マリーナベイ・サンズ」の朝食もバイキングスタイルですが、中華とマレーとインド。さらにヨーロッパのバランスが取れており、おいしく食べることができました。広いですし、入口で係員が人の出入りを上手にコントロールしているので、足の踏み場もないほど中が混雑しているといったこともありません。このあたりは、マカオのヴェネシアンあたりとはかなり違います。

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今日はまず動物園です。ホテルからはタクシーで30分ほど。しかし着いたころ、激しい雨が降り始めました。キリンにもゆっくり挨拶できず、残念ながら「次の機会にまたゆっくりと」というハメに。でも、これが大事なのです、旅というのは。1回ですべてをクリアしてしまうと、「もう行かなくてもいいや」ということになりかねないのです。

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結局、動物園は早目に切り上げ、中心部に戻りました。前に一度来たときは1泊しただけで、町の中を歩く時間がほとんどありませんでした。最初はリトル・インディアと呼ばれるエリアへ。小さな店がびっしり並ぶ「アーケード」にはインドものがあふれ返っています。その先に「スリ・ヴィラマカリアマン寺院」があります。ヒンドゥー教寺院なので、シンガポール中のインド系住民がここを訪れているようです。ヒンドゥー教の寺院を間近で見たのは初めてですが、その色彩には驚かされました。極彩色というのでしょうが、建物の入口にある塔門には、それこそありとあらゆる原色がこれでもこれでもかと塗られているのです。

L1050106リトル・インディアからMRT(地下鉄)に乗って3駅ほど行くとチャイナタウンです。地上に出ると、すぐそのまま「ピープルズ・パーク・コンプレックス」というショッピングモールです。衣料品、靴・カバン、電気製品、カメラ・時計などを売る小さな店がびっしり入っていて、ほとんどなんでもそろう感じ。そこを出るとパゴダストリート。それと交差するのがトレンガヌストリート。さらにスミスストリートやテンプルストリートなど、このあたりはカオスというか、いかにも中国っぽい匂いがふんだんに漂っています。その中に突然、極彩色のヒンドゥー教の寺院(スリ・マリアマン寺院)があったのには驚いてしまいました。でも、以前はこの一帯にもインド人が多く住んでいた名残のようです。

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ちょうど旧正月を過ぎてまだ間もないころだったせいか、お祭りめいた行事もあちこちで見られました。夕食はその一角のある小さなお店で、春巻きや焼きそばを食べましたが、けっこう美味でしたね。

シンガポールの食べ物は、中国 and/or マレー and/or インドというのがそのエッセンスといわれますが、これは多民族国家であるが故です。「中国」といっても、大きな柱になっているのは華南(福建とか広東あたり)で、そこに中国の流浪の民=客家【はっか】の料理も加わりますから、バリエーションにあふれた食事が楽しめる仕掛けになっています。マレーもインドもカレーなどのスパイスを多用しており、これがまた私の趣向にはピッタリ。

ホテルに戻ったあとはまたカジノ三昧。美しい街並みと食事(どちらかというとB級系)だけが魅力のように思われていたシンガポールに、別の楽しみが加わり、これからもちょくちょく来たくなるのではないかという気がします。

天下一品のポップコーンと海南鶏飯に出会う

2013年2月13日

L1050075_2今日は朝食後さっそく、「世界一高い場所にあるプール」を楽しむため、屋上に上がりました。百聞は一見に如かずとは、まさにこのことをいうのでしょう。階数にしてみると60階近くの高さに相当する屋上のプールはまさに別世界。プールの端まで行くと、眼下にはシンガポールの中心エリアが見渡せます。反対側には温水プールや子どもが水遊びを楽しむための小さなプールがあります。そして、バーやカフェもずらり並んでいて、明るいうちはここでゆっくり時間を過ごすことができるというわけです。私たちも童心に帰り、水着に着替えてプールにザブン。年甲斐もなく、はしゃぎながら楽しませてもらいました。

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L1050056午後はオーチャード通りをぶらぶら歩き。ヒルトンホテル隣の「フォーラム」というショッピングモールの前にある屋台に大きな人だかりがしています。何かと思い見てみると、ポップコーン屋でした。アメリカのシカゴで1949年に創業して以来大変な人気を誇る「ギャレット(Garrett)」という店で、試しに買ってみると、これがおいしいのなんの! いやらしい甘さが一切なく、食べ始めたらもう止まりません。キャラメル味とチーズ味をそれぞれ1袋ずつ買って帰ったのですが、ひと晩で全部なくなってしまいました。

夕食は、「マンダリン・オーチャード・ホテル」にある「チャターボックス」という店の「海南鶏飯」にしようと決めていました。しかし、6時前だというのにもう20人近く並んでいます。並んだ甲斐はあって、とてもおいしかったですよ。クセになりそうな感じがします。

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ホテルに戻ったあとは夫婦でギャンブル。マカオ同様、中国人客が圧倒的に多いシンガポールですから、「大小」のテーブル、マシンが目立ちます。2フロアに分かれていて、吹き抜けになっているのですが、なぜか上のフロアが禁煙になっています。ギャンブルは、勝ち負けももちろん大事ですが、私たちの場合、いかに楽しく遊べるるかがいちばんのポイント。ハナから熱くなっている中国人とはそのあたりが根本的に違うように思えます。「甘い」といわれればそれまでですが。

“世界一高い場所にあるプール”を体験

2013年2月12日
キャセイ・パシフィックのマイレージがたまったので、それを使って香港経由の「シンガポール+バンコク旅行」(航空券代無料)をすることにしました。目標は2つ。1つ目は、シンガポールでいま話題になっている「マリーナベイ・サンズ」という超大型ホテルに泊まること。何せ、ホテルの最上階(57階)にプールがあるというのですから、話のタネにはもってこいなのではないかと。2つ目は「オリエント・エクスプレス」の旅です。

というわけで、昨日の朝、羽田から香港、55分後のシンガポール行きに乗り換え、夜7時前にはチャンギー空港着。途中で飛行機を乗り換えるのは、気持ち的にリラックスでき助かります。しかも今回は前半が3時間20分、後半が3時間50分ですから、バランスも理想的。日本からダイレクトで行くのと、疲れの度合いはほとんど変わりませんし。

「マリーナベイ・サンズ」は空港からタクシーで20分ほど。オープンしてからまだ2年半しか経っていないので、ピカピカに輝いています。最近の空港ターミナルビルに似たような、曲線をふんだんに使った建物で、これまでのホテルとはかなり趣が違います。

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L1050052_2“世界一高い場所(地上200m)にあるプール”というのが売りで、世界中からお客が来ているとのことですが、もう1つ、世界で最大規模のカジノを併設しているのも売り。国の方針でカジノを観光の目玉にしようと、もう1つ、シンガポールのすぐ南側にあるセントーサ島にもカジノ付きのホテルがひと足早く、半年ほど前にオープンしています。マカオだけに独占させておくのはもったいないと考えたのでしょうね。

ただ、シンガポールはご存じのように、道徳に厳しさにかけては、アジアでもいちばんという国。人々がチューインガムの噛みかすを路上に吐き捨てるのに業を煮やし、チューインガムの持ち込み自体を禁止してしまったくらいですから。タバコもゴミも、所定外のところに捨てたりすると、とんでもない額の罰金が科されます。そんなお国柄なのにカジノだなんて、ちょっと考えると不思議な気もします。でも、そこが逆にシンガポールらしいところ。経済的にうるおっていなければ、人間として大切な道徳も守れないという儒教思想によって立つことにしたのです。そう、「恒産なくして恒心なし」ですね。

カジノで国の経済がうるおう→国民のふところが豊かになる→道徳をきちんと守り、ますます一生懸命に働く→社会がさらに豊かになる、といった図式でしょうか。しかも最初のステップであるカジノでの遊びは、もっぱら海外からの観光客に的を絞っているようです。外国人はパスポートさえ見せればカジノへの出入りは自由、でも、シンガポール国民は毎回入場料を取られる仕組みになっているのです。これなら、自国民がカジノ依存症になることも防げるので、まさしく一石二鳥といえます。カジノで遊んでばかりではいけない=きちんと仕事をしなさいということですね。しかも、大規模なカジノ付きホテルを作ったことで、大きな雇用も確保できます。どこかの国の指導者もしっかり学んでほしいなと思うのですが……。