“世界一高い場所にあるプール”を体験

2013年2月12日
キャセイ・パシフィックのマイレージがたまったので、それを使って香港経由の「シンガポール+バンコク旅行」(航空券代無料)をすることにしました。目標は2つ。1つ目は、シンガポールでいま話題になっている「マリーナベイ・サンズ」という超大型ホテルに泊まること。何せ、ホテルの最上階(57階)にプールがあるというのですから、話のタネにはもってこいなのではないかと。2つ目は「オリエント・エクスプレス」の旅です。

というわけで、昨日の朝、羽田から香港、55分後のシンガポール行きに乗り換え、夜7時前にはチャンギー空港着。途中で飛行機を乗り換えるのは、気持ち的にリラックスでき助かります。しかも今回は前半が3時間20分、後半が3時間50分ですから、バランスも理想的。日本からダイレクトで行くのと、疲れの度合いはほとんど変わりませんし。

「マリーナベイ・サンズ」は空港からタクシーで20分ほど。オープンしてからまだ2年半しか経っていないので、ピカピカに輝いています。最近の空港ターミナルビルに似たような、曲線をふんだんに使った建物で、これまでのホテルとはかなり趣が違います。

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L1050052_2“世界一高い場所(地上200m)にあるプール”というのが売りで、世界中からお客が来ているとのことですが、もう1つ、世界で最大規模のカジノを併設しているのも売り。国の方針でカジノを観光の目玉にしようと、もう1つ、シンガポールのすぐ南側にあるセントーサ島にもカジノ付きのホテルがひと足早く、半年ほど前にオープンしています。マカオだけに独占させておくのはもったいないと考えたのでしょうね。

ただ、シンガポールはご存じのように、道徳に厳しさにかけては、アジアでもいちばんという国。人々がチューインガムの噛みかすを路上に吐き捨てるのに業を煮やし、チューインガムの持ち込み自体を禁止してしまったくらいですから。タバコもゴミも、所定外のところに捨てたりすると、とんでもない額の罰金が科されます。そんなお国柄なのにカジノだなんて、ちょっと考えると不思議な気もします。でも、そこが逆にシンガポールらしいところ。経済的にうるおっていなければ、人間として大切な道徳も守れないという儒教思想によって立つことにしたのです。そう、「恒産なくして恒心なし」ですね。

カジノで国の経済がうるおう→国民のふところが豊かになる→道徳をきちんと守り、ますます一生懸命に働く→社会がさらに豊かになる、といった図式でしょうか。しかも最初のステップであるカジノでの遊びは、もっぱら海外からの観光客に的を絞っているようです。外国人はパスポートさえ見せればカジノへの出入りは自由、でも、シンガポール国民は毎回入場料を取られる仕組みになっているのです。これなら、自国民がカジノ依存症になることも防げるので、まさしく一石二鳥といえます。カジノで遊んでばかりではいけない=きちんと仕事をしなさいということですね。しかも、大規模なカジノ付きホテルを作ったことで、大きな雇用も確保できます。どこかの国の指導者もしっかり学んでほしいなと思うのですが……。