リトル・インディアからチャイナタウンへ

2013年2月14日
海外旅行での朝食はホテルのレストランで取るのがキホンですが、それだけに、滞在中は気分の行方を大きく左右するところがあります。「マリーナベイ・サンズ」の朝食もバイキングスタイルですが、中華とマレーとインド。さらにヨーロッパのバランスが取れており、おいしく食べることができました。広いですし、入口で係員が人の出入りを上手にコントロールしているので、足の踏み場もないほど中が混雑しているといったこともありません。このあたりは、マカオのヴェネシアンあたりとはかなり違います。

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今日はまず動物園です。ホテルからはタクシーで30分ほど。しかし着いたころ、激しい雨が降り始めました。キリンにもゆっくり挨拶できず、残念ながら「次の機会にまたゆっくりと」というハメに。でも、これが大事なのです、旅というのは。1回ですべてをクリアしてしまうと、「もう行かなくてもいいや」ということになりかねないのです。

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結局、動物園は早目に切り上げ、中心部に戻りました。前に一度来たときは1泊しただけで、町の中を歩く時間がほとんどありませんでした。最初はリトル・インディアと呼ばれるエリアへ。小さな店がびっしり並ぶ「アーケード」にはインドものがあふれ返っています。その先に「スリ・ヴィラマカリアマン寺院」があります。ヒンドゥー教寺院なので、シンガポール中のインド系住民がここを訪れているようです。ヒンドゥー教の寺院を間近で見たのは初めてですが、その色彩には驚かされました。極彩色というのでしょうが、建物の入口にある塔門には、それこそありとあらゆる原色がこれでもこれでもかと塗られているのです。

L1050106リトル・インディアからMRT(地下鉄)に乗って3駅ほど行くとチャイナタウンです。地上に出ると、すぐそのまま「ピープルズ・パーク・コンプレックス」というショッピングモールです。衣料品、靴・カバン、電気製品、カメラ・時計などを売る小さな店がびっしり入っていて、ほとんどなんでもそろう感じ。そこを出るとパゴダストリート。それと交差するのがトレンガヌストリート。さらにスミスストリートやテンプルストリートなど、このあたりはカオスというか、いかにも中国っぽい匂いがふんだんに漂っています。その中に突然、極彩色のヒンドゥー教の寺院(スリ・マリアマン寺院)があったのには驚いてしまいました。でも、以前はこの一帯にもインド人が多く住んでいた名残のようです。

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ちょうど旧正月を過ぎてまだ間もないころだったせいか、お祭りめいた行事もあちこちで見られました。夕食はその一角のある小さなお店で、春巻きや焼きそばを食べましたが、けっこう美味でしたね。

シンガポールの食べ物は、中国 and/or マレー and/or インドというのがそのエッセンスといわれますが、これは多民族国家であるが故です。「中国」といっても、大きな柱になっているのは華南(福建とか広東あたり)で、そこに中国の流浪の民=客家【はっか】の料理も加わりますから、バリエーションにあふれた食事が楽しめる仕掛けになっています。マレーもインドもカレーなどのスパイスを多用しており、これがまた私の趣向にはピッタリ。

ホテルに戻ったあとはまたカジノ三昧。美しい街並みと食事(どちらかというとB級系)だけが魅力のように思われていたシンガポールに、別の楽しみが加わり、これからもちょくちょく来たくなるのではないかという気がします。