2013年2月16日
2日目の朝。私たちのキャビンを受け持つスチュワードがドアをノックします。さあ、朝食です。温かいクロワッサンとデニッシュ、オレンジジュース、コーンフレーク、ヨーグルト、コーヒー、水。どれも皆、気品のある器とともに供されました。見ているだけでも優雅な気分にひたることができます。
午前9時、バターワース駅に到着。ここで専用バスに乗り換え、近くのペナン島まで観光に。橋を渡ると、島の中心・ジョージタウンという港町でバスをおり、こんどはトライショー(人力車)に乗って街の中をひと回り。イギリス人の造った町はどこも皆共通していますが、美しいのが特徴です。町自体は6年前に大学時代の先輩夫妻と来たことがあるのですが、トライショーに乗って動くと、また異なる印象を受けます。これ以上はないというほどの好天で、気持よい時間を過ごすことができました。
11時15分、ジョージタウンを出発、バターワースの駅に戻り再び列車に。涼しい車内でひと息ついたころがランチタイムで、食堂車へ移りました。
今日のランチは「トム・ヤム・ヴィシソワーズ」「うずらのメダイヨンと野菜のタリアテッレ」、メインは「白身魚のフライ 四川風野菜添え」、デザートは「ラズベリー入りライチのムース バナナソース添え」+コーヒー(または紅茶。けっこうヘビーな内容で、ただじっとしているだけだったら、半分は残していたでしょう。でも、観光で適度に体を動かしているので、サクサクいけてしまいました。
午後からはいよいよタイに入ります。マレーシア出国、タイ入国の手続きは担当スチュワードにパスポートを預け、そちらで済ませてくれます。その間、私たちはアフタヌーンティーをゆっくり楽しめるというわけです。窓にはタイの田舎の景色が広がり、農作業にいそしんでいる人々や学校帰りの子どもたちが列車に向かって手を振っています。
タバコを吸いに展望車まで行くと、それこそいろいろな国からやってきている乗客に出会います。だれもがリラックスしているというか、そうそう体験できない優雅な列車旅を堪能している様子。天気にも恵まれ、いうことなしです。
地続きなのに、マレーシアとタイとでは外の景色が大きく違います。タイのほうが村々も田畑も豊かな感じがするのは、産業構造のせいもあるのでしょう。マレーシアはだだっ広い熱帯樹林が続くだけ、たまに見えてくる畑もどことなく殺伐とした印象です。それに対しタイのほうは田んぼあり、野菜畑あり、果樹園ありと変化に富んでいるためか、気持ちがおだやかになってきます。国民性の違いもあるのかしれません。「風土」という言葉の持つ意味を考えさせられました。
今日の夕食は遅めのスタート。でも、お腹の空き具合からしてちょうどよかった感じがします。たっぷり2時間近くかけてのディナータイムなど、日本にいるとなかなか味わえません。たいそうなボリュームなのですが、話をしながらゆっくり食べると、すっかり完食。これには自分でも驚いてしまいました。でも、正直、そろそろ日本蕎麦が食べたい心境です。「2泊3日」のコースにして正解でした!