初めて、タイをきちんと観光してみました

2013年2月19日
私がタイを初めて訪れたのは、四半世紀以上も前のこと。当時私がかかわっていた出版社で、客家に詳しい著者による単行本を企画、そのインタビュー取材でシンガポールに来たとき、ついでにということで、先のSくんと再会するためでした。このときは観光などする時間はまったくなく、ひと晩過ごしただけです。

というわけで、ほとんど初めて同然(家人は正真正銘の初訪問)のタイですから、今回は多少「観光」を盛り込みました。それでもわずか2泊しかできないとなれば、イキているのは1日だけといっても過言ではありません。

「王宮」、そして「ワット・プラ・ケーオ」「ワット・アルン」「ワット・ポー」の4カ所をまとめて観たのですが、どこがどこだったかも思い出せません。アジアの宗教建築はおそらくどこもそうなのでしょうが、とにかくきらびやか。外壁にびっしり仏像や神さまの彫像がほどこされているパターンが多いので、新しかったり保存状態がよかったりすると、それこそ光り輝いています。

「ワット・プラ・ケーオ」は「王宮」に隣接しており、別名をエメラルド寺院といいます。その昔、国王がラオスから戦利品として持ち帰ってきた翡翠【ひすい】の仏像がエメラルドグリーンをしていたことからその名がついたようです。境内にはどれも皆派手な金箔がほどこされており、見る角度によってはまぶしくて仕方ありません。

もともとは仏教寺院だったのが、その後ヒンドゥー教の影響を受けたため、そちらの神様なんぞも祀【まつ】られています。極彩色で覆われているのは、そうした影響もあるのでしょう。とにかく目立つこと、目立つこと。同じ仏教であるにもかかわらず、日本の禅宗っぽい質素さ、渋さといったものは微塵も感じられません。

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次に行ったのが「ワット・アルン」寺院。王宮の脇にある桟橋から渡し船でチャプラヤ川を渡って行く「ワット・アルン」。こちらは外壁が中国陶器で覆われていて、きらびやかさとはほとんど無縁です。もちろん、外壁を覆う小さな彫刻は一つひとつ細やかな細工がほどこされており、全体としては派手なのですが、金ピカなイメージはありません。高さ81mという仏塔の途中まで歩いて登れるのですが、階段が急でかなりのハードワークでした。

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このあともう一度渡し船で川を渡り、最後に訪れたのが「ワット・ポー」。こちらは本堂に安置されている“寝仏”が有名なようです。巨大な仏像は頭のてっぺんから足先まで金箔が塗られていて、まばゆいばかり。ただ、顔の表情はなんとも柔和で、成仏を示す半眼半口(目と口が半分開いている)の表情が印象的です。足の裏には精巧な螺鈿【らでん】の細工がほどこされていました。

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夕食の前に、ホテルの隣にあるヒンドゥー教寺院「エラワン・プーム」をのぞいてみました。ここは、日本でいえば町中の神社風の場所で、1日中参詣の人が。だれもが線香を焚くのですさまじい煙と香りが漂っています。日本の線香と成分が違うのでしょう、香りもドぎついというか、独特です。
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食事は、そのすぐ近くにあるショッピングモール「セントラルワールド」へ。ここには伊勢丹が入っているせいもあってか、日本の食べ物屋(フランチャイズチェーン系)もイヤというほど出ています。ただ、タイ飯をまだ食べていなかったので、スープやら麺やら、軽いメニューで済ませました。昼間まばゆいものをずっと見続けていた疲れもあったのかもしれません。

今回は時間がなかったのであきらめましたが、次に来たときは、都心の官庁街のただ中にあるという「ドゥシット動物園」にぜひ行ってみたいいなと思いながら、バンコク観光は終わりました。この「次に来たとき」というのが、大事なのですね、海外旅行では。