注目されなくても強烈な生命力を見せる野辺の花たち

●いま多くの人々の関心は桜、桜、桜。もちろん、私もその一人ではあるのですが、ずーっと上ばかり見ながら歩いていると首が疲れるのではないでしょうか。だからというわけではありませんが、ときおり道端に目をやると、そこにも春が見つかります。ごく小さな草花が、人々の視線などまったく気にもせず、それはそれは懸命に咲いているのです。

●誰かが苗を植えたり、種を蒔いたりしたわけでもなさそう。桜はお日様次第でその魅力が増減しますが、こちらはそんなことを気にしているふうも一切なし、神出鬼没というか、場所は定まらずとも、毎年かならず生きている証を示す強烈な生命力はリスペクトのひと言です。

●アプリで調べてもすぐに忘れてしまうほど地味、あるいはややこしい名前(こちらの記憶力が低下しているせいですが)でも、いちおうつけられてはいます。シャガ、スノーフレーク、コハコベ、ヒナゲシ、ナズナ、ヤハズエンドウ、イモカタバミ、ナカバユキノシタ、オオイヌノフグリ……。そんな中、わーっと集まって咲きよく目立つのがハナニラ。大きさはせいぜい2〜3㎝、色は青、白、ピンクで、星の形をしており、ホント、どこに行ってもよく見かけます。

●取材というのも、誰もが注目する事物や人に加え、この種の小花や、花すら咲かせない草に象徴される些事や雑事に気がつけるかどうかが、全体の構成に影響したりします。その意味では私自身にとっても戒め的な存在となっているのですが、これも考えてみればコロナ禍のおかげ。それまで”花より団子”100%のような人生を送ってきたのが、花に関心が向くようになったのですから。(2022/3/31)

ベランダはお花見特等席!

●このところスマホのカメラが向くのは花ばかり。拙宅前の図書館は公共施設とあって、そこここに花が植えられています。いまは桜、椿、アセビといった樹々から、チューリップ、タンポポ、ハナニラ、ハコベ、エンドウなどの草花まで、文字どおり百花繚乱、何度その前を通っても飽きません。

●4本ある桜は、どれも樹高が10mを超える古木。桜といえばこれまでは地上から見上げるばかりでしたが、昨夏引っ越したおかげで、なんと見下ろせるように。昼も夜も、ベランダに出ると4本いっぺんに見られます。枝ではなく、太い幹に花がついているのを観たのも初めてです。

●ならばと思い、いつもの散歩コース・落合川の遊歩道に出てみると━━。半月ほどご無沙汰している間に、両岸ともこれでもかというくらい花、花、花。それもソメイヨシノにサトザクラにユキヤナギにコブシにアセビ……と多種多彩。これだけ楽しめれば、足に疲れを感じている暇などありません。

●前の家から球根を持ってきたチューリップ。2年目なのでダメでもともとと思っていたのですが、小ぶりでも健気に花を咲かせた姿を見ると、花びらをそーっと撫でてやりたくなります。すぐ隣のアジサイは、始めから植わっていたもの。前の家で植えたものはとうとう一度も花を咲かせませんでしたが、こちらは花芽もしっかりついているようで、今年こそ! です。(2022/3/27)+5件

“世界三景”!? の寒風山へ 「北前船フォーラム」③

●”日本三景”は知っていますが、”世界三景”というのがあったとは! その一つ男鹿[おが]半島(秋田市の北)にある寒風山[かんぷうざん]に初めて行きました。フォーラム最終日(20日)のエクスカーション・プログラムにそれを組み込んだコースがあり、迷わず選んだ次第。

●寒風山は標高355mの火山 。1913年、この地を訪れた地理学者・志賀重昂[しげたか]が、グランドキャニオン、フィヨルドに比肩する「世界三景」と絶賛したそうです。山全体が緑の芝生に覆われ、視界をさえぎるものがない頂上からは八郎潟の水田、日本海、晴れた日には鳥海山、白神[しらかみ]山地まで、360度のパノラマが堪能できるとのこと(写真は「男鹿ナビ」webから借用)。残念ながらこの日はみぞれ混じりの天気で、それはかないませんでした。

●山になどさしたる関心のない私ですが、「北前船寄港地フォーラム」に関わったおかげで、寒風山のほかにも、各開催地で名山と、それもごく間近で出会えました。鳥取では伯耆[ほうき]富士=大山、酒田・鶴岡では出羽三山(羽黒山、月山、湯殿[ゆどの]山)、佐渡では金北[きんぽく]山、秋田県にかほ市では鳥海山、青森県深浦町・鯵ヶ沢[あじがさわ]町では岩木山……。もちろん登ったわけではありませんが、見られただけでも貴重な経験です。

●山だけでなく、一生のうちに行ける(見られる)かどうかわからないスポットにも行けました。その意味で「北前船寄港地フォーラム」は、私にとって何ものにも替え難いイベントなのです。その恩を返すには、本を書くしかありません。いよいよ本気で取り組むときが来たと腹をくくり、ガンバリま〜す!(2022/3/22)

次回はパリで開催! 「北前船フォーラム」②

●今日(19日)は午前中、歴史学者・磯田道史さんの講演「秋田藩と北前船」、午後は北前船が運んだ食文化がテーマの講演2題、パネルディスカッションと、学びの一日。こうした場に身を置くと強烈な刺激を受け、早く原稿を書かなくては……との意欲が沸々と湧いてくるのですが、フォーラムを終え日常に戻ると元の木阿弥に(笑)。

●夕方から始まったレセプションでは、五木ひろしさんの新曲「北前船」の発表が。作詞が石原信一さん(森昌子「越冬つばめ」)、作曲も五木さんです。地元紙「秋田魁[さきがけ]新報」でも報じられていましたが、五木さんの出身県福井は北前船との縁が深く、それも強く後押ししたようです。

●もう一つのニュースは、次回(10月)のフォーラム開催地がパリに決まったこと。フランス大使館の文化担当参事官も出席、挨拶をしていました。北前船とパリ━━どんな関係が? 不思議な気がしますが、両者をつなぐのはなんと昆布。日本料理の最大の特徴であるうまみの根源=昆布を蝦夷地(北海道)から京都まで運んでいたのが北前船なのです。

●その昆布がいま、パリのミシュラン三つ星レストラン全店で使われています。フォーラムのコンセプトは、そうしたつながりの中身を追求し、さらに別のつながりを見い出していくことにあるので、パリ開催に至った次第。ぜひ行きたいですね。そういえば、フォーラム前日お世話になった「都わすれ」の女将さんからいただいたキリンのマグカップの包装紙にも「Paris」の文字が。こいつァ〜春から、縁起が……。(2022/3/20)

おっさんが仕切っている限り、スポーツ界の将来は……

●スポーツ関連の本2冊を一気読みしました。①『おっさんの掟 「大阪のおばちゃん」が見た日本ラグビー協会「失敗の本質」』と②『消えた球団 1950年の西日本パイレーツ』がそれ。①は大阪の知人NさんがFacebookで紹介していたものです。

●大阪弁では「おばはんvsおばちゃん」「おっさんvsおじちゃん」というたて分けがあり、いずれも前者が✕(蔑称とも、ネガティブとも)のようですが(間違っていたらご教示を)、①はその「おっさん」がハバをきかせている協会に引っ張られた「おばちゃん」=著者・谷口真由美が体験した一部始終を書いたもの。あっけらかんとした書き口ですが、内容はとてもシビア。7年前のW杯で南アを破り、3年前は初のベスト8というでき過ぎの結果に舞い上がってしまった協会と、その関係者に強烈な警鐘を鳴らしています。

●②は、プロ野球がセとパの2リーグに分裂した1950年の1シーズンだけで姿を消した西日本パイレーツ(日本プロ野球史上初の完全試合を食らったチーム)の顚末記。シーズンが終わると、同じセ・リーグの巨人、阪神、中日といった老舗球団のおっさんたちが徒党を組んで、パイレーツを追い出しにかかる醜い様子が、やはり淡々と描かれています。

●ラグビーと野球の違いはあっても、事業としてそれを運営する”おっさん”たちの側に「大義」(Jリーグ、Bリーグを軌道に乗せた川淵三郎の言葉)が欠けていることの悲しさ。70年も時を経ているのに状況がまったく変わっていないのは驚くしかありません。でもその前に、ラグビーの裾野を広げるのが先決ではないかと。全国の小学校校庭の芝生化率がわずか数%(欧米先進国では芝生が当たり前!)では、日本のラグビーは脱皮できないような気がします。(2022/3/5)

毎日花を咲かせるツバキに心がなごみます

●我が家の前は市立の図書館。その庭に植わっているツバキが、いまを盛りと花を開かせています。木ヘンに春と書いて「椿」ですから、当然のことかも。日本原産で『万葉集』にも出てくる椿は、古くから日本人に親しまれてきたようです。もっとも、高尚な歌ごころとはからっきし無縁の私には、都はるみの『アンコ椿は恋の花』(1964年・レコード大賞新人賞)とか、黒澤明監督の映画『椿三十郎』(1962年・三船敏郎主演。仲代達矢や小林桂樹も出ていましたね) くらいしか頭に浮かんできません。ヴェルディのオペラ『椿姫』は観ましたよ。

●椿との接点となると、最近では「椿屋珈琲店」でしょうか。銀座の花椿通りに1号店をオープンしたのが店名の由来なのだとか。このあたりは江戸時代、松江藩の上屋敷があったため出雲町と呼ばれていましたが、1934年、出雲椿(ヤブツバキ)を街路樹として植え花椿通りと呼ばれるようになったそうです。「椿屋」のコーヒーは1杯1000円近く、そうそうは行けません。相手が支払ってくれるのがわかっているときは、打ち合わせ場所に指定させてもらったりしますが(笑)。

●「椿山荘」もありますね。JR目白駅からバスで10分ほど走ったあたりは南北朝時代から椿が自生する景勝地。明治の元勲山縣有朋が、西南戦争の功によって懐にしたお金で別荘地として購入、「椿山荘」と命名したのだとか。そういえば我が家の近くにも「つばき公園」が。フツー過ぎて「?」の感もありますが、いちおう写真を付けておきます。

●でも、私にとっていちばん強く記憶に残る椿は、サラリーマン時代に通い詰めた新宿2丁目のスナック「黒椿」。ずっとグラスを手にし続けもの静かにしているママを相手に(椿の花言葉は「気取らない優しさ」)痛飲していたっけ。店はもうありませんが、ごくたまにその界隈を通ると、いやおうなしに記憶がよみがえってきます。(2022/3/3)

おいしいコーヒーが飲めるお店第二号を発見

●豊島区に暮らしていた昨年の夏までは、わざわざコーヒーを飲みに出たりすることなど、ほとんどありませんでした。ラーメン、蕎麦、中華、寿司、インドカレー、フレンチ、イタリアン、和食などの店が近場にあり、そうしたところにちょくちょく行っていると、カフェや喫茶店に足を運ぶ機会がそもそもなかったのです。”コーヒーは自宅で”というのがすっかり当たり前になっていました。

●いまでも、朝5時過ぎに目を覚まし、まずやるのはコーヒーを立てること。といってもマシンなので、豆を挽くのもボタンを押すだけ。あとは粉をペーパーフィルターに放り込めばOKなので、「立てる」はいささかおこがましいかもしれません。

●本格的なコーヒーを飲み始めたのは学生時代。神田神保町の喫茶店でアルバイトしていたN先輩がミル、サーバー、ネルドリップ等を取りそろえアパートに持ち帰ってきたのですが、それを毎日飲ませてもらうようになってからです。以来コーヒーは、しっかりした味わいのブレンドかストレートで楽しむようになって半世紀ほど経ちました。

●外食がめっきり減り、せめてコーヒーくらい外でと思い始めた最近、すぐ近く━━といっても車で10分ほど走るのですが━━に一軒見つけました。店があるのは、古くから建っている団地の商店街の一角。2フロアあるうちの1階で焙煎もしているので、扉を開けると素晴らしい香りが漂ってきます。テーブルも椅子も照明器具も”年季”の入ったものばかりで、それこそ40〜50年くらい前から営業しているのでは……という雰囲気なのですが、なんと4年前の開店とのこと。もちろん、コーヒーもおいしく飲めました。もう一軒、駅の近くにもカフェ(こちらが第一号)を見つけたのですが、そちらについてはまた別の機会に。(2022/2/1)

残念! 楽しみにしていた出張が中止に

●椎名誠が「冒険への憧れも探検家になる夢も、すべてはこの本との出会いから始まった」という、子ども向け冒険小説『十五少年漂流記』(ジュール・ヴェルヌ 作・1888年)。なんと60年ぶりで手に取りました。小学生のころ、それこそかがり糸が擦り切れるほど繰り返し読んだ、私にとっても忘れられない作品です。

●夏休みのニュージーランド近海クルーズを楽しむため小型船に乗り込んだ15人の少年(14〜8歳)が大海をさまよったあげく無人島に漂着、以後2年もの間さまざまな困難に遭遇しながらも、全員が力を合わせ生き延びていくという内容。130年以上前の話ですが、そこにはいまも変わらぬ民族間の対立や人種蔑視、また人間の心に備わる美醜が描かれています。イギリス人は子どもの頃からフランス人を嫌っている、黒人はそもそも「人」と見なされていなかったなど、今回改めて学んだこともあります。

●小5から中3にかけて、ヘディンの中央アジア(ゴビ砂漠、シルクロード)探検、シュリーマンのトロイ遺跡発掘、ウィンパーのアルプス、アンデス登攀、ダーウィンやヘイエルダールの南太平洋航海など、探検・冒険・登頂・航海記の類を読みまくりました。そうした中で旅好きの骨格がつちかわれていったのかもしれません。

● 実を言うと、1/24から福岡・佐賀・長崎に出張の予定がありました。楽しみにしていたのですが、新型コロナの感染者数が連日過去最高を更新している折でもあり、先方の要請で中止に。”旅こそ我が命”の私にとっては残念至極。『十五少年漂流記』でも、引くべきところは引いていましたから。(2022/1/21)

寒風吹きすさぶ国技館で大相撲を観戦

●昨日は、ある筋のご招待で大相撲4日目の観戦に。結びの照ノ富士vs宇良は、あわやという一瞬もありましたが、照ノ富士が耐え切り4連勝。横綱に昇進してから、しぶとさがグンと増したのではないでしょうか。コロナ禍のため観客数も限定、声を出しての応援、会場内での飲食禁止など、さまざま制限はあるものの、ナマで観る相撲は迫力が違います。

●しんどかったのは、換気のためすべての扉が開放されていたこと。昨日はハンパない寒さだったこともあり、途中からコートを着込む事態となりました。取り組みの合間にスマホのニュースを見ると、東京の感染者数は2198人と爆発的な増え方。でも、感染拡大防止のためには、少しくらいの寒さは我慢するしかありません。

●それにしても、オミクロン株の感染力は想像以上。一刻も早く3回目のワクチン接種を受けたいものですが、私の場合、7月下旬まで住んでいた豊島区で2回受けています。ただ、その後引っ越ししたため、お役所仕事のエアポケットに入り込み3回目が遅れるのではないかと心配していたのですが、幸いにも1月15日の接種が予約できました(2回目からちょうど6カ月後)。

●おみやげで頂戴した国技館名物の焼き鳥は相変わらずのおいしさ。相撲は手をつくと負け。そのため、両足で立つ鳥は縁起がいいとされ、60年前から売られているそうです。2月5日の元関脇嘉風の引退相撲(=断髪式+中村親方襲名披露)にも行く予定をしており、その日も焼き鳥が買えるといいのですが。(2022/1/12)

国立競技場でのラグビー観戦が、コロナのおかげでボツに!

●新年、明けましておめでとうございます。例年、2・3両日は京都で仕事。4日が仕事始め、そのうえ運行本数が大幅に減っているせいかでしょう、帰りの新幹線はひどい混みようでした。しばらく後にはコロナ感染者数が一気に増えるのではないかと心配に━━と書いている最中、「沖縄で600人」との報道が。第6波は容赦なく迫っているようです。
●と、ここまで書いたところで、今度は1月7日に予定されていたラグビー「リーグワン」開幕戦の中止が伝えられました。3カ月も前からチケットの抽選に応募し、やっと購入できたのに😭! 日本のラグビーを牽引してきた「トップリーグ」が今年から大きくリニューアルし、「リーグワン」としてスタートするはずだったのですが、いきなりつまずいてしまいました。私の”国立競技場デビュー”もあえなく延期。
●それでも、8・9日には残りの5試合がおこなわれますし、土曜日は高校の決勝(東海大大阪仰星vs國学院栃木)、日曜日は大学の決勝(明治vs帝京)があるので、今週末はラグビー漬けになれそうです。気がかりは、先ほどから降り始めた雪。ラグビーはグラウンド上に白いラインを引く(サッカーより本数が多い!)ので、雪が積もると試合の進行に支障をきたすのです。
●それにしても、この歳になっても雪に興奮してしまう自分はおかしいのでしょうか。ただ、昨年7月まで住んでいた豊島区と違い、こちらは内陸で、雪が凍ってしまうと往生しそう。玄関まわりや自転車置き場、駐車場など、積もらないうちにお湯を撒いてどんどん溶かしていかなくてはなりません。何度も風呂場まで行ってお湯を汲んでは撒き、撒いては汲む作業の繰り返しで、いい運動になりました。(2022/1/6)

Facebook Post: 2022-01-06T19:39:21