宇治で人生初の普茶料理を経験

●京都のレポートもこれが最後。スキップしてもよかったのですが、初めて体験した「普茶[ふちゃ]料理」のことをぜひお伝えしたいと思いまして。ツアー3日目の12月14日は京都市の南にある宇治市へ。宇治といえばお茶と源氏物語、あとは平等院でしょうか。今回訪れたのは宇治上[がみ]神社&宇治神社、平等院鳳凰堂、萬福寺の4カ所です。
●なかでも興味深かったのは黄檗[おうばく]宗大本山萬福寺。黄檗宗は禅宗の一派ですが、日本に伝えられたのがもっとも遅かったため、寺院、檀徒とも非常に少ないようです。ちなみに、母の実家は山口県萩市にある黄檗宗東光寺(戦国期中国地方全域を支配していた毛利氏の菩提寺)の檀家でした。
●萬福寺の境内は、左右対称に配置された堂宇伽藍がすべて屋根付きの回廊でつながっています。「卍くずし」の装飾をほどこした勾欄、アーチ形の天井、円形の窓、桃の実の形をした飾りが彫られた扉など、中国風のデザイン、技法が多用され、異国情緒満点。僧侶の読経も中国語なのだとか。
●その萬福寺で供されるのが「普茶[ふちゃ]料理」。見学に訪れた者も、希望すれば食べることができます。精進料理なので肉類は皆無ですが、ゴマ油を使った揚げ物の多いこと。メニューで「油糍[ゆじ]」に分類されている10品+数品、全体のほぼ半分がそれで、いまの唐揚げの起源とも言われています。肉や魚に擬した「もどき」料理も特徴で、胡麻豆腐は白身魚の刺身のよう。途中でギブアップした家人をよそに、私は完食。食べられる場は、全国的でも数えるほどしかないだけに、貴重な経験でした。(2021/12/14)

Facebook Post: 2021-12-24T22:30:41