残念! 楽しみにしていた出張が中止に

●椎名誠が「冒険への憧れも探検家になる夢も、すべてはこの本との出会いから始まった」という、子ども向け冒険小説『十五少年漂流記』(ジュール・ヴェルヌ 作・1888年)。なんと60年ぶりで手に取りました。小学生のころ、それこそかがり糸が擦り切れるほど繰り返し読んだ、私にとっても忘れられない作品です。

●夏休みのニュージーランド近海クルーズを楽しむため小型船に乗り込んだ15人の少年(14〜8歳)が大海をさまよったあげく無人島に漂着、以後2年もの間さまざまな困難に遭遇しながらも、全員が力を合わせ生き延びていくという内容。130年以上前の話ですが、そこにはいまも変わらぬ民族間の対立や人種蔑視、また人間の心に備わる美醜が描かれています。イギリス人は子どもの頃からフランス人を嫌っている、黒人はそもそも「人」と見なされていなかったなど、今回改めて学んだこともあります。

●小5から中3にかけて、ヘディンの中央アジア(ゴビ砂漠、シルクロード)探検、シュリーマンのトロイ遺跡発掘、ウィンパーのアルプス、アンデス登攀、ダーウィンやヘイエルダールの南太平洋航海など、探検・冒険・登頂・航海記の類を読みまくりました。そうした中で旅好きの骨格がつちかわれていったのかもしれません。

● 実を言うと、1/24から福岡・佐賀・長崎に出張の予定がありました。楽しみにしていたのですが、新型コロナの感染者数が連日過去最高を更新している折でもあり、先方の要請で中止に。”旅こそ我が命”の私にとっては残念至極。『十五少年漂流記』でも、引くべきところは引いていましたから。(2022/1/21)