日別アーカイブ: 2021年12月2日

奈良の旅④60年ぶりで訪れた東大寺大仏殿

●奈良の定番観光スポットといえば東大寺大仏殿、春日大社、興福寺五重塔、薬師寺、唐招提寺、平城宮跡と言ったところでしょうか。60年前、小学校6年生の修学旅行で訪れたときも最初の三つでした。東大寺自体は、3年前にも訪れていますが、そのときは二月堂のお水取りを見ただけです。夜の行事ということもあり、見た場所もほんの一部。しかし、今回は朝の見学で、二月堂の上階までのぼり隅々まで見て回れたので、お水取りのすさまじさが実感できました。大仏殿でも、大仏の表情や巨大な建物の構造上の秘密などの解説を聞け、大人的な興味が大いに満たされた次第。
●その前、朝8時過ぎから興福寺国宝館へ。開館前に入り、貸し切り状態で僧侶の詳しい解説が聞けました。そこで知ったのが、東大寺も興福寺も、ある意味特別な寺院であること。両寺に元興寺[がんごうじ]、大安寺、西大寺、薬師寺、法隆寺を加えた「南都[なんと]七大寺」は朝廷の保護を受けていたため檀徒が不要(=寺の維持にエネルギーを費やす必要がない)、仏教を学ぶためだけの場だったのですね。
●そのうちの一つ元興寺がホテルのすぐ近くにあるので、足を運んでみました。ところが、かつては広大な寺域を誇り、国宝が二つ、重要文化財が五つもあるというのにいまは人影もまばら。なんでこれほどまでに廃れてしまったのかと深い疑問が湧いてきます。
●「旅をすれば感覚が研ぎ澄まされ……今まで無関心だったことにも、不意に何かを感じるようになる」とは、スウェーデンの作家ペール・アンデションの言ですが、今回の奈良の旅はまさにそうなっています。もちろん、これまで関心を抱いていた物への感度も大幅アップ。帰りに立ち寄った店で食べた「葛餅2種+求肥+餡」はいつになく美味でした。(2021/11/30)

Facebook Post: 2021-12-02T19:50:26