日別アーカイブ: 2019年10月16日

大河ドラマも吹っ飛ばすJAPANの8強進出

2019年10月15日

 

やりましたねーッ、JAPAN!! でも、昨日の各紙朝刊やテレビに「番狂わせ」などという文字やナレーションはまったく出ていませんでした。調子のいい人は「実力ですよ、これが」とまで言っていましたし。そう思いたい気持ちもわからなくはありません。でも、いわゆる「ティア1(強豪国・伝統国)」の国々は、ホント強いのです。

もちろんスコットランドもその一つ。ほかはイングランド、ウェールズ、アイルランド、フランス、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカまでが数年前までの「ティア1」。そこにイタリアとアルゼンチンが加わり、いまは10カ国を数えます。JAPANは現在フィジー、ジョージアなどと並んで「ティア2」に属しています。

「ティア1」のなかでも古豪と言ってよいスコットランドの選手たちが、後半開始早々JAPANに4つ目のトライを取られてから顔色を変えたのは、皆さんもご覧になったとおり。1871年、世界で最初のテストマッチ(国代表どうしの試合)をイングランドと戦ったというプライドがありますから、それも当然です。

ある新聞記事には「スコットランドの選手が前半の途中、レフェリーに対し、目に双眼鏡を当てるしぐさをしてみせた。これは“もっとよく見ろよ!”という無言のアピールで、それを察したのか後半はスコットランドにかなり甘い判定が何度か見られた」と。レフェリー(ニュージーランド)が今大会最年少だからということもあったのでしょうが、同じ「ティア1」の属している者どうしですから、そういうことも考えられなくはありません。「ティア1」の国々には、そうした不文律、アウンの呼吸のようなものがあるのです。

まあ、それはそれとして、スコットランド戦快勝に気をよくし、今日は浅草に行ったついでに「亀十のどら焼き」を買ってきました。勝利のお祝い、そしてこれはかなり無理がありそうですが、全力をあげて応援した自分へのごほうびですね。仙台の秋保では「主婦の店さいちのおはぎ」、大宰府(福岡県)では、“天然モノ”で売る「日本一たい焼き」、日田(大分県)では老舗の「赤司の羊羹」と、何かにつけては前祝いだの、景気づけだのと言ってはこの種の和菓子を口にしようとする食い意地には我ながらあきれてしまいますが、それもまた「楽苦備(ラグビー)」の楽しみと言っておきましょう。いささかこじつけっぽいことは百も承知で(笑)。

 

さて、このところ、町を歩いていると太めのホリゾンタルストライプ=横縞のシャツを着た男性、それも私の年齢±10歳くらのようなおじさんの姿をよく見かけます。よく見るとたいていがラガーシャツです。もちろん、買ったばかりとおぼしきものもありますが、タンスの奥に長らく眠っていた風の、ややくたびれた感じがするものも。胸に「CCC」という3文字のロゴがあるところや見ると、やはりラグビーW杯の盛り上がりが影響していると言って間違いないでしょう。

たしかに、今日発表されたJAPANvsスコットランド戦のテレビ視聴率は平均39・2%(瞬間最高では53・7%)、今年の全番組でトップだとそうですから、そうした気持ちになるのもよくわかります。20日(日曜日)の準々決勝は、多くの人が「まさか!」と思っていたカード「JAPANvs南ア」(キックオフ夜7時15分)に決まったため、NHKは当初BS1で放送する予定でいましたが、なんと大河ドラマをすっ飛ばし地上波の生中継に変更したのだとか。これはもう一大事としか言いようがありません。視聴率の数字は1%が100万人と言いますから、4000万人ですよ! 南ア戦を観ない人は「非国民」などとも言われかなねい雰囲気です。

ジャージの話は先日も少し書きましたが、ポロシャツ風に仕立てたものはやはり亜流のように思います。本流はやはりラガーシャツ(長袖もあれば半袖もあります)ではないかと。そのいちばんの老舗が1904年創業のレーン・ウォーカー・ラドキン(LWR)社カンタベリー(Cantebury)というブランド、ニュージーランドの会社です。「The World Toughest Active Wear(世界一タフな活動着)」というのが製品コンセプトだそうです。

ちなみに、今回のW杯に出場している国のジャージを見ると、JAPANのほかイングランド、アイルランド、ジョージア、アメリカ、カナダ、ロシアがカンタベリー製で、数ではトップ。決勝トーナメントに進んだ国をチェックしてみると、カンタベリーの故国ニュージーランドはadidas、南アとオーストラリアはasics、ウェールズはunder armor、フランスは自国のブランド le coq sportif とけっこう多様化しているのがわかります。日本のミズノはトンガとナミビアの2カ国でした。

全世界で数百万人の視聴者の目に何度なく触れるジャージですから、各メーカーともより高品質・高機能を追求しているわけで、準決勝、決勝と駒を進める国の選手が身に着けているジャージとそのメーカーのロゴはいやおうなしにアピールすることになります。ラグビーにはそんな楽しみ方もあるのです。