旅行ガイドに「利用者」はいても、「読者」はいない!?

2015年7月31日

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9時半にホテルを出て、地下鉄でハカニエミの市場(マーケット)へ。地下鉄は心なしかロシア風の感じで、だだっ広いホームです。違うのは、車両のデザインの斬新さと静かなこと。モスクワのそれと違い、最初から民用として作られたからでしょう。

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Img_0406_3いつも思うことですが、海外では市場(マーケット)がいちばん興味深く、しかも楽しめます。その地の人たちの暮らしぶりがよくわかるからです。1階は、おいしそうな食べ物(肉や魚、チーズなど)を並べた店が40~50軒ほど。でも、なかには、店じまいしてしまったのか、空いているところも。近ごろこの種の市場は、どんどん衰えつつあるようなのです。

階段で2階に上がるとMARIMEKKOの店。ここには日本人の女性客がいっぱいいました。だれもが、「かわい~い」の連発。ついて行けないので、すぐさま移動します。

市場をあとにし、「デザインディストリクト」と呼ばれるエリアに行ってみました。逆方向のトラムに乗ってしまったことに気づき、2つ目の停留所で下車して乗り換え。それもこれも、フィンランド語に親しみがないせいです。ゲルマン系でもラテン系でもないので、単語の99%は、意味の見当がまったくつきません。韓国でハングル文字に囲まれているようなものです。ただ、なまじ普通のアルファベットが使われているので、ついつい読み取ろうとしても、結局は???。トラムの場合はまだ番号がついているので、最後はそれを頼りにすればいいのですが、途中のコース、降りる停留所を確かめるには、図とそこに書かれた文字を読まねばならず、えらく時間がかかってしまいます。

それでもなんとか、「デザインディストリクト」とおぼしきところまでたどり着きました。ところが、私たちが今回購入した『わがまま歩き』というガイドブックの編集がいまイチ不親切といいうか、わかりにくいのですね。地図上にはたしかに「デザインディストリクト」という言葉があるにはあるのですが、どこにもその線引きが見当たりません。結局、このあたりだろうと目星をつけて降りてみた停留所は、その端っこにあることが、あとになってかりました。

別のページに書かれていたショップガイドに出ている店の半分が、実は「デザインディストリクト」エリアにあったのですが、それは、お店のアドレスを見ないとわからないようになっています。「デザインディストリクト」という項目のところに、せめて店の名前と概要だけでも書き並べればいいものを、ショップはショップのページでということにこだわり過ぎているせいか、要は二重構造になってしまっているわけです。そのため、利用者にとっては不便な構成になってしまっている次第。

旅行ガイドというのは、最初から最後まで通読する人ばかりではありません。私のように、そのとき初めてページを開く者もいるので、さまざまな読者、というか利用者の便宜を考えた編集にしてほしいなと思います。

Img_0408_2結局、「デザインディストリクト」のほんの一角をなめたところでランチタイムになってしまい、トラムで中央駅近くのFORUMへ。2階に寿司屋を見つけ、そこで済ませました。もちろん、欧米人向けの寿司屋なので、それなりの内容です。

FORUMに行ったのはワケがあり、前日行ったムーミンワールドで見つけたハサミを購入するため。ここにはムーミンショップがあるのですが、なんと目標のハサミは置いてないとのこと。ホテル近くのKAMPIというモールに入っているITTALAの店に行けばあると教えられました。

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なら、あとで行けばいいということで、ヘルシンキのメインストリート=エスプラネード通りへ足を向けます。途中ITTALAの店があったので入ってみると、そこにハサミが! 家人が自分用・孫へのおみやげ用のものを見つけて購入。

Img_0424店を出て少し歩くとアウトドアのカフェがあったので、そこでお茶をしようと入りました。外のテーブルにすわり、ガイドブックで見るとえらく有名なところのようでした。ところが、途中、猛烈な雨が降り始めました。夕立っぽい感じもするためか、なかにはそのまま席を立たずにいる客もいます。傘をさしてコーヒー、ビールを飲む姿は泣かせます。「どうせすぐに止むんだから、気にすることないじゃない」というスタンスですね。

私たちは近くの停留所からトラムに乗ってホテルに戻りました。夕刻、ロビーに降りて待っていると、「日ロ創幸会研修旅行団」のご一党21人が予定どおり到着。聞けば、私たちがカフェで雨に遭っていたころ、ヘルシンキの空港の上で旋回しながら天候の回復を待っていたとか。それくらいひどい雨だったのです。夜の食事はホテル内のSEVILLAというレストラン。明日からは旅行団に合流し、行動をともにすることになります。