4時間で往復できてしまう外国

2015年7月29日

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タクシーに乗り、早めに港まで行きました。難なくタリンまでの往復チケットを買え、ほっとひと安心。待合所近くをぶらぶらしていると、どんどん乗客がやってきます。空も雲ひとつない快晴で、高速フェリーの乗り心地も快適。

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タリンの港からは歩いて旧市街に。しばらく歩くと、そこはもうほとんどおとぎの国のような光景。300年だか400年だか昔の建物がびっしり並んでいて、さすがという感じです。世界中から観光客がやってくるのもよくわかります。日本人の姿もけっこう目につきました。

L1030423L1030433ガイドブックを持たずに行ったので、頼りは船に乗る前にもらった英語版の地図だけ。それを見ながら、歩き始めました。どの道を選んでも興味津々で、おもしろいこと、この上ありません。こういう街の歩き方もたまにはいいものです。分厚いガイドブック──それも文字が小さくて読みにくい──を見ながらあちこち歩くのは案外疲れますから。

途中くたびれたので、人力車というか自転車タクシーのようなものに乗りました。主要な観光スポットの近くに、かならず何台かスタンバっているのです。地図を見せながら「このあたりまで行きたいんだけど」と、とりあえず英語で希望を告げると、「30分くらいかかるかな。大丈夫ですよ。30ユーロでどう?」というので、OKして乗せてもらいました。えらく英語がうまい青年で、要所要所で止まりながら、簡単なガイドをしてくれます。途中から急な坂もあったりして、このチョイスは正解でした。歩いていってたら、たぶんネをあげていたでしょう。

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L1030468バルト3国のなかでは文化水準がいちばん高いとかで、たしかにそのとおりの風趣を感じさせる街でした。元の場所に戻って30ユーロを払いながら、「英語がうまいけど、こっちの人?」と聞いたら、なんのことはない、イギリスから夏休みのアルバイトに来ている大学生でした。エストニアはECに加盟しているので、どこの国からも自由に働きに行けるようなのです。物価も非常に安いので、ここで観光客相手にひと夏稼げば、かなりの実入りになるのではないでしょうか。こういうふうにしてアルバイトができるのは、ヨーロッパならではですね。

それにしても、日帰りで外国に行けるというのは、なんとも不思議な感じがします。日本でも、福岡からなら韓国のプサンまで日帰りが可能です。飛行機ならもちろん、ソウルでも上海でも大丈夫でしょう。ただ、ヘルシンキ・タリン(エストニア)はおなじECの域内なので、パスポートさえ要りません。東京・名古屋間を往復するのと同じだと思えばOKです。

こういうことが可能である、またそれが実際に経験できるという環境の中にずっといれば、国境とか国といったことに関わる感覚が日本人と違ってくるのは当然かもしれません。、

さて、その後近くをぶらつきながら入ったカフェの素晴らしかったこと。しかも、中に入ってしばらくしたら、突然の雨。短時間でしたがかなり激しい降りで、雨宿りも兼ねることができました。まわりを見ると、ほとんど地元の人といった感じで、値段もリーズナブル。これは正解でした。

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夕方の帰航便の出発時刻に合わせて港まで戻る途中、1800年代半ばの創業と記されているカフェがあったので、そこにも入ってみました。気がつくと食べ詰めといった感じで、ヘルシンキに着き、ホテルに戻ってもあまり空腹を感じません。そのまま部屋で仕事をしていると、家人が「晩ご飯どうする?」と聞いてきます。「あっ」と思って時計を見るとなんと8時半をまわっているではありませんか。夏の北欧はとにかく日が長いので、まさかそんな時間になっていようとは想像もしていませんでした。

あわててホテルを出て探しに行ったのですが、時間が遅く、なかなか見つかりません。結局、なんとなんと中央駅の地下にあるマクドナルドで持ち帰りのハンバーガーを買って、部屋食。まさか、ヘルシンキでマックとは……。