2015年6月28日
今日はヴェローナ市内の観光です。しかし朝から暑いこと、暑いこと。途中までバスに乗り、アディジェ川の近くで降りると、味わいのある古い教会(サン・フェルモ・マッジョーレ教会)がありました。それを見ながら、川沿いをテアトロ・ロマーノまで歩きます。思い切りきつい階段を上らねばならず、途中で何度もネをあげそうになりました。それでも難行苦行のあとにはこの上ない楽しみが。上から見下ろす川、街の景色の美しいこと。ゆっくり下り、さらに川沿いを歩くこと10分。ピエトロ橋を渡ったところがドゥオーモです。
そのすぐ脇に見つけたお洒落なカフェで昼食を取ることにしました。入口を入った奥が吹き抜けというかアウトドアになっているのですが、まわりが壁に囲まれているので涼しいのがありがたい!
隣のテーブルのお客が少し濃いめのオレンジ色をした飲み物を飲んでいたので、ウエイトレスに何かと聞いてみると、「スプリッツ・アペロール」というカクテルだそうです。なんでもイタリアの若い人たちの間で人気らしく、氷とスライスしたオレンジをグラスに入れ、白ワイン(3)、ソーダ(1)、そして最後にアペロール(2)を注いで作る(数字は割合)のだとか。アペロール(Aperol)はハーブリキュールのブランド名です。さっそく家人がオーダーして飲んでみると、これがえらく口に合ったよう。たしかにキリっとさっぱりした感じの味で、いまどきの季節にはドンピシャリかもしれません。
カフェを出て、ロメオの家とジュリエッタの家を見たのですが、観光客が自由に出入りできるのはジュリエッタの家。13世紀に建てられた家は、中庭に出ると物語で有名なバルコニーがあり、前庭にはジュリエッタの像も立っています。
この像、右の胸に触ると恋愛が成就し結婚できるという伝説があり、観光客もみな胸に触っていました。ジュリエッタの家の住所にジュリエッタ宛で恋愛相談の手紙を書くと、ちゃんと返信が返ってくるという話を前にテレビで見たことがあります。「ジュリエットクラブ」という団体があり、そこのボランティアスタッフが「ジュリエットの秘書」の名で、すべての手紙に返事を書いて送っているのだとか。1年間に世界各国からなんと4万通もの手紙が届くといいますから、ハンパではありません。
狭い路地を抜けエルベ広場に向かう途中、インデペンデンツァ広場の一角にまたまたガリバルディの像がありました。ジュゼッペ・ガリバルディは19世紀半ばにイタリア統一運動を推進し、イタリア王国の成立に貢献した軍人だそうです。1860年には、千人隊(赤シャツ隊)を組織してシチリアの反乱を援助、両シチリア王国を滅ぼしました。こうして征服した地をさらにサルデーニャ王ヴィットーリオ・エマヌエーレⅡ世に献上、これがイタリア統一の原動力になったといいます。ひょっとして、シチリア島に行くと扱いが正反対なのかもしれません。シチリア島は10年以上も前から行きたいと思っているのですが、いまだに果たせていません。こういうことをきっかけに、近いうちに行って確かめてみようと、家人に提案しておきました。
ランベルティの塔に昇ろうとして中に入ると、エレベーターで行くこともできるとわかり、外で待っていた家人にメール。すぐ飛んできましたね。降りてボルサーリ門まで歩き、そこでひと休み。ホテルにはバスで戻りました。
夕方、ホテルからタクシーに乗ってサン・ゼーノ・マッジョーレ教会を見学、そこから川沿いの道を歩き、スカラ家の建てた古城=カステル・ヴェッキオまで行きました。裏側はアディジェ川で、そこに架かる小さな橋を渡ると城全体の姿が見えます。ヴェローナとその周辺はスカラ家が支配していたので、あちこちの建物にその紋章が付いています。ちなみに、「スカラ」とは梯子とか階段という意味だそうで、紋章もそれをかたどったもの。夕食はブラ広場の一角にある店で済ませました。