2015年5月27日
今回のホテルは、同行しているNさんサイドで手配してくださっています。朝食付きで1泊7000円ほどですから、ほとんど期待していませんでしたが、今日の朝食でその認識が間違っていることがわかりました。
スタイルはいちおうビュッフェの体【てい】を取っています。しかし、並んでいるのはおふくろの味系のメニューがほとんど。ところが、これがけっこうイケるのですね。日本でいうならデパ地下の惣菜といった感じですが、どれを食べても体が癒される感じ。おかげで朝から箸が進みます。
唯一の欠点は、コーヒー・紅茶が用意されていないこと。「コーヒーは?」と係の人にたずねても、なかなか理解してもらえません。「そうか、いいかげんに発音してしまったからな」と思い直し、英語っぽく発音してみたのですが、やはり通じません。たまたま、彼女の脇にインスタントコーヒーの小さなパックが1個だけあったので、「これこれ」といったら、それしかない様子。では「ティーは?」と聞いてみましたが、これもアウト。「チャイニーズティー?」も×でした。
結局あきらめたのですが、そのあとクルマでホテルを出発してから、北京在住の日本人に聞いてみました。「そうなんです。中国はコーヒーとパンはまだまだで」とのこと。そういえば、ビュッフェの片隅に、いかにも仕方なくといった感じで食パンとロールパンが置いてありましたが、ほとんど手つかずの状態で、見た目もパサパサでした。その近くにあった中華風の餅菓子(デザートですね)のほうがよほど食指が動きます。「中国人が朝飲むのは、牛乳が多いですね」という話に納得。たしかに、どのテーブルにも牛乳をなみなみと注いだコップを見かけました。
ホテルを出て南西の郊外までクルマで移動。今日も、天気は晴れなのですが、空はガスでかすんでいます。途中、ディズニーランドのパクリで日本でも大きく報じられたことのある石景山というところを通りました。遊園地っぽい施設がいっぱい目につきましたが、「もう2、3年前につぶれましたね」とのこと。
予想どおり道路の渋滞に遭いました。場所にもよるのでしょうが、ひどいところはまったくどうしようもありません。一口に「北京」といいますが、直径500キロにも及ぶ広さだそうです。東京ら京都までの距離ですから、「えーっ!?」ですよね。それはクルマも要るでしょう。人口も2000万を越えるというのですから、通勤も大変そうです。
帰りはすんなり中心部に戻り、胡同というエリアの一角にあるシャブシャブ屋さんで夕食とあいなりました。二つの小さな湖(=前海と后海)があり、そのほとりに店がずらりと並んでいます。若い人がいっぱい歩いていました。たしかに、店を見ると、カフェバーとかが目立ちます。「老北京」という文字の看板が数多く目につきましたが、古い街並みはそのまま、そこに造られた新しいコンセプトの店がうまくマッチしていました。地元の人だけでなく、海外からの観光客にも人気があるそうです。
ホテルに戻るとメールが来ていました。すべて添付ファイルがついています。私がチェックしなければならない仕事の原稿です。普通はファイルをPDFに変換してUSBに落とし、それをビジネスセンターでプリントしてもらうのですが、2階にあるというビジネスセンターに行ってみると──。中国人のスタッフが2人いるにはいるのですが、どちらも英語がまったく通じません。最後は筆談で状況を理解しましたが、結局1階のフロントでプリントしてもらうことしかないということに。
すぐ降りていったのですが、フロントのスタッフも英語がわからないようで、USBを見せながら「print」と2、3回口にすると、やっとわかってくれ、自分のすぐ横にあるパソコンを指さします。あとは自力ですべて済ませ、プリントされた用紙だけスタッフから受け取りました。
まあ、とりあえず目的は達成できたのでとりあえず助かったのですが、「それにしても」といった感じです。「商務飯店」を名乗っているくらいですから、「ビジネスホテル」のはずなのに、これでいいのか……と。ただ、朝も外国人は皆無でしたし、泊まっているのは99%中国人のようでした。