外国人の多いことに感心

2015年5月7日

L1020152
今日でカンボジアともお別れです。午前中はホテルからクルマで1時間ほど走ったところにあるバンテアイ・スレイ遺跡へ。「東洋のモナリザ」で有名なところです。アンドレ・マルロー(作家・のちのフランス文化相)がそれを見て国外に持ち出そうとしたという話ですが、それもむべなるかな。なんとも魅力的な顔が彫られていました。

L1020151
L1020159_2

最高気温は連日36℃以上。地表近くではおそらく40℃を」遺跡のいくつかを見てまわったのですから、体調に異常をきたすのはある意味当然かもしれません。

ホテルに戻り、シャワーを浴びて荷造りを済ませチェックアウト。シエムリアップ国際空港まではクルマで15分ほどです。空港に着いたら、トゥクトゥクに大きなスーツケースを積んでやってきた外国人のカップルがいました。どのあたりのホテルに泊まっていたのでしょうか。さぞかし足もとが狭かったのではないかと心配になりました。

L1020194

それにしても、アンコール遺跡は欧米系の外国人の姿が目立つところです。もちろん、日本人も多いですし、中国人、韓国人も目につきました。なかには、こちらに定住しビジネスに携わっている人も少なくないようです。私たちが、ガイドさんに連れて行かれたおみやげもの屋さんの店員はパキスタン人でしたし、マネージャーも北欧系の男性でした。日本人女性が起業したクッキー屋さんはいまでは、カンボジア国内にいくつもお店を展開、さらに各地の旅行会社と組んで、ツアーの客はかならずといっていいほどそのクッキー屋さんに連れていかれていました。

また、本国での仕事をうっちゃらかしてしまったのかわかりませんが、こちらで何かしらの方法で日々をしのいでいる外国人も多い感じがします。週に1、2回ホテルのレストランでバンド演奏をしている者もいました。なかには、タトゥーを入れていたり、どう見てもまっとうな稼業とは思えない人も。タイもそうでしたが、このテの、もろスピンオフしたという感じの欧米人が目につきます。


その点、日本人はまともで、きちんとした仕事やボランティア、NPO法人などで活動している人が多いようです。クッキー屋さん以外にも、居酒屋や食料品店、ミニスーパーなど、そこここに「日本」が見えましたから。

シェムリアップの空港は小さいながらも、世界中から観光客がやってきているところだけあって、けっこう立派です。ターミナルの建物と飛行機とをつなぐ蛇腹こそないものの、けっこう夜遅くまで便が行き来していますし、私たちが帰国する前日など、成田行きのチャーター便まで出ていました。


私たちのような前期高齢者層もさることながら、若い人の姿が多かったです。でも、実際行ってみてわかったのは、こういう場所は若いうちに来ておくべきだということです。年中かなり暑いようですし、そこを歩いてまわるのは大変です。外国人などもっと元気で、40℃近い中を自転車に乗って走り回っていましたから。

「アンコール」遺跡で有名なのは「ワット」と「トム」の二つですが、実際には100を越えるスポットが散在しています。ここへ来て1週間とか10日間とか滞在し、その間、朝となく昼となく、ガイドの世話にならずに、そうしたスポット片っ端から訪れている欧米人も少なくないようです。こちらに居ついてしまうのは、そうした中で、母国よりも居心地がよさそうだと感じた人たちなのでしょう。

シェムリアップからLCCのJETSTAR便でシンガポールへ。2時間ほどで着きましたが、日本行きのANA便の出発まで3時間以上あります。チェックインを済ませると、まずは食事。そのあとでラウンジに入ったのですが、ANAはシンガポール航空のそれを拝借しています。ところが、これがめっぽう充実していました。世界ナンバーワンといわれる香港のキャセイパシフィック航空も真っ青といっても過言ではありません。こんなことなら、わざわざお店でお金を払って食事などしなくてもよかったと後悔してしまいました。

ただ、そのお店(中華料理)もけっして悪くはありませんでした。「Seafood Paradise(楽天海鮮)」という名前でしたが、店構えは立派ですし、味や材料のわりに価格もそれほど高くはありません。バンコクの空港にあった「金グループ(ラーメンがメインのお店)」とけっこういい勝負かも。

ネットで調べてみると、ちゃんと出ていました。「Seafood Paradiseは2002年、当時25歳だったEldwin Chua氏と弟のEdlan氏がDefu Lane工業団地内のコーヒー・ショップに開いた海鮮料理屋。兄弟2人で切り盛りする25席ほどの小さな店だったのだが、兄のEldwin氏が考案したクリーミー・バター・クラブが大ヒット。以来、パラダイス・グループは当地で7つのコンセプトのもと、20店舗近くを展開する大手中華料理チェーン店として成長を続けている」(AsiaX GOURMET『シンガポール「飲食店」情報』)のだそうです。店員のしつけもいいですし、何よりインテリジェントを感じさせる店でした。

 

チャンギー空港で感心したものの一つが喫煙コーナー。「コーナー」などというちゃちな代物ではなく、一大スモーキングサロンの感があります。しかも、滑走路に面したエリアにしつらえれているため、大きな窓が外に向けて半分開かれており、まあ、空気のきれいな(!?)ことといったらありません。たまたま私たちが乗る便の出発ゲートに近くにあったのでよけいですが、チューリヒの喫煙コーナーもこれにはかなわないでしょう(もっとも、チャンギーも、もっと数が多ければ満点なのですが)。