相変わらず大混雑の浅草ですが

2015年3月23日

Attachment月に3回ほど通っている温熱療法のため、浅草に行きました。ここ2年ほどずっとそうですが、今日もまた大変な数の外国人でにぎわっていました。「ASAKUSA」はいまや世界的なブランドですから、よくわかります。それにしても、「VISIT JAPAN」キャンペーンは大当たりのようですね。やはり円安が利いているのでしょう。

これだけ多くの外国人が足を運んでくれるのですから、地元にしてみればなんともありがたい話です。ただ、いい場所に店をかまえて外国人観光客にも入ってもらおうというのなら、少なくとも「ENGLISH MENU AVAILABLE」を掲げ、きちんとしたものを用意してほしいなぁと思います。「いまごろになって」とか、「遅すぎる」とはいいませんが、こういう地道な手間を惜しんでいてはいけないのではないでしょうか。難しいことをたずねられても、それを見せながら、「You can read……OK?」とでもいえばいいのですから。


台湾は、どんな田舎、こんな場末の屋台でというようなところのおじちゃん、おばちゃんでも日本語がほぼOK。青い目の外国人には英語でやり取りしていました。根性が違うというか、世界中どこででも商売をしてきたCHINESEの強さを感じさせられます。


その点、日本はどうなのかなぁと心配でなりません。都会はこれから先、急速にこうした準備が進むはずです。東京都も政府も必死ですから。でも、「2020」を「東京」だけで終わらせてしまうのはあまりにもったいない話ではないでしょうか。東京で競技を観るのも目的の一つにちがいありませんが、それ以上に、「日本」全国に足を運んでもらい、いろいろな場所を観て、いろいろなことを経験してほしいと私は思います。

それには、最低限の英語がマストツールでしょう。受験英語とはまったく違う中身ですから、ちょっとトレーニングすればOKのはず。

事のついでに、公共輸送機関で使われている言葉について触れておきましょう。台湾で使われている言語は、いわゆる中国語です。当然、台北市内とその周辺を走る地下鉄MRTでも、車内には中国語のアナウンスが流れています。

ただ、アナウンスを聞いていて「ちょっと長すぎないか?」と思う人もいるのではないでしょうか。よく聞くとわかるのですが、実は4つの言語が使われています。ただ最初の3つは、その違いが歴然としているときもあれば、ほとんど同じに聞こえる場合があります。要するに、中国語のバリエーションということです。

4つの言語のうち1つ目はもちろん、台湾の公用語=中国語(北京官話)です。ただし、大陸中国とは大きな違いがあります。それは、使われているのが、漢字は漢字でも「繁体字」(日本でいう旧漢字)だということです。大陸中国では「簡体字」といって、本来の漢字をもとにして作った文字が使われています。これは、中国革命のあと、教育がまだ行き届いていない状況を踏まえ、人々がより覚えやすいようにということで、共産党政府が簡略化したからです。

2つ目が台湾語。台湾の中国人の多くは17~18世紀にかけて中国南部の福建省閩南【びんなん】地方から海を越えて渡ってきた人たちです。彼らがもともと使っていた言葉がルーツの台湾語は、日常どこでも耳にします。南部に行くと、一般市民はだいたい台湾語を使っているようです。

3つ目は客家【はっか】語といい、主に広東省・福建省・河西省から渡ってきた「客家」と呼ばれる人たちの言葉です。客家系中国人は台湾の総人口の6分の1を占めています。これがタイ、マレーシア、シンガポールあたりではなんと3分の1にもなるので、もう一大勢力といっていいでしょう。


そして最後は、ご想像どおり英語です。

ただ、最初の3つは発音こそ違いますが、文字にすると同じです。通常の会話では、文法構造や使用単語、表現方法にビミョーな差があるのですが、駅名のような固有名詞はすべて同じ。ですから、MRTでも、構内や車両、あるいは車内の表示は「漢字」と「英語」の2種類で済んでいます。