どうりで、台湾から日本に多くの人が来るはずです

2015年3月7日
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台湾に来るとかならず立ち寄るお茶屋さんがあります。忠孝復興という駅の近くにある「和昌茶荘」というお店ですが、いまの店主のお父さんのころから出入りしているので、もう20年近くのお付き合いでしょうか。今日もそこに行って凍頂烏龍茶のパックや高山茶など、買い込みました。

そのあと立ち寄った「誠品書店敦南店」(忠孝敦化駅近く)という、いま台湾全国で勢いを伸ばしている本屋さんに行きました。日本でもあちこちで真似されていますが、書店とこじゃれたカフェ、あるいは雑貨品、文房具屋、骨董品、民芸品屋、インテリア・家具、カルチャーセンターなどを複合させた、ちょっとお洒落なショッピングモールになっています。

しかも、ここは台湾で初めて24時間営業を始めた書店だそうで、宵っ張りが多い台湾神の間ではとても重宝しているとのこと。1989年の誕生といいますから、もう25年以上経っていることになります。

その書店で驚くものを見つけました。旅行ガイドの本を集めたコーナーです。そこには日本の旅行ガイドが、よくもまあというくらい数多く並べられていました。しかも、その内容たるや、精緻をきわめています。日本人でも知らない人がいてもおかしくない、かなりマニアックなところまでカバーしているのには感心しました。

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最近、東京でも沖縄でも、それこそ日本のどこに行っても台湾、あるいは中国の人の姿を見かけますが、「なるほど、こういうガイドを読んでから来ているんだ」と納得させられました。タイトルも『東京達人天書』とか『沖縄王』とか、そのものズバリといった感じです。

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Photo_3試しに、浅草の項を見てみました。「雷門」「浅草寺「仲見世通商店街」「伝法院通」「合羽橋道具街」はもちろん、有名な店(たとえば浅草今半、鮨よしだ、大黒屋天麩羅、駒形どぜう、前川、色川、犬印鞄製作所、時代屋など)、さらに「人力車」「屋形船」まで掲載されています。天ぷらで有名な「三定」の説明には「一に浅草、二に観音、三に三定」などという、私も知らないような言葉も出ていてビックリ。

銀座、浅草、渋谷、新宿、池袋、赤坂、原宿、青山、六本木といったメジャーな場所だけではありません。お台場、汐留、恵比寿、代官山、中目黒、自由が丘、下北沢、中野、秋葉原、上野、吉祥寺、築地など、渋いエリアまで漏れなくガイドされてしまっていました。どこに行っても「台湾語」や「中国語」「広東語」を耳にするはずです。

ついでに『沖縄王』のほうものぞいてみました。私の会社の分室がある「首里」の項に沖縄料理の店「富久屋」が出ていたのには、目が点になりました。国内の観光客でも、かなりの通【つう】というかリピーターでも知らないはずの店です。ここまでカバーしているとは!!! たしかに、那覇の国際通りで、夜すれ違う旅行者の3分の2は台湾、中国からの人たちですものね。なんでも、週に1回だか2回だか、クルージングの船が那覇の港に立ち寄り、3~4000人の乗客が降りるという話をタクシーの運転手さんから聞いたことがあります。そういう人たちが、先のようなガイドブックを手にしながらあちこち行くのでしょう。

本を子細に見てみると、裏表紙には香港での値段も出ていましたから、同じ内容のものが香港でも売られているわけです。大陸にも出回っているかまではわかりませんが、少なくとも北京や上海あたりでは売られているのではないでしょうか。