喜望峰で風に吹き飛ばされそうに

2014年11月1日

Pb010560今日はケープタウンの観光の目玉といってもいいテーブルマウンテンの観光から。その名のとおり、頂上部分が真っ平らになっています。早めに動き始めたおかげで、すんなり登れました。標高1087メートルというこの山は雨や霧にたたられることも多いようで、1年のうち3分の1は頂上まで上がれないといいますから、登れるだけでもラッキー。しかも、現地ガイドの機転で、この日最初の訪問地としてスケジューリングしてくれていました。おかげで。それほど混雑もしておらず、ロープウェーにも長い時間待たずに乗れました。天気も快晴でしたから、すぐ下にあるテーブル湾など、頂上からの眺望は抜群です。

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Pb010624次に訪れたのが、ここからケープ半島を南下したボルダービーチというペンギンの生息地。砂浜にびっしり、ペンギンが遊んでいるというか寝そべっているというか。あまりの数の多さにペンギンなのか岩なのか、区別がつかないほどでした。周囲に、南アフリカ特産のアロエ成分の入った化粧品やらクリームを売っている店がいくつもあり、女性陣はかなりの量を買い込んでいました。値段も日本に比べるとえらく安かったようです。

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Pb010720昼食後は一路「喜望峰」へと向かいます。周囲は自然保護区で、さまざまな植物、樹木が生えており、野生動物も数多く生息しているとのことです。赤い花を咲かせるプロテアという木がいちばん有名とかで、国花にもなっています。ケープスノーという草花も密生しており、これがあたり一帯に白い花を咲かせるころは壮観だそうです。ただ、いまは残念ながらその季節ではありません。

Pb010691そうした中、いちばん印象深かったのはダチョウです。展望台から下の海岸まで降りるバスのすぐ横まで平気でやってくるのには驚きました。チャップマンバブーン(ヒヒの一種)やボンテボック(シカの一種)などもけっこう人なつっこい感じで、駐車してある自家用車のルーフの上で遊んでいたりします。その分、野生味は感じられませんでしたが……。

そうした中を30分ほど走るといよいよ「喜望峰」です。1488年、ポルトガルの探検家バルトロメウ・ディアスがこの地に到達したのですが、周辺があまりにも荒れる海域であったため、Cabo Tormentoso(「嵐の岬」)と命名したそうです。ただ、その後ヴァスコ・ダ・ガマがこの近くを通る航路を発見し、香辛料貿易のルートが大幅に短縮されたこともあり、のちにポルトガル国王が「希望の岬」(Cabo da Boa Esperanca)と改めさせたとのこと。日本ではそれがなぜか「喜望峰」という呼び名(文字がおかしくありませんか?)で定着しているわけです。

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しかし、最初に「嵐の岬」と名づけられたのは、けっししていわれなきことではありません。私たちもケーブルカーで10分ほどの展望台(高さ248メートル)まで上りましたが、かなりの風が吹き荒れていました。それでもやはり、快晴で大西洋とインド洋を同時に見晴らせる眺めは感動ものです。

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すさまじかったのは、展望台の下にある「Cape Point」。海っぷちにあるため、ちょっと油断するとすさまじい強風が吹き、正直、立っているのがやっとという状態でした。「KAAP DIE GOEIE HOOP」とアフリカーンズ語で記された表示板の前で写真を撮りましたが、しがみついていなければ吹き飛ばされそうになるほど。歴史や地理の教科書では知っていましたが、実際には初めて訪れた喜望峰で、歴史のひと幕を垣間見たような気分で、とても有意義なひとときでした。きっと、南アメリカの最南部にあり、マゼランが通過したホーン岬も同じようなものだろうなぁと想像したりもしました。

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夕方ホテルに戻ると、昨日停泊していた中国船に代わり、日本の漁船が停まっていました。神奈川県三浦市からやってきているようです。今日は旅行会社が気を利かせたのでしょう、夕食は市内の日本食レストラン(Fujiyama)。久しぶりのしょうゆ味にほっとしました。ケープタウンは魚の水揚げ港でもあるので、魚介類はふんだんに出回っているようです。そのわりにFujiyamaの刺身はいまイチでしたが。