2014年10月29日
チョベ国立公園でのサファリゲームも今日が最終日。まだ見ることができていないライオンに会いたい! 皆の思いも同じでしょう。朝6時に出発し、一路公園へ。私たちのガイドを務めてくれている人はこの間ずっと一緒ですから、「なんとか見て帰ってほしい」といった思いがあるようです。走っている途中ですれ違うほかのジープのガイドと情報を交換し合いながら、こっちへあっちへと走り回ります。
1時間ほど経ったところで、ようやく希望の明かりがともりました。川の近くでライオンの足跡、それもまだ新しいものが見つかったというのです。どのジープも一斉にそちらに向けて走り出しました。川に沿って数百メートル進んだ左側、陸地に少しだけ入った小高い場所に、2頭のライオンが横たわっています。ただし2頭ともメスです。ときどき起き上がってまわりに目をやっているようですが、しばらくはそこで体を休めようとしている感じがします。ジープに乗ったまま懸命にカメラを向け、シャッターを切りました。
そこをあとにし、場所的にはその真裏あたりにある「Stretch Point」でしばらく休憩。さすが、1時間以上運転し続けたためガイドもやや疲れ気味です。15分ほど体を休め、いよいよ最終ステージ。公園の出口をめざしながら、やや小高いエリアを走り始めました。
しばらくすると、進行方向の右手700~800メートルほど前方にゾウが何頭か歩いているのが見えてきました。しかも、数頭の1家族ではなく、何十頭もついてきているではありませんか! ゾウの行進です。先頭を歩くのは、いちばん体の大きな、いかにもリーダーといった風情のゾウ。ガイドがジープをゆっくり前進させました。私たちの4~5メートルほど前を威風堂々とした態度で横断し、残りのゾウがそのあとにゆっくりと続きます。リーダーにつき従っていけばなんの心配もないといった様子で、感動的ですらあります。こんな素晴らしい場面を目の当たりにすることができ、3日間4回にわたって通い詰めた甲斐がありました。
興奮がまださめやらぬうちに、最後の「モーニングサファリ」は終了。ホテルに戻り朝食、チェックアウトを済ませると、マイクロバスに乗って次の目的地ビクトリアフォールズの街に向けて出発。家人の荷物は、今日私たちが泊まるホテルで受け取れることで話がついたとのこと。ビクトリアフォールズの空港には、私たちが到着した翌日きっちり届いていたのですが、それをチョベまで運んでもらうにはえらく手間がかかるのだそうです。チョベはジンバブエでなく、隣国ボツワナにあるというのがその理由。荷主が一緒にいない荷物を国境越えさせるのは手続きげ面倒だそうで、本当に届くのかについても不安があります。そこで空港から直接、ビクトリアフフォールズのホテルまで届けておいてもらうことになったわけです。これなら同じジンバブエ国内での輸送になり、安全確実というわけですね。
ビクトリアフォールズに入り、中心街にあるホテルが近づいてくると、いかにもイギリスの植民地だった国の町らしく、道路も街並みも美しく整えられています。リゾート地・観光地でもあるので、そのレベルもかなり高そうです。
ホテルに到着。家人もフロントでスーツケースを受け取りひと安心。1904年創業の老舗ホテルというだけあって、入口もロビーも廊下も中庭も年季が入っており、時間とお金があれば、何泊かゆっくり泊まりたい感じです。昼食を取ったホテル内のテラスレストランからはザンベジ川とそこにかかる鉄橋(対岸はザンビア共和国)、ビクトリア滝の一部も見えます。雨季だと、滝の水が落ちるときに生まれる水しぶきまで見えるといいますから、さぞかし素晴らしい眺めなのでしょう。
部屋の割り振りが終わり、いよいよ滝へ。全体的には大変な大きさですから、まずはヘリコプターから見下ろすプランになっていました。私としては生涯3回目のヘリコプター、家人は初めてです。乗る前に体重測定があり、それによって機内でのすわる場所が決まります。空から見ても滝のスケールの大きさは十分感じられるのですが、乾季のため水の量が5分の1か10分の1ほどだとのこと。これが雨季なら、いまよりはるかにすさまじい迫力があるのではないでしょうか。そちらは次回の楽しみですね。
ヘリコプターによる滝の見学は12分間で終わり。ホテルに戻り、夕食までしばし自由時間ということで、近くの商店街まで買い物も兼ねて散歩することにしました。歩いていると、現地の人がさかんに声をかけてきます。ジンバブエの紙幣を買わないかという誘いです。過去にハイパーインフレが起こったため、この国の旧紙幣は紙くず同然になってしまったのですが、その「ハイパー」ぶりが半端ではありません。
なんとなんと、「100兆ジンバブエドル」といった紙幣が存在したらしく、それをおみやげにというわけです。まあ、世界中探してもそうそう出くわすシロモノでもないでしょうから、売り物になるのもわからないではありません。超巨額の紙幣はかの「イグノーブル賞(人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究)に贈られる賞」」の副賞にもなっているほどですから。私たちは残念ながら遠慮しましたが、ツアー参加者のなかに、あまりに執拗な声かけに負けて買った人もいました。3枚で2USドルだったそうです。
夕食はホテル内のレストラン(個室)でフレンチのフルコース。部屋に戻り、ネットで調べてみたのですが、日本のamazon では1枚4000から5000円で売られていたのにはびっくりしました。「だったら買っておけばよかった」と後悔してもあとの祭り。でも、これまた次回のお楽しみですかね。