南アフリカに向け、いざ出発!

2014年10月27日
家人と私の2人してずーっとあこがれていた「ビクトリア滝」。それを楽しむ旅が今日から始まります。「世界3大瀑布【ばくふ】=滝」の1つで、イグアス(ブラジル&アルゼンチン&ウルグアイ)とナイアガラ(アメリカ&カナダ)はすでに制覇したので、ここだけが残っていたのです。

ビクトリア滝はアフリカ南部、ジンバブエ共和国とザンビア共和国の国境にあります。「な~んだ、南アフリカにあるわけじゃないんだ」と知ったのは、つい最近。ただ、どちらの国も日本からの直行便はないので、南アフリカから入っていくしかありません。まして、ツアーとなれば当然のこと、滝だけではマニアックに過ぎるでしょうから、ほかの観光スポットをいくつか組み合わせてあります。

今回のツアーでプラスされているのは「チョベサファリ」。野生の動物を見て楽しむ、けっこう人気の企画だそうです。家人が申し込んだとき、「滝がメインなら初夏、いまはジャカランダです」といわれたとのこと。10~11月はジャカランダが満開になる一方、滝のほうは乾季のため水量が乏しく、そちらをメインで考えているのなら……という話でした。どちらも捨て難く、迷いもありましたが、広告でこのツアーを見つけたのも何かの縁だと思い、決めたしだい。ちなみに、ジャカランダは「世界3大花木」の1つ(ほかの2つは火焔【かえん】木と鳳凰【ほうおう】木)だそうですが、美しさでは一番のようです。

日本を出発したのは昨日の午後6時25分。ANA便でまず香港まで行き、そこで1時間15分後のSA(南アフリカ航空)便に乗り換えるのですが、香港→ヨハネスブルグは13時間15分! ヨハネスブルグに降り立ったのは今朝7時20分でした。そして、3時間ほど待って、ビクトリアフォールズ(ジンバブエ共和国)行きの便に乗り換え1時間45分でようやく到着です。

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ジンバブエへの入国にはビザが必要なので、カウンターに並んでパスポートとビザの申請書、それに現金45USドルを添えて差し出すと、パスポートにビザを添付して返してくれます。チョベは、ボツワナ共和国の最北端に位置する国立公園の名前で、私たちが滞在するのはそのすぐ隣にあるカサネという町。日本からはジンバブエ共和国を経由しないと行けないわけですね。

ところが、ここでトラブルが起こりました。ビクトリアフォールズ空港で荷物を受け出そうとしたときです。なんと家人のスーツケースだけが出てこないのです。国際線ではつきものといってもいいロストバゲージです。私たちも何度か経験しているので驚きはしません。今回の移動は途中2回乗り継いでいますから、可能性としては2つ、香港かヨハネスブルグの空港で積み忘れたのでしょう。

現地ガイドのアシストを受けながら空港のカウンターで調べてもらおうとしたのですが、職員は「コンピューターシステムがダウンしちゃって……」と首を振るばかり。ロストバゲージ自体はさほど珍しいことではありませんが、普通、どこで置き去りにされたかくらいはすぐわかります。チェックインのとき、コンピューターにID番号が記録され、そのクレームタグをこちらが受け取っているのですから。しかし、システムがダウンしているとなると、どうしようもありません。

これまでの経験から、だいたいは翌日の便で届くものですが、家人はなんとも心配顔で戻ってきました。くだんの職員は、家人の申告を、カーボン式の複写用紙に書き込んでいたというのです。そんな場面を目の当たりにすれば、たしかに不安にもなるでしょう。とりあえずは遅れてでもこの空港まで届くことを祈るしかありません。

さて、空港からはバス。見渡すかぎり木々と草花ばかりというサバンナ(熱帯草原)を2時間弱、走り続けます。道すがらアフリカゾウに出会ったりして、早くも期待を抱かせてくれました。途中に国境があり、そこでジンバブエ出国+ボツワナ入国の手続きがありました。日本にいてはなかなか体験できない陸路での国境通過とあって、どんな具合におこなわれるのか興味津々。マレーシア+タイでも経験はしていますが、このときは人まかせでしたから。実際は、かなりくたびれた木造の建物にこの2カ国の出入国管理のオフィスが同居しているようで、それぞれパスポートを見せて通過します。もちろん、スタンプも押されました。

ところで、今回のツアー参加者はわずか7人。出発日のひと月半ほど前からエボラ出血熱の騒ぎが報じられ、「アフリカは危ない」という人はキャンセルしたようです。世の中には用心深い人がいるんですね。ただ、エボラ出血熱が発生したのはアフリカでも西の端の話。私たち2人は、キャンセルしようなど、毛ほども思いませんでした。


L1000215カサネのホテルに着いたのは夕方4時過ぎ。小ぎれいできちんとしたホテルです。それにしても、長~い移動でした。早い話まる1日以上、なんと29時間を費やしたことになります。

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それでも、7人全員、テンションが上がっており、添乗員の「これから軽くサファリに出ることもできますが、いかがですか」という言葉に、迷わず「行くぞーっ」。というわけで大型のジープに乗り、すぐ近くのチョベ国立公園に出発。タイミング的にちょうどよかったのか、アフリカゾウの群れが川で泥浴び・水浴びをする場面に遭遇しました。泥浴びを済ませた直後のゾウはもちろん泥まみれですが、そのあとすぐ水を浴びます。毎日かならず川辺まで出てきて泥浴びをするのは、体についた虫を退治するためだそうです。と同時に、ゾウは肌のキメが粗いので、それを少しでもこまやかに保つ目的もあるとか。そういえば、人間社会にも「泥パック」というのがありますからね。

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この日、私たちが見られた野生動物は、ほかにも、サイ、インパラ(中型のカモシカで、お尻を上げる独特のジャンピングフォームが特徴)、イボイノシシ(泥浴びを好み、水場周辺に多い)、バブーン(ヒヒ)、リス、アフリカ水牛(バッファロー)、ウォーターバック(中型のカモシカ。水場の周辺にいることからその名がついた)、クドゥ(大型のカモシカで、角が枝別れしていないのが特徴)、プクーなど。鳥もホロホロ鳥(これは可愛いです!)はじめ、レッドホーンビル、クチバシサイチョウ、アフリカハゲコウ、リラックプリステローラなど、けっこういました(ただし、ホロホロ鳥以外、名前と姿・形はまったく一致しません)。

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夕食はホテルの食堂で。公園内で目にしたインパラを始め、ワニやさまざまな鳥など、肉が中心。おっかなびっくりというか、ひととおり食べてはみましたが、味は、……でした。