2013年10月4日
今回つごう5泊する Palace Hotel の豪華朝食に舌鼓を打つと、さっそくプラド美術館に行ってきました。ここも20数年前に来たことがあるのですが、なんとも立派なつくりの建物で、しかも展示作品は一流のものばかり。客も世界中からという感じで、小雨の中を30分ほど並んでチケットを購入しましたが、それだけの価値は十分にあります。ただ、中が広い、というかゆったりした展示になっているせいか、サンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館ほどには混んでいません。
プラド美術館をあとにしたのは昼過ぎ。後日のセビリヤ行きに備え、アトーチャ駅までぶらぶら歩いていきました。ヨーロッパでは駅の構造が日本と大きく異なる場合が多いので、せめて大きさくらいはチェックしておかなくてはなりません。
案の定、とてつもなく大きな駅で、びっくりしました。外側はレンガ造り、4階建てほどの高さののシンプルな建物なのですが、中は大きな吹き抜けになっています。
しかも、そのエリアには、なんと「熱帯植物園」になっています。壁に沿った部分は回廊風になっていて、列車の乗り場があるのは2階と3階。切符売り場は1階、熱帯植物園のまわりです。
どのホームから乗るかは、発車20~30分前にならないとわからないようで、電光掲示板をよく注意しながら見ておく必要がありそうです。乗る前に手荷物のX線検査もあるようで、このあたりは日本とだいぶ違います。もっとも、幹線の特急でも1時間に1本ほどですから、日本の新幹線の駅のようなせわしなさはまったくありません。のんびりとしたものです。
アトーチャ駅をひとととおり見物したあと、ピカソの「ゲルニカ」を観に、近くのソフィア女王美術館に行きました。ただ、ここは私たちにはとてもついて行けない感じで、「ゲルニカ」だけを観てさっさとおさらばです。
そのあと、地下鉄に乗ってプエルタ・デル・ソルへ。周囲のどこを見渡しても人、人、人です。雨もすっかりあがってほとんどピーカン状態になり、それなりに暑いのですが、空気が乾燥しているのが救いで、日陰に入るとゾクッとくることもあるほど。それだけに、ビールのうまさは格別です。
家人はもっぱらサングリアですが、スペインのビール=セルベッサには感心しました。しかも値段がコーラやジュース、ミネラルウォーターと同じ。「酒」としては扱われていないようです。
ヘビーな朝食がまだ十分こなれていないようだったので、そこらの店で軽く、タパスをつまみました。スペイン人というのはなんでも1日5回は食事するそうで、タパスのようなものをちょちょいつまんでは、その間にケーキを食べたりビスケットをつまんだりして、遅い夕食に備えるのだそうです。
この日の夜、私たちが「今日は遅めに」といって8時過ぎに店に入っても、閑散としている店が少なくありません。「こんなガラ空きで大丈夫だろうか」と、疑問を抱きながら食べていると、9時ごろから客がボチボチやってきます。そして、私たちがお勘定を済ませる10時ころ、ようやく店の中がいっぱいになるのですから、かなり感覚が違うことがよくわかります。
さて、プエルタ・デル・ソルから数分歩くと、かの有名なマヨール広場(Plaza de Mayor)です。旧市街のど真ん中にあるこの広場、プエルタ・デル・ソルとセビリャ広場から数ブロックしか離れていません。129m×94メートルの長方形をしており、広場に面して237カ所のバルコニーを持つ3階建ての建築物に取り囲まれていると、ガイドブックにはあります。マドリード最大の市場が開かれていたそうで、闘牛やサッカーの試合、公開処刑もおこなわれた広場を取り囲みように、老舗の商店やカフェがいっぱい並んでいます。
夜はホテルから20分ほど歩き、元のマーケットをリノベーションして作ったバールの集合店舗といった感じのところで店を探して食べました。シーフード中心、肉中心など、それぞれの店に特徴があり、そこから好きなものを自分で選び、その場で支払うシステム。どの店も客でギッシリ、ようやく見つけた席で体を小さくして食べた次第。値段はなんとも安く、2人でお腹いっぱい食べても1500円ほどでしょうか。