大学のある町に流れる空気──私の「マイクロツーリズム」⑱

●10日ほど前、隣駅の江古田(北口)にある大学=日芸(日大芸術学部)とムサオン(武蔵野音楽大学)周辺までウォーキング。そろって鉄筋コンクリートの立派な建物に建て替わっており、1970年代の牧歌的な面影はありません。ただ、どちらも芸術系とあって、周りにはそれっぽい空気が流れています。ムサオンの校舎横には「ショパンプロムナード」なるものも。近くを歩いていたとき、どこからともなく聞こえてくるピアノの音に癒されました。
●江古田駅には南口に武蔵大学もありますが、「らしさ」という点ではこちらのほうが上を行っているかもしれません。練馬区の文化財にもなっている大講堂(1928年築)は、早稲田大学大隈講堂や日比谷公会堂と同じ建築家の設計。小さなキャンパスでも、”フンイキ”なのです。
●ただ、日本の大学はいまどこも皆、ピカピカの校舎にゴミひとつ落ちていないキャンパスのところばかり。それはそれでいいのかもしれませんが、ヨーロッパの”大学都市”のように、学生と住民の接触によって醸(かも)される混沌、またそれから発する自由の空気、匂いとなると日本は?
●家に戻ろうと江古田駅近くを歩く私に、何かが「おいでおいで」をしてきます。パンの匂いです。といっても、近ごろブームの高級食パンではなく、いわゆる惣菜パン。いずれ折を見て詳しく書こうと思っていますが、有名チェーンではないおいしい惣菜パンの店がある町は魅力的というのが私の持論。今回もいくつか買ってしまいました。ウォーキングの成果は台無しになるかも。

Facebook Post: 2021-02-20T08:46:31