ジヴェルニーの庭園に「日本」が!

2013年8月9日
今回のヨーロッパ旅行の前、高校時代の友人Nくんから教えてもらったジヴェルニーに行ってきました。「(クロード・)モネの家があって、その浮世絵コレクションがすごい! 一見の価値はある」ということでした。

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切符を買うのにひと苦労し、出発は結局お昼近くになってしまいました。パリのサン・ラザール駅から列車に乗り15分ほど走ると完全な田園地帯です。ヨーロッパの都市に多いパターンですが、住宅が密集しているエリアはほんのわずかで、今回も家が見られるのはセーヌ河畔まで。そこを過ぎるとほとんど畑ばかりです。

45分ほどでヴェルノンという駅に着き、そこからバスで15分。停留所からさらに5、6分ほど歩くと、一帯は「モネ・タウン(というよりヴィレッジです)」といった感じになっているのですが、もう完全な田舎です。L106046020130809

平屋の家がほとんどなので、それも当然でしょうか。その一角に、印象派画家の代表モネが43歳のときから86歳で亡くなるまで、人生の半分を過ごした家があります。それが当時のまま保存され、アトリエをはじめ、広大な庭園など、モネの生活がうかがわれる施設になっています。

さほど大きくもない建物に入ると、いきなり壁いっぱいに浮世絵が。その数はハンパではありません。日本人の私もいまだかつて見たことのないような作品が、これでもかといわんばかりに並んでいます。さらに幕末から明治初期にかけて描かれた錦絵もありました。なるほど、モネはこういう作品に刺激を受けて絵を描いていたのです。

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モネは16歳のころ、オランダの商船によって運ばれてきた日本の浮世絵版画に夢中になったそうです。以来モネの「日本」への傾倒は変わらず、ジヴェルニーのこの家にある庭園はほとんど日本庭園といってもいいくらいのつくりになっています。L106048920130809

しだれ柳が植えられ、池には太鼓橋が架かっています。「睡蓮」というモネの代表作はこの池に浮かぶ睡蓮を描いたもなのです。

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L1060490201308093時間ほどの滞在でしたが、心が洗われた感じがしました。パリの喧騒も楽しいのですが、思いもかけずフランスの片田舎の空気に触れることができたのはNくんのおかげ。やはり持つべきものは友だちです。ちなみに、Nくんは高校3年生のとき同じクラスでした。陸上競技部で中距離を走っていたのですが、大学に入ってからは駅伝(あまり有名ではないのですが、「六甲山駅伝」という関西のレースです)を走ったそうです。卒業後は小社に勤め、世界中をまわってきただけに、幅広い分野の知識・情報を持っています。直感と粘り強さが持ち味、近ごろは家庭菜園にもエネルギーを注いでいるとか。

L106050020130809_2今日は今回のパリ滞在最後の夕食ですが、昼間歩きまわった──万歩計によると20000歩を超えていました!──ので、かなり疲れがきています。そこで、夕食はホテル近くの小ぶりなタイ料理店で済ませました。 ところが、これが意外にもけっこうなアタリで、なかでもオードブル盛り合わせはグーでした。明日からはロシア。食べ物はあまり期待できそうにないので、おいしい食べ物を口にできたのはラッキーそのもの。

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