2013年8月7日
パリ2日目。早朝から雨で、出かけるときは降りがひどかったので、タクシーでオルセー美術館まで行きました。前回来たときは、昨日のヴェルサイユ宮殿と同様、地下鉄や国鉄職員のストライキのため観られなかったところです。美術館の職員が、ストライキで出勤できないという理由でした。日本ではあまり考えられない理由ですが、フランスではけっこう当たり前みたいです。ただ、そのおかげでリノベーションを済ませた新オルセー美術館をゆっくり観ることができました。
10時前に着いたのですが、美術館のチケット売り場は早くも長蛇の列。私たちは「ミュージアムパス」のおかげですんなり入れました。それでも、中はもう大変な数の客。荷物チェックを受け、リュックサックをクロークに預けてスタート。5階か6階の建物のほとんどが吹き抜けというあまりのスケールの大きさに最初から驚きの連続です。
それも当然で、もとの建物は1900年に開催された万国博覧会に合わせて作られた鉄道駅舎兼ホテルなのです。かまぼこ状の大屋根の地下に10以上のホームを備えていましたが、狭かったため、一時は取り壊しの話もあったとのこと。しかし、政府が保存活用のプランを検討、19世紀の美術作品を展示する美術館として生まれ変わることになり、1986年、オルセー美術館としてオープンしたというわけです。
しかし、それにしても、いきなりミレーの「晩鐘」に「落穂拾い」ですから。あとはもう、盆と正月がいっぺんにやってきた感じというか。セザンヌ、モネ、ドガ、クールベ、ゴーギャン、ロートレック、ルノアール、マネ、シスレーといった印象派の巨匠の、美術の教科書とかでさんざん観た作品が、これでもかこれでもかというぐあいに、そこらじゅう展示されているのですから。途中、イスが随所に置かれて休憩もできるのですが、その脇に彫刻が置いてあるので、ふと作品名を見ると、ロダンとかマイヨールとかで。なんだか、ありがたみが感じられず、いい意味で呆れてしまいました。
日本にいたら、それこそ一人ひとり3、4カ月の期間で国立美術館あたりで展覧会ができるような作家ばかりです。それがここまでそろってしまっているとなると、入った瞬間、これは1日、それも何時間かで観てしまってはいけない、罪悪感とはまた違うのですが、とりあえず半分くらいにしておこうということにしました。残りは「また次回!」です。
美術館を出てセーヌ川を渡るとそこはルーブル美術館。こちらは初めてパリに来たとき一度行っているので、とりあえず今回はパスします。夜はホテル近くを探し、歩いてすぐのパサージュに中で見つけたお気楽フレンチの店に。セットメニューで13~14ユーロほどでしたが、前菜と肉料理だけでほぼ満腹。デザートは残念ながらパスでした。敷地の中を抜けて「グランパレ」近くのカフェでランチ。 ここはかつて1900年のパリ万博の際に建てられた美術館だったそうです。その後はすっかり廃れてしまったものの、2005年に大幅なリノベーションがなされ、さまざまなイベント用の施設として生まれ変わったとのこと。
そのあと「グランパレ」の中を通りながら、すぐ北側にいくつかある「パサージュ」へ。いちおう屋根付きの商店街というスタイルなのですが、昔の面影はないようで、人通りはまばらです。そのまま歩き続け、昨夜歩いた日本料理の店が集中しているあたりを抜けてホテルに戻りました。