“高級学芸会”に行ってきました!

2013年7月4日
沖縄の「うたの日コンサート」の感動がまださめやらずにいる今日。サラ・ブライトマンの日本公演に行ってきました。有楽町の東京国際フォーラムAホールですから、お客の数は3、4000人でしょう。チケット代は15000円! 追加公演もあったくらいですから、たいした人気のようです。家人が「1回、聴いてみたい」というので、好奇心の旺盛な私としても、行かないわけには行きません。

歌は素晴らしかったです。オペラ歌手出身ですから、声域が広いのは当然にしても、透明感のある、それでいて奥行きも十分な声は、日本人にはなかなか真似できないかもしれません。

ただ、正直いって、サラ・ブライトマンという名前はよく耳にしていましたが、顔は知りませんし、何を歌っているのかも知りませんでした。2007年の大阪・世界陸上のとき開会式で絶唱していた歌手だということを知ったのもずっとあとの話で、関心のない歌手の典型的パターンですね。

なんでも1991年の紅白歌合戦に出て『オペラ座の怪人』のナンバー「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」を歌ったそうですし、翌92年のバルセロナオリンピックの閉会式ではスペインのオペラ歌手ホセ・カレーラスとのデュエットで公式テーマ曲『アミーゴス・パラ・シエンプレ』を歌ったといいます。テレ朝のサッカー関連の番組でも、彼女の歌った曲のメロディーが使われていますし、2008年の北京オリンピックの開会式でも大会公式テーマ曲を歌いましたし、09年のNHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』の主題歌も歌っているとのこと。なのにほとんど何も知らない私はよほど鈍感だったのでしょう。

でも、でも、です。エンターテイナーとしてはどうかなと思います。最初から最後までずっと目をつぶって聴いていても、まったく問題ありません。バックにCGを駆使した映像がバンバン出てくるのと、光のページェント風の照明がその一端を担っているのでしょうが、私のように興味なければ、それもたして意味はありません。とにかく、彼女自身の動きがほとんどないのです。

舞台に出てくるときは両手を肩の高さで開いた姿。歌うときは片手にマイクを固定。MCも「トウキョウノミナサン、コンバンワ。ニホンニコレテシアワセデス……」だけで、ほとんどなし。最初から最後まで歌だけでしたから、彼女の声のファンにとっては大満足のステージなのでしょうが、私にはちょっと……という感じでした。ひいきにしている人には申し訳ないいい方ですが、正直、“高級学芸会”といった趣き。

客層は、はっきりいってお金持ちそうな感じの人が多いです。若いチャラチャラした風にの人はほとんど見かけません。団塊の世代で、最前線からは引いて時間もあって、ふところにも余裕がある人たち。グッズもえらく売れていました。彼女の公式ウェブサイトに世界ツアーの予定が出ていたので、のぞいてみました。アジアからスタートしてアメリカ、カナダ、メキシコ、そして12月の南米までビッシリ。しかも、チケットもよく売れています。でも、つい5日前に心ゆくまで楽しんだ「うたの日」コンサートのほうが、エンターテインメントとしてははるかに上出来です!