トラベルにもいろいろあります

●そもそも「Go To トラベル」というネーミングが気に入りませんでした。なんで国民が政府から命令されなくてはならないのでしょう。「Let’s Go To」ならまだわかりますが……。安倍総理が4月7日だったか、「これで経済のV字回復を」と胸を張ってみせたときの強い違和感。案の定ここ数日、感染拡大が急速に広域化・濃密化しつつあります。
●「トラベル」も「イベント」も「会食」も大半は「不要不急」。東京の住民にとって「トラベル」はいま、家とその周辺、歩いて行き来できる範囲に限定せざるを得ません(「スーパー・マイクロツーリズム」ですね!)。それでも、知らなかったスポットを知る、これまで気づかなかったことに気がつくなど、それなりに楽しいものです。
●コロナ禍が始まってからほぼ半年、書店の平台には”散歩”に関係する雑誌がズラリ。国内・海外旅行に関わる本が並ぶコーナーに人の姿はほとんどありません。 それと真逆なのが、「ウイズコロナ」「アフターコロナ」をテーマにした棚で、ノンフィクション・小説を問わず、ここ1、2カ月であっという間に増えました。内容も、歴史、哲学、教育、心理学、社会学など多岐にわたっています。トレーニング、料理、免疫強化などのヘルスケアをテーマにした実用書も含めると300点を超えているでしょう。
●購入した本・雑誌を読みながら想像力をめぐらせ、その世界に入り込む──これもまた意義ある「トラベル」ではないかという気がします。もちろん、35%引きもありませんし、15%相当額のクーポンもつきませんが。書店の隣のレコード屋でバーゲンが。掘り出し物でも見つけて聴けば、「トラベル」もいっそう充実しそうです。

Facebook Post: 2020-07-31T11:02:24