芸術の秋、というより食欲の秋!?

●コロナ禍が始まってはや半年。それが機縁となり、というのもおかしな言い方ですが、初めての体験を数々させてもらっています。その一つがオペラ。といっても、リアルではなくライブビューイングなので、とても安上がりなのが魅力。それをいいことに、金曜日はワーグナーの「さまよえるオランダ人」、そして土曜日がビゼーの「カルメン」と、2連チャンの離れ業をやってのけてしまいました。
●前者は、すべてのオペラの中でいちばん暗いと言われる作品。オペラにうとい私ですからアテにはなりませんが、実際そのとおりで、二度と観ることはないでしょう。「カルメン」のほうは楽曲にも親しみがあるせいか、初めての私もとことん楽しめました。それと、スペインのセビリヤを訪れたとき、作品にも登場するタバコ製造工場や闘牛場を見学したことがあり、親近感があったのかもしれません。
●ワーグナーで暗くなった気分を晩ご飯で晴らそうと、行ってみたのがトンカツ屋さん。築地の中心から少し離れたところにある小さな店で、どのお客も常連さん風。一瞬ビビりましたが、大将の人柄が親しみやすく救われました。初めての私たちにも気安く接してくださり、食べ方のアドバイスも。「最初は、真ん中のところを塩だけ振って。右側に移ったら、それに七味を少し足して食べてください。左側は醤油でもソースでもお好みで…」。結局ソースをまったくかけないまま完食。それでもおいしく食べられたのにはビックリです。
●心地よい満腹感にひたりながら店を出てブラブラ歩くと、目の前に隅田川と佃大橋が。美しい夜景に、暗さに思いっ切り落ち込んでいた気持ちもスカッと晴れました。私の場合、芸術の秋というより食欲の秋のほうがやっぱり合っていそう(笑)。

Facebook Post: 2020-09-28T19:06:48