あった! 買った! 食べた!

●昨日だったか、i-Pad を手にしたカミさんが、見ただけでよだれが出そうになるプリンの写真がふんだんに載った雑誌のページを指さしながら、「ほら、プリンの特集があるわよ」と教えてくれました。全国で30を超える店が紹介されていましたが、私の本命は神奈川県葉山にある「Marlowe(マーロウ)」のカスタードプリン。もう何年も食べてないな〜と、指をくわえるしかありません。なんだかんだ言っても、葉山は遠いですし、コロナ禍の中ではおいそれと行くこともできません。それが今日、なんと、西武デパートの地下にあったのです! これはもう”運命の出会い”でしょうとひとり納得し、買いました。ついでに、いまの季節限定の栗プリンも。
●「Marlowe」は都内では三軒茶屋・銀座に出店しているだけ。たまに催事があるときなど、西武に出店することもあるのですが、知らなければ買えません。今日スタッフに聞いたら、10月初めから常設で店を構えたとのこと。うれしい話です。久しぶりに目にした包装用の袋に描かれているフィリップ・マーロウの顔も、私に微笑みかけているように見えてしまいました。
●実を言うと、プリンには深い思い入れがあります。小学5年のときだったか、母親が雑誌「暮しの手帖」と首っ引きで作ってくれたのを食べ、こんなおいしいお菓子があるんだと大感動。この時代、いまと違い、市販のプリンなどもちろんなく、よほどのレストランにでも行かないかぎり、口にすることはできなかったのではないでしょうか。それを食べてからというもの、私にとって横文字スイーツの筆頭はプリンなのです。ちなみに、二番手はアップルパイ(ただしシナモン風味の強いのはNG)、三番手はシュークリームとエクレアですかね。
●家に帰り昼食を済ませたあと、冷蔵庫でじっくり2時間”寝かせた”プリンを口にしたときの幸福感といったら(別に寝かせる必要などないのですが)。いまなら中高校生でも気軽に食べられるこのテのスイーツも、50〜60年前は非日常の極致と言ってもいい存在。でも、そうした時代を経験しているからこそ、こんな些細なことでも幸せを味わえるのかもしれません。ハードボイルドの巨匠レイモンド・チャンドラーの生んだ私立探偵フィリップ・マーロウといえば、
“If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive.If I couldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive.”「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」
の名言で有名。それになぞらえて言うなら、☆プリンが好きでなければ男ではない☆ということかな━━な〜んて、ムシがよすぎますね。

Facebook Post: 2020-10-28T16:31:57