東海道五十三次バスツアー②

●ツアー2日目の今日(12月9日)は三島宿から掛川宿まで。途中、三嶋大社、歌川広重の版画「夜の雪」で有名な蒲原(かんばら)宿、由比(ゆい)宿の東海道広重美術館、島田宿の川越(かわごし)遺跡など五十三次がらみのスポットを訪れます。トータルの歩数は1万4千歩で、掛川のホテルに着いたときはヘトヘトでした。
●いちばん印象に残ったのは、徳川最後の将軍・慶喜が大政奉還のあと20年間住んでいた屋敷跡をそのまま料亭にしたという静岡の浮月楼(ふげつろう)。ランチとしてはいささか贅沢な懐石料理は、慶喜が生前食べていたメニューや嗜好を忠実に再現したもの。静かで落ち着いた庭園をながめながらの食事は、静岡駅のすぐ近くにあることを忘れさせてくれました。
●この日は富士山にいちばん近いエリアを動いていたのに、その姿をほとんど目にしませんでした。見れば一気にテンションが上がるのが日本人。最後に訪れた蓬莱橋(「世界一長い木造歩道橋」としてギネスブックに出ている)蓬莱橋のたもとから頂上が見えたときは、思わず声を出してしまいました。
●蒲原も由比も島田も、旧東海道の宿場町はそれぞれ、わが町の歴史をきちんと残すとともに、それを少しでも広く伝えていこうとしているはず。しかもその相手は、いわゆるインバウンドではなく、日本の観光客です。しかし現実には、ターゲットである日本人が、ほんの1時間ほど滞在するだけ。これでは集客はままならず、ましてリピーターにはなってくれないでしょう。「東海道五十三次」のような、歴史の知識が求められるような観光スポットには、まだまだ課題がありそうです。

Facebook Post: 2020-12-11T22:14:13