買い物ついでに冬の山登り──私の「マイクロツーリズム」⑮

●この年齢になって人生初の体験ができるのもコロナ禍ならではの話。今日は真冬の登山にチャレンジしました。というと驚くかもしれませんが、23区内にある人造の山としては最高峰、標高44.6メートルの箱根山を”制覇”したのです。それも買い物の帰り道、文字どおり事のついで。でも、立派な「登頂証明書」もいただきましたよ!
●拙宅から車で15分、23区のど真ん中に”そびえる”この山”はもともと、江戸時代、尾張徳川家下屋敷山荘の庭園内に作られた築山(つきやま)で、いまは新宿区立戸山公園の一部。ただし、二つのエリアに分かれているこの公園の総面積は5万6千坪ほどで、ハンパな広さではありません(できた当初は13万6千坪)。
●尾張藩は言わずと知れた御三家の筆頭。だからこその広さなのですが、維新後は国有地となり、陸軍の戸山学校、軍医学校、練兵場がありました。 戦後、軍事施設はすべて廃止、現在は都営住宅、戸山公園、国際医療センターなどになっています。ちなみに、尾張藩の中屋敷は現在の紀尾井町の上智大学、また上屋敷(藩邸)は市ヶ谷の防衛省(三島由紀夫が割腹した場所)にありました。いまさらながら「尾張」の存在感を感じずにはおれません。
●箱根山の頂上からは西新宿の高層ビル群が見え、ふもとには蝋梅(ろうばい)や椿が。山の手線の内側にこんな空間があるのは驚きです。目白のおとめ山、日比谷の三笠山はすでに登りましたが、ほかにも古くからの桜の名所・飛鳥山(王子)、御殿山(五反田)、かつてNHKの放送塔があった愛宕山など、23区内にはまだまだいくつか「山」があるようなので、これからぼちぼち登ってみようっと!

Facebook Post: 2021-01-26T16:35:27