余談・独断・油断には要注意──私の「マイクロツーリズム」⑰

●昨年11月から始まった「石岡瑛子回顧展」@東京都現代美術館。新聞の案内などには最初のうち「予約制」と出ていましたが、しばらく経つとその文字が消滅。きっと空いているのだろうと思い込み、9日に行ってみたら、なんとチケット売り場は長蛇の列、建物の外にまで続いているではありませんか。「70〜80分はかかります」と言われ、あっさりあきらめました。12月下旬から感染者数が急増したことで、しばらく客の入りも減っていたのでしょうが、最終日まであと数日と迫り、多くの人が一気に詰めかけたようです。
●意外に思ったのは若い人が多かったこと。石岡瑛子が国内で活躍していたのは1980年代初め頃まで。フェイ・ダナウェイの写真と「モデルだって顔だけじゃダメなんだ。」というコピーから成るPARCOのポスターは強烈なインパクトがありました。その後ニューヨークに活動の場を移しアカデミー賞やグラミー賞を受賞するなどしていますが、50代以下の人たちにとってはどうなのかなと。これも私の勝手な思い込みでしょうか。
●それにしても、木場にこんな立派な施設があったとは知りませんでした。都内で初めて行った施設はこの1年間だけでも、練馬区立美術館、東京都庭園美術館、府中市郷土の森博物館……とかなりの数。ほかにも、国立公文書館、NHK放送博物館、切手の博物館、大倉集古館、根津美術館、松岡美術館、三鷹の森ジブリ美術館、日本近代文学館、世田谷文学館、国営昭和記念公園、GAS MUSEUM、江戸東京たてもの園、羽村市動物公園など、行ってみたいと思っている場所は十指に余ります。それが実現するのが先か、コロナ禍の収束が先か。行手はまだ見えません。
●ただ、そんなことを思いながら過ごすようにしないと脳が老化してしまいそうなのも事実。いつ、どこに行くか。何を見るべきか。行ったついでに、どこの店で何を食べるか。安全面は大丈夫かなどと、あれこれ思いをめぐらせていると、気持ちが浮き浮きしてきます。この高揚感に脳が刺激されるのは間違いなさそうですが、今回のように不発に終わってしまうことも。予断・独断・油断にはくれぐれも要注意です。

Facebook Post: 2021-02-14T17:35:08