心がなごんだブルージュの街

2012年8月13日 
日本を出発する前には予定していなかったのですが、こちらでガイドブックを繰っているうち、ブルージュまで行ってみようということになりました。中央駅から列車で西に1時間のところです。しかし、これが大ホームラン! ブリュッセルと違って落ち着きがある街で、心がなごみました。

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「水の都」ともいわれるブルージュ。運河で囲まれたエリアは全体が世界遺産になっています。駅を降りそちらに向かうやいなや、もう1つの世界遺産・ベギン会修道院が。それを右に見ながら州庁舎のあるマルクト広場をめざします。州庁舎の立派さは大変なもの。その近くにそそり立つベルフォート(鐘楼)も印象的で、鐘の音がひんぱんに聞こえてきました。広場を取り囲むようにして立つギルドハウスは、まるでお菓子のような趣でした。

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L1040230街全体の様子をつかもうと、馬車に乗って観光してみることにします。30分で36€とけっして安くはありませんが、おおかたの名所はクリアでき、サービスも満点。ランチのあとは運河クルーズです。街の外側をほぼ半周するコースで、途中で街の中にも入り込み、さまざまな建物を別の角度から、しかも間近に見ることができます。ほぼ1時間のクルーズですが、大いに楽しめました。半日ではもったいないほど、見どころのある街です。

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夕方遅めにブルージュを出てブリュッセルに戻りました。でも、この季節のヨーロッパは日がとても長く、夜8時を過ぎてもまだまだ明るいのです。そのため、なかなか夕食気分になりにくく、駅からイロ・サクレ地区の方向にぶらぶら歩いていきましたが、王立モネ劇場(オペラがおこなわれる)の先で見つけた中華料理店で食べました。モネ劇場の美しい姿が印象的でした。

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ブルージュとかモネとか、その語感から察することができるように、ベルギーという国はフランス語が公用語の1つになっています。しかし、お気づきの方もおられるでしょうが、最初に泊まったアントウェルペンはフランス語的な感じがしません。こちらはむしろ、明らかにドイツ語的な雰囲気を持つ、オランダ語です(正式にはその方言=フラマン語)。もちろん、フラマン語も公用語です。

ベルギー北部のフランドル地方はフラマン語、南部のワロン地方はフランス語が主に使われており、ほか、ドイツ国境に近いエリアではドイツ語も話されているそうです。この国には「言語戦争」という言葉もあるほどで、フラマン語を話す人たちとフランス語を話す人たちとの間に根深い対立があり、一時は大変な状況になったこともあるといいます。