2012年8月11日
昨日に続いて、今日もドライブ。ただし、アントワープとは今日でお別れ。ルクセンブルク大公国経由でブリュッセルに移動します。高速道路を走っている途中にドライブインがあったので、のどをうるおそうと立ち寄ってみました。日本の高速道路にあるサービスエリアのようなもので、売店とレストランもしくはカフェ、ガソリンスタンド、トイレ、子ども向けの遊び場などがひととおりそろっています。その売店で見たのがワインとビールがびっしり並べられた棚。たしかに、ベルギーはビールの国ですが、ドライブインで売るなんて……。まさかここで飲むわけでもないでしょうし、家に戻って飲もうというドライバーのために売っているのですかね。
それにしても、ルクセンブルクは美しいところでした。というか「国」です。わずか2600平方キロメートルといいますから、神奈川県と同じくらいでしょうか。人口は50万弱で、首都圏でいうなら江東区・松戸市・市川市とほぼ同じ。でも、1人あたりのGDPはここ20年以上にわたって世界第1位です。首都も同じくルクセンブルクといい、その「古い街並みと要塞群」は世界遺産になっています。
着いたのがちょうどお昼どきだったので、すぐランチにしました。スープを取り、2人でスモークサーモンのサンドイッチをシェアした(私はそれにビール)のですが、なんとも爽快な味で大満足。気持ちのいいアウトドアの席で食べたのもよかったのでしょう。
そこから要塞(ヴェンツェルの環状城壁)まで行く間に、アルム広場、ノートルダム大聖堂、大公宮、市庁舎といった有名な観光スポットがほぼカバーできてしまいます。念のためと思い、おとぎの国のような可愛い市内遊覧バスにも乗ってみましたが、歩いて回ったのとほとんど同じところでした。これで“1国制覇”などといっては叱られそうですが、それくらいコンパクトな首都なのです。夕方早い時間には車を駐車場から出すことができました。
ヴェンローから高速道路で一本道のブリュッセルまでは2時間少々。ホテルの駐車場がややこしく車を入れるのにひと苦労しましたがなんとかパーキングは完了。6連泊するホテルはアントワープと同じRadison Bludです。チェックインを済ませると、さっそく夕食を取りがてらグランプラスに向かいました。
途中、ギャルリー・ロワイヤル・サンテュベールというショッピングアーケードを抜けていきます。1847年に完成したヨーロッパで最古のアーケード商店街だそうで、ガラスで作られた高い天井から柔らかな光が注いでくるので、快適この上ありません。王室御用達のスイーツの店もあればチョコレートのノイハウスもある、タバコ屋もあればワインショップもあり、ここに来ればなんでも買えそう。レストランとカフェも気さくな雰囲気で、入りやすい感じです。
そんなことで左右に目移りがしてしまい、通り過ぎるのにけっこう時間がかかりました。夕食はどこでとも決めていなかったのですが、とりあえずいちばん選択肢の多そうなイロ・サクレ地区に。場所は、グランブラスの北側です。歩いていると客引きの声がすさまじく、左右で数十軒並んでいる中で適当に選びました。ただ、どの店にも共通しているのはムール貝です。私たちもトライしてみたのですが、これがとんでもないおいしさ。しかもメチャ安! 日本でムール貝というと、どこかよそよそしいというか、おごちそうといったイメージがありますが、ここではだれもが食べる大衆料理。
ムール貝をセロリと一緒に白ワインで蒸したもの(Moules mariniere)ですが、何より驚いたのはその量で、1人前がバケツのような鍋に1杯、それも山盛りで出てきます。1つ食べると殻が出ますが、その殻で次の貝の身を取って食べるのが基本スタイル。食べても食べても減らないのですが、不思議なことになかなかお腹いっぱいになりません。付け合わせで出てくるフリッツ(フライドポテトのことで、ベルギーが発祥の地)もビールと白のワインによく合いました。結局あとはサラダと、ムール貝のうまみが凝縮した鍋底のスープにパンをひたして食べておしまいでしたが、ムール貝というものを見直しました。