2011年9月17日
アイルランド対オーストラリア戦に見たケルト魂
今日はオークランド市内にあるイーデンパークで、予選プールでも注目の試合、アイルランド対オーストラリア戦です。雨模様の中、会場に着いたのは試合開始の2時間前。前日のワイカトスタジアムなど足もとにも及ばない本格的なスタジアムです。この国で「ラグビーの聖地」と呼ばれているのももっともだと思いました。
試合はアイルランドのケルト魂が炸裂し、優勝候補の一つに数えられているオーストラリアは序盤からたじたじ。試合もアイルランドの勝利で終わりました。大変な番狂わせです。
それにしても、ケルト魂の素晴らしさには脱帽するしかありません。アイルランドはもちろん独立国ですが、その一部はイギリスに含まれています。イングランドとは異なる民族で、長い間しいたげられてきたこともあり、反骨精神とでもいうのでしょうか、イングランドに対する敵愾(てきがい)心はことのほか強く、ラグビーの試合にもそれが露骨にあらわれます。そのあたりは同じケルト民族の国ウェールズ、スコットランドとよく似ており、それ故にこの三つの国の戦いぶりはしばしばファンをうならせるのです。
タックルも低いですし、ブレイクダウンのときに展開される肉弾戦ではとてつもない粘っこさを発揮します。最近ではすっかりリッチな国になったオーストラリアも、イングランドの流れを引いた国ですから、アイルランドにとっては何がなんでも叩きのめしてやりたい相手。この日の試合はその気持ちがプレーにストレートに結びついたのでしょう、オーストラリアはほとんどいいところを見せられないままノーサイドのホイッスルを聞くことになりました。初めて目の当たりにした極めつけのケルト魂、その奥深さに改めて感動させられたナイスゲームでした。