ラグビーは、ニュージーランドの国技

2011年9月15日
昨日の夕方、羽田を出て香港経由でニュージーランド北島の中心都市オークランドに着きました。我が人生で3度目の南半球ですが、日本と季節が真逆なので、いまどきはちょうど日本の春本番前といったころ合いです。日本を出るときは半袖でしたから、空港のビルを出るとやはり肌寒く感じます。それでも、時差がわずか3時間ですから、アメリカに着いたときのような、頭がボーッとした風はまったくありません。それが救いといえば救いでしょうか。

ニュージーランドという国は、想像していた以上に都市的な交通基盤が整っていません。空港からオークランド市内に行くのも、バスかタクシーしかありません。私たちは、その中間的な乗合タクシー(こちらでは「シャトル」と呼ばれている)を利用して中心部にあるホテルに向かいました。シャトルは8~9人乗りで、客が行き先を告げると、空港に近い順でおろしていきます。料金は均一で1人20NZD。タクシーよりは断然割安です。

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空港からもうラグビーのワールドカップ(RWC)一色で、ホテルに向かう道路は、今回出場する20カ国の国旗で飾られていました。地元ニュージーランド代表=オールブラックスの旗を庭に立てている家、窓に貼っているビル。クルマも、オールブラックスの小旗を窓に付けて走っています。もともと大英帝国の植民地でしたから、イングランドやスコットランド、ウェールズの旗を掲げている家も少なくありません。近隣のサモアやトンガ、フィジーといった国々の旗も目につきます。

L1010388ラグビーというスポーツはサッカーと違い、基本的にイギリス文化圏のものです。サッカーもイギリスが発祥の地とされていますが、ルールが単純明解なせいか世界の隅々にまで広がり、そんなことを気にかける人などいないでしょう。これに対してラグビーは、ルールが難解と思われているせいか、いまでも数えるほどの国々でしかおこなわれていません。また、おこなわれていたとしても、競技人口がサッカーにくらべ圧倒的に少ないというのが現状です。

しかし、オーストラリアやここニュージーランド、さらにかつてイギリスの領土だったトンガやフィジーなどの小さな島国ではラグビーがしっかり根づきました。また、サモアは第1次世界大戦以降長らく、ニュージーランドの国連信託統治下にあった国です。ニュージーランドではラグビーが国技ですから、同じワールドカップでも、2007年のフランス大会のときと違い、その重みが圧倒的に違います。フランスでは、数あるスポーツの中の一つでしかなく、ワールドカップを開催していても、それ一辺倒ではありませんでした。ところがニュージーランドはまさしくラグビー一色。だからこそ、どこに行っても出場国の国旗が目につくのでしょう。