2011年5月16日
今日でナポリも3日目。街の雰囲気にもだいぶ慣れ親しんできました。それでもやはりイタリアはイタリア、ナポリはナポリです。
11時30分の予約でレンタカーを借りていたのですが、ナポリ中央駅にあるはずのオフィスがなかなか見つかりません。それもそのはず、事前に予約を入れていたAlamo(アメリカ系)というレンタカー会社の事務所は、イタリアの大手業者MAGGIOREの事務所に間借りしており、そのオフィスの中、それも奥のデスクの上に、Alamoというロゴを示した目立たない看板が置いてあるだけでした。同行してくれていたジャンピエロ氏(Iさんのご主人)がそれに気づかなければ、事務所すら探し当てられなかったかもしれません。
チェックアウト(借り出し)の手続きはサクサクといったのですが、予約しておいたクルマは「メルセデスCもしくは同等/オートマチック/カーナビ付き」と鳴っていたのに「ボルボ」に格下げになっていました。まあ、それはよしとしましょう。南イタリア、なかでもナポリ周辺でメルセデスなどに乗っていれば、すぐさま目をつけられてしまいそうだということが、この2日間でよくわかったからです。
しかし、問題はカーナビにありました。たしかに、純正のナビが装備されてはいたのですが、これがなんと、前に利用したドライバーがロシア人だったのか、ロシア語表記のままになっていたのです。日本やアメリカのレンタカー会社なら、まずこういうことはあり得ません。予約の段階で、私がはるばる日本からの客であることはわかっているのですから、少なくとも英語の表示にはしておくでしょうし、間違ってもイタリア語には戻しておくはずです。
エンジンを入れ、さて最初の目的地をセットしようとナビを開いたところ、画面には、あの独特のロシア文字が並んでいて、どこをどう押しても、表記が変わらないのです。レンタカー会社のスタッフが小一時間悪戦苦闘してくれた結果、なんとか英語表記になり、やっと目的地をセットすることができました。
ジャンピエロ氏によれば、「本当にラッキー。普通ならあそこまではやってくれないですよ、イタリア人は。肩をすくめるか両手を横に開くかして、『さあ、私にはわかりませんね。あとはお客さんの責任でなんとかしてください』といったようなことをのたまって終わりでしょう」というのです。だとしたら、なんともラッキーなことではありました。
それにしても、ロシア語とは! ヨーロッパが地続きであることを改めて認識させられたしだいです。以前、ドイツのデュッセルドルフでレンタカーを借りた──ヨーロッパでは初めての経験でした──とき、目的地をセットしようとしたら、最初「国・地域」選びからスタートすることを知り、驚いたことがあります。でも、よくよく考えてみれば当たり前の話ではあります。
ヨーロッパの場合、同じ地名が複数の国にあることはけっして珍しくありませんから、セットして、これで安心とばかりに、ガイドのままに運転していったところ、それこそ隣の国の同じ地名のところに着いてしまうなどということさえあり得るわけです。
さて、ようやく目的地に向けて出発し、市内から30数kmのところにあるカゼルタという町まで行きました。ここにはブルボン王家の王宮と庭園があり、これがもうベルサイユ宮殿そっくりの壮大さ。庭園など、入り口からいちばん奥まで4kmほどあるというシロモノで、度肝を抜かれました。歩いても歩いてもいちばん奥までたどり着かず、結局、帰りは城内をまわっているバスに乗ることに。