名古屋人の気づいていない名古屋の誇り

一昨日から名古屋に来ています。24日は東海テレビの生番組「ニュース+(プラス)」に出演し、昨日は名古屋JC(青年会議所)の定例会で企画されたパネルディスカッションに出席しました。これまで何度かテレビには出演する機会があったのですが、私としてはやはり生のほうが性に合っている気がしました。というのも、録画だと、打ち合わせやリハーサルが何度もあり、そこで話したことを本番のときに話すと、自分自身の内部ではほとんど新鮮みを感じないため、いまイチ迫力に欠けるのです。

しかし、生放送だとそういう心配はありません。もちろん、事前の打ち合わせになかったテーマがその場で突然出てくることもあるのですが、それはそれで面白さがあります。見ている人も、同じことを感じるのではないでしょうか。局としては、録画のほうが編集も利くので、完成度は高くなるのかもしれませんが、「つくられた」という印象はどうしたってぬぐえない気がします。

一方、パネルディスカッションのほうは、生も生、その場の丁々発止ですから、面白いことこの上ありません。「名古屋人よ、自信を持て」というテーマで、メジャーなようでなかなかメジャーになり切れない「名古屋」、そこに住んで仕事をされている人たちも、そうした呪縛から抜け出せないという現実をなんとかできないかというのが狙いと聞いていました。
司会は地元のフリーアナウンサー渡辺美香さん、パネラーは大垣相互銀行共立総合研究所の主席研究員・江口忍さん、漫画家の江川達也さん(『東大一直線』)、そして私の3人です。江川さんなど、当日、開会前に控室で紹介され懇談しているときにわかったことですが、小学校・中学校が私と同じで、住まいも、私が当時いたところから目と鼻の先、町の名前、丁目まで同じで、番地が3つか4つ違うだけでした。たまたま世代が違うので、通学時期は重なっていないのですが、そこらの原っぱで顔を合わせたことがあったのかもしれません。

江川さんも私も名古屋をとうの昔に離れてしまっており、いうならば例外的存在です。逆に、いまでも同じ名古屋に住み続けている人の場合、こうしたパターンはけっして珍しくありません。そのため、名古屋ではお互いに知り合いどうしということが非常に多いのです。その実態を知ると、名古屋がとてもではありませんが、人口が二百万人を超える大都市だとは思えないでしょう。近ごろ大流行している“隠れ家風レストラン”などというものは名古屋には存在し得ないと私は思っています。

でも、逆に考えると、名古屋のよさも、またそうした部分にあります。田舎と同じような、それこそ「隣の晩ご飯」の中身まで互いに知っているようなベタベタの間柄がいまでも存在している、それも大都市はそうそうあるものではありません。それにより、いまや全国的にも影が薄くなってしまった地域共同体も維持されているわけですから、そのことを誇りに思ってもいいのです。

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