初めての「着物」体験

L1010795  ホーチミンシティで2日間を過ごし度肝を抜かれた私たち。次の滞在地はマカオです。7月に訪れたばかりのマカオですが、また新しい大型カジノリゾートホテル(ヴェネチアン)が開業しており、一段とにぎわっていました。

 私たちが泊まったのはヴェネチアンと同じくラスベガスにもあるウィンです。事前に予約していたのはスタンダードの下手だったのですが、チェックインを済ませ部屋のドアを開けてみると、どうしたわけか、そこはスイートルームでした(料金は同じ)。145平方メートル(40畳を超える、バーカウンターバーまで付いたリビングに12畳ほどのバスルーム、マッサージ室まであります)というとてつもない広さの部屋にそれまでの疲れも一挙に吹き飛び、興奮のあまり、思わず写真を撮りまくってしまいました。

 マカオに2泊したのち12月6日に香港経由で関西空港に戻り、その日は京都に泊まりました。翌日、南座の「顔見世」を観賞するためです。京都で歌舞伎を観るということで、着物を着ていくといいのではと勝手に盛り上がっていた私。妻とともに以前から親しくさせていただいている着物屋さんにお願いし、2人一緒に着付をしてもらいました。歌舞伎が始まるのは午後4時過ぎですが、午前中には着付が終わり、昼食はそのスタイルで食べることに。

L1010832  最初のうちは慣れないため歩くのもおぼつかない状態でしたが、2時間ほど経つと、歩くくらいはなんとかこなせるようになり、段差のあるところも苦にならなくなりました。しかし、江戸時代までは、男も女もこんな姿をして活動していたわけです。おそらく、時間が過ぎていくスピードも根本的に違ったのではないでしょうか。近頃「スロ-ライフ」という言葉をよく耳にしますが、本来の「スローライフ」などとはほど遠いのではないかという気がします。
 それはともかく、南座は東京の歌舞伎座に比べるといかにも小ぶりでした。でも、サイズとしては適正規模というか、観るにはちょうど手ごろな感じがします。歌舞伎にせよなんにせよ、演劇を楽しむ場合、あまり広すぎる空間は考えものです。舞台上で役者がかもしだす熱気、それを観る側が発する熱気がほどよく混ざり合うことで、シナリオに描かれている以上の盛り上がりが生まれると思うからです。

 ニューヨークの沢竜二もそうでしたし、私が個人的に応援している「ふるさときゃらばん」という劇団の公演なども、とくにそうした感が強く、キャパが大きすぎる会場だと、せっかくの盛り上がりが薄れてしまう感じがします。

 その南座、4時過ぎに始まった夜の部がハネたのはなんと10時をまわっていました。外に出ると大変な数の人が町を歩いています。今年は空前の京都ブームだったようで、1年間に京都を訪れた人の数も5000万人を超えたというから驚きです。一つの都市でこれだけの数の人(それも9割以上は観光客のはずです)を集めるのは、世界でもまれではないでしょうか。

 5月のゴールデンウイークや11月の紅葉シーズンならともかく、12月だというのに、あふれ返るほどの人でにぎわう京都。拙著『都市の通信簿』(草思社刊)の中でも書きましたが、この点では京都にはどこの都市もかないそうもありません。1200年を超える「都」ですから、それも納得というものですが、ほかの都市が見習うべきところはいったい京都の何なのか、それを追求してみるのもおもしろいかもしれません。

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