よくもまあ、こんなところに……

 世界遺産としてすっかり有名になったモンサンミシェルに1泊で行ってきました。フランス国内を初めてレンタカーでドライブしたのですが、ドキドキものでした。大手のHERTZレンタカーに予約を入れておいたのですが、どういうわけか予約した日付が1カ月後になっていたため、窓口でごた着きます(幸い、オートマチックでナビ付きの車両があったので事なきを得ましたが)。

 それにしても、ヨーロッパでレンタカーを借りてドライブする場合、ナビはマストアイテムです。これなくしてはほとんどどこにも行けないといっても過言ではありません。ただ、レンタカー会社、あるいは車によって付いているナビのメーカー・種類が異なるようで、自由に使えるようになるまでがひと苦労です。初めてのときは、行きたい場所を入力するだけで30分くらいの時間は見ておいたほうが無難でしょう。

 モンサンミシェルに行くときも、現地のホテルや観光案内所、近くにあるとおぼしき有名店などの住所を入力しようとしたのですが、そのたびに挫折しました。

 ヨーロッパのナビは、まず「国」で絞ります。このあたり、日本やアメリカのナビとはおよそ感覚が違い、「なるほど、もとはといえば30カ国以上の地域だものなぁ」ということを実感させられます。国のあとは都市名とか町の名前でなく、通りの名前(ヨーロッパでは、どんなに狭い通りにも名前がついている)を入れればいいのですが、同じ名前の通りが同じフランス国内でも、パリにもあれば、リヨンにもあり、マルセイユにもある、あるいはもっと小さな無名の村にまであったりします。それを絞り込んでいくわけですが、その際スペリングを間違えるとダメですし、異なる表記で入力すると、その時点で「候補」が消えてしまいます。

 ようやくモンサンミシェルをそのナビに合ったスペリング・表記で入力し終えると、あとは簡単。黙っていても、目的地まで連れて行ってくれます。高速道路の走りやすさといったらありません。日本のように、大型トラックが追い越し車線を走るなどということは、法律で禁じられているのでしょう、まずあり得ませんし、追い越しを済ませた車はさっさと走行車線に戻っていきます。日本よりはるかに高速で走っているのに、それによる怖さを感じないですむのは、そうしたマナーのよさによるものでしょう。

 それにしても、モンサンミシシェルは本当に素晴らしいところで、さすが、「世界遺産」の名に恥じない感じがしました。高速道路上から尖塔がはるかかなたにちらっと見えたとき、早くも「おーっ」と声をあげてしまったのですが、高速を降り一般道に入ってから、その姿がしだいに大きく見え隠れしてくると、神々しささえ感じます。この地をめざしてヨーロッパの各地から歩いてやってくる敬虔な信仰者が、遠くからその姿を目にしたときの喜びはいかばかりだったかと思うと、想像を絶するものがあります。

 こんな大きな建物をそれこそ1000年近くかけてつくってしまうパワーがいったいどこから出てくるのでしょう。同じような建築物のひとつにバルセロナの「サグラダファミリア」がありますが、キリスト教がヨーロッパ社会の奥底深く根づいていることを実感できる格好の見本であるような気がしました。

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