世界陸上なのにスタンドはまばら

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 この24日から9月2日までは、暑い暑い大阪です。9日間に及ぶ世界陸上を堪能しようと、2年前から計画を練っていました。2年前の8月、フィンランドのヘルシンキで見た世界陸上では、為末大選手が400メートル障害でみごと銅メダルを獲得するのを目の当たりにし、感動しましたが、今度はそれを日本で経験したいと思ったからです。しかも、ヘルシンキではわずか2日間しか観戦できなかったのですが、今回は地元だから、毎日だって見られると思い、大枚はたいてチケットを手に入れました。購入したのはなんと半年以上前、なんと昨年秋のことです。

 そして、いざ開幕。今日まで銅メダルどころか、期待されていた選手が予選で次々敗退しています。なかにはまったくパフォーマンスを見せてくれなかった選手もいます。地元だから、蒸し暑いのには慣れているなど、地元の有利さを唱える論調が大会前からたしかに目についてはいましたが、そこまで世界は甘くないだろうとひそかに予想していたとおりの結果になっています。

 それに、日本の場合、陸上競技がまだまだ根づいていません。野球やつい最近までのサッカー、バレーボールなどに比べるとよくわかりますが、世界陸上のような最高レベルの選手が勢ぞろいしている大会であるにもかかわらず、観客席には空席が目立つのです。陸上競技はルール的にはごく単純で、とにかくわかりやすいはずなのに、なぜこうまで客の入りが悪いのか。それはやはり、文化としてのスポーツが日本という国には根づいていないからでしょう。スポーツといっても、しょせんは「スター」や「有名選手」を通じてしか認知されれていないのです。

 たしかに、どんなスポーツにもスターや有名選手はいます。でも、日本の場合、人々の興味関心の方向があまりにそうしたものに偏りすぎてはいないでしょうか。サッカーにしてもさしてレベルは変わりません。それでも最近は、みずからプレーする人が増えているからまだましになったのだと思います。でも、Jリーグのチームはほとんどが赤字経営ですし、それを市民が応援するというケースはほとんどないようです。スポンサー企業におんぶにだっこというところばかりです。浦和レッズや鹿島アントラーズなどは例外的な存在でしかないのです。本来、この種のプロスポーツはもちろん、日常生活の中にどこまで根付いているかによって、人々の愛着の度合もことなってくるわけで、その意味では日本はまだまだなのでしょう。

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