ラスベガスを追い越したマカオのカジノ

 毎年この時期は「香港ブックフェア」がおこなわれます。ここ数年、かならず顔を出すようにしているのですが、行くたびに香港の人々の熱気にアテられて帰ってくるわけで、今年も例外ではありませんでした。

 それにしても、香港の人々がそれほど読書好きなのかなという疑問があります。地下鉄に乗っても、日本の車内のように、本を呼んでいる乗客の姿など、まず見かけたことがないからです。そのわりに、ブックフェアの会場は人、人、人であふれ返り、通路をまっすぐあることもままなりません。会場もいくつかに分かれていて、そのどこもがそうした状態なのです。ちょうど夏休みの真っ最中だから家族連れも多い。ただ、フェアで買い込んだ大量の本を、人々はいつ、どこで読んでいるのかがわかりません。

 香港の帰途、フェリーで1時間足らずで行けるマカオに立ち寄ってみました。マカオといえば、町中に世界遺産があるところとして知られていますが、近頃はそれよりカジノで有名になっています。昨年はなんと、ラスベガスを上まわる売上をあげたとかで、いったいどうなっているのか、自分の目で確かめてみようと思ったのです。

 ちょうど週末にかかっていたせいか、香港発マカオ行きのフェリーも、1便待たなければ乗れないほどでした。港に着くと、中国本土から次つご到着するフェリーも混み合っていたらしく、なかなか下船できません。定時より20分ほど遅れてようやく船を下りると、各カジノホテルに客を乗せていくための無料バスでごった返していました。それでなくても暑いところへもってきて、大変な人いきれで、あたりは灼熱地獄さながらです。

 最近マカオでギャンブルを楽しみにやってくる客の大半が行くのは、アメリカ資本のカジノです。ウイン(Wynn)など、ラスベガスとまったく同じ形の建物ですから、言われなくてもすぐにそれとわかります。サンズ(Sand’s)は宿泊施設こそありませんが、広大なスペースのカジノを誇っています。マカオの場合、昔からあるカジノはスペースが複数のフロアに分かれていて、迫力の点でいまイチなのですが、ウインなど(また8月下旬にオープンするヴェネツィアンもそうらしい)はワンフロアーにすべてまとまっているため、まさにラスベガスそのものなのです。

 それにしても中国人のギャンブル好きはハンパではありません。ラスベガスのカジノもここ数年、中国人の客が目立ちますが、ここは中国と目と鼻の先という近さもあって、9割以上が中国人の客です。しかも、老若男女を問わず、かなり熱いのです。中国人にとってはギャンブルもまたお金儲けの一手段なのでしょう、けっこうギラついているのです。それがラスベガスとは決定的に違う点なのですが、それさえ覚悟しておけば、マカオはマカオでおもしろいと思います。

 9月からは関空からもマカオに直行便が飛ぶそうです。そうなると、日本人の客もかなり足を向けそうです。家族連れで楽しめるかどうかは別として、ギャンブル好きにはたまらないでしょう。

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