ガイドさんのおかげで楽しめたレーゲンスブルクの旧市街

2017年11月6日

朝食から部屋に戻り、バスルームで乾いたハンドタオルを使おうと手に取ったのですが、見てびっくりしました。茶色というかえらく汚れた感じがするのです。最初の日からうすうす感じてはいたのですが、フェイスタオルとバスタオルは別として、ハンドタオルだけは白かった日が一日もありません。水に濡らすとそれがもっとはっきりわかります。思わず写真に撮ってしまいましたが、これはひど過ぎないでしょうか! 4216FBAB-1376-406D-9EE2-B5408A2A56D4思わずキレそうになってしまいましたが、ひと呼吸置きました。濡らしたハンドタオルをバスタブ(真っ白です!)のふちの目立つところに置き、その横に「We call this “dustcloth” not “towel”.」と記したメモを添えておきました。“dustcloth”はもちろん「雑巾」のこと。といって、その日の夕刻からもう少しましなハンドタオルが供されたわけではありません。ただ、これはこのクルーズ会社の文字どおり汚点という気がします。

 

午前中はゆっくり過ごし、船内でランチを済ませると、午後はレーゲンスブルクの町へDSC04492。4年前のクリスマス時期にも、少年聖歌隊(別名「大聖堂の雀たち」)の美声を聴きにこの町の大聖堂を訪れたことがありますが、それ以来です。

そのときは個人旅行、しかも滞在していたミュンヘンで突然思い立っての訪問でしたので、町についてのきちんとした知識などありませんでした。でも今回は、ガイドさんの解説を聞きながら旧市街を散策するということもあり、興趣がそそられます。900年近く前に架けられたドイツ最古の石橋=「シュタイネルネ橋(Steinerne Brucke)」と、それを造った職人たちのための食堂がいまでも残っているのですが、そこから出発しました。

ツアーの場合、添乗員さんはいないことがあっても、ガイドさんはまず100%つきます。たいていは、日本語を学んだ現地の方ですから、まずは言葉の巧拙がポイントに。日本人と結婚して日本語を覚えた人もいれば、大学で日本語を専攻し、日本に留学した経験もあるという人もいます。どちらが流暢かということになりますが、一概には決めつけられません。

個人旅行でしたが、4年前にロシアを旅したときは、駄洒落や日本の諺まで自由自在に繰り出すガイドさんのお世話になりました。けっして流暢な日本語ではありませんでしたが、それでも次に何を話してくれるのか、こちらに期待を抱かせる方でした。

話の内容、またガイディングの仕方で、旅の印象は大きく違ってきます。観光スポットについての情報や、その背景にある歴史・地理・文化にも造詣が深い。それだけでなく、私たちの行動についても至れり尽くせりといった感じで文字どおりガイドしてくれる人もいます。でも、逆に、どれも中途半端(といっては申し訳ありませんが)な方もおり、そのあたりの差が、その地の印象と重なり合うのです。どれだけ多くの優秀なガイドさんを確保できるかが、旅行会社の腕の見せどころなのでしょう。

この日の女性ガイドはその点、とても優秀な方でした。もっとも、そもそもが勉強好きのドイツ人なので、観光に欠かせない歴史・地理・文化の知識は抜群。私たちシロウトにはちょっと詳しすぎるかなぁとも思いましたが、つい聞き入ってしまいました。何も知らずに歩けばすっと通り過ぎてしまうような場所も、実はすごく由緒があるところなんだと知ると、見る目が違ってきます。

DSC04501ドイツの町はどこに行ってもそうなのでしょうが、観光スポットが集中する旧市街地がたいていの場合、教会を中心にできているので、道に迷うことがあまりありません。教会の塔の姿・形(どの方角から見るとこういう姿に見えるということ)さえきちんと頭に入れておけば、迷わずに歩くことができるのです。

レーゲンスブルクの街歩きでポイントになるのは、2本の尖塔を持つゴシック様式の大聖堂。この町は教会がとりわけ多く、小さな町内に一つずつといった感じで建っており、どれも皆、有力商人の寄進だとか。塔の高さや外壁の素材・仕上げを競ったらしく、それぞれが個性的なよそおいを凝らしています。そうした建築物があちこちに建つこの町は、旧市街全体が世界遺産に登録されているそうです。

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DSC04548観光が終わったあと、前に訪れたときランチを食べた市庁舎1階のレストランの向かい側にあるカフェへ。そこでコーヒーとケーキを食べました。カフェに行く前に、個人的に立ち寄った「アルテ・カペレ(Alte Kapelle)教会」は、2日前に訪れた「メルク修道院」も顔負けの、どこもかしこも金ピカのチョー豪華な内装が印象的。外側はまったく地味なのですがね。

 

今夜は船内最後の夕食とあって、バイエルンスタイルの内容。名物のホワイトソーセージもさることながら、ビールのおいしかったこと! ドイツのなかでもこのバイエルン地方は本場ですから、当然といえば当然かもしれません。