福岡→台北→嘉義→高雄を1日で移動

2017年10月15日

昨日は昼間がルワンダ、夜がメソポタミア、そして今日は台湾です。昨日ここでご紹介した二つの催しが福岡で開催されたが故に実現した旅といっていいでしょう。福岡というところは、日本の中にあって独特の立ち位置を占めています。さまざまな魅力にあふれた都市なのですが、それとは別に交通の便がメッチャいいのです。東京に行くより上海に行くほうが早いというのがその象徴で、中国、台湾、香港、韓国といった東アジアはもちろん、ベトナム、タイ、インドネシア、フィリピン、シンガポールなど東南アジア、さらに、夏だけですがヨーロッパにも、ここから飛び立つことができます。

 

IMG_2150福岡空港で国際線を利用するのは初めてですが、国内線ターミナルとはまったく別になっていて、場所も国内線ターミナルと滑走路をはさんだ向かい側です。まだ新しいだけあって、明るくて広めなのも快適でした。ただ、完成した当時は、十分に余裕があるはずだったのでしょうが、いまとなっては若干狭い感じもします。要するに、利用する人が予想をはるかに上回るスピードで増えたということでしょう。

 

それでも、年末年始やゴールデンウイークの羽田・成田ほどは混雑していません。私たちが乗ったのはキャセイパシフィックの香港行き。ただし、台北で途中下車、いえ途中降機です。降りたのは台北でも、郊外にある桃園国際飛行場。こちらも近年どんどん整備が進んでおり、今年の春、空港から台湾高鐵(新幹線)の桃園坫(駅)まで行けるMRT(新都市交通システム)が開通したそうです。

私たちは従来から走っているバスで行きましたが、15分ほどで高鐵桃園坫に到着。そこからまず高鐵嘉義まで移動します。目的地は台北にある故宮博物院の別館・故宮南院(正式名称は「國立故宮博物院南部院區・亞洲藝術文化博物館」)。高鐵嘉義には新幹線で1時間ほど。毎度思うのですが、台湾の新幹線は外側も内側も日本(東海道・山陽新幹線)とそっくり。表示だけが中国語なのですが、それを無視してしまえば、一瞬、日本にいるような気持ちになります。

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故宮南院は高鐵嘉義の駅からバスで10分ほど。まず驚いたのはその敷地の広さです。入ってすぐのところに大きな人工の池が設けられ、その向こう岸に美術館が建っているのですが、そこまでは数百メートルほどありそうです。ゆるやかな上り坂もあるので、家人のために車イスを借りました。

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オープンしてまだ2年足らずですが、駐車場には観光バスがぎっしり並び、ひっきりなしに客が訪れている様子。この日は日曜日の午後とあってさほど混んではいませんでしたが、日中あるいは土曜日だったらどうかという感じがします。

 

台北の本院と違って、全体がゆったりした造りになっており、展示スペースも広いので、圧迫感がまったくありません。全体は9つに区切られていて、一つひとつ、特定のテーマに基づいて展示されています。そのため、とても観やすく、台北のように「今日はここまで」ということにはなりません。3時間もあればおそらく隅から隅まで鑑賞することができるのではないでしょうか。

IMG_2172私たちは2時間弱滞在しましたが、6つの展示室を訪れ、最後はミュージアムショップもゆったり回ることができました。台北の売りは「翠玉白菜」ですが、こちらは「肉形石」。台北とは比べものにならないほど、ゆったり、ゆっくり、じっくり、それこそ四方八方から観ることも可能です。

 

 

 

IMG_2166それとは別に興味深かったのは、中国に持ち込まれた伊万里焼の数々。また、インドやアラビア、トルコの皇帝から中国の皇帝に贈られた品々でした。どちらも初めて目にするものばかりでしたが、いわれてみれば、そうしたもの(とくに後者)が中国にあってもまったくおかしくありません。皇帝から皇帝への贈り物ですから、どれ一つとっても、まさしく贅の極みといった感じの品ばかり。今回はそのなかでもインドからの品々に焦点が当てられていましたが、台北の本院では、展示されていたとしても、ここまでゆっくり楽しむことはできないでしょう。

 

美術館の見学は、たいていの場合、荷物を預ける必要があります。ここも同じですが、そのためのコインロッカーがユニーク。どの扉にも、日本でいうなら家紋のような文様があしらわれているのです。どれも皆、由緒のあるものなのでしょうが、これは驚きました。

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IMG_2188南院を出て再びバスで高鐵嘉義まで戻り、今日の最終目的地である高雄の左営坫(駅)へ。30分ほどで到着しましたが、途中停車するのは台南だけ。台湾の南北縦断はホント楽になりました。小腹が空いていたので駅の売店で売られていた「便當」を買い求め、二人でつまみました。これで100台湾ドル(約400円)はお値打ち! 素朴ですが、味もバッチリでした。