2016年11月11・12日
「江差追分」というのは、中学校のころだったか、音楽の時間に習った覚えがあります。もともとは信州で生まれた馬子唄が越後に渡り、それが北前船の船乗りによって各地に伝えられ座敷唄に変化したものなのだとか。その本拠地・江差で「北前船寄港地」フォーラムが開催されるので取材に。せっかくの機会でもあり、帰りは、3月に開通した北海道新幹線を利用する予定を立てました。
行きは飛行機で函館空港まで。ホテルには4時ごろチェックインできたのですが、抱え込んでいる仕事が山ほどあって、この夜函館市内でおこなわれる「前夜祭」に参加できないのが残念です。翌日のフォーラムもさることながら、「前夜祭」はさまざまな出会いがあり興味深いのですが、やむを得ません。
ただ、夜ひとりで食べに出たラーメンはおいしかったです。8時半を回ったところで、ホテルから東のほうに向かって夕食を食べに出たのですが、予想していたほど店がありません。全国チェーンの居酒屋は論外。屋台横丁のようなところが唯一食指をそそりましたが、これはこれでけっこう入りにくいものです。
仕方なく、駅からほど近いラーメン屋に入ったのですが、たいそうにぎわっており、食べる前から期待が高まります。餃子とセットで食べましたが、しょうゆ味のラーメンはとても美味でした。
翌日は有名な朝市で海鮮丼をたいらげ、送迎バスで江差町へ。函館からは峠を越えていくので、1時間以上かかります。途中はほとんど何もありませんが、下り坂にさしかかると、見えてきました、日本海が! 上から見渡す海の景色というのは、とにかく美しいものです。
江差町の町長は全国でも最年少だそうですが、元気いっぱい。「北前船」というツールを有効活用して町の活性化、観光振興につなげていきたいとの意欲と情熱が体の奥深くからたぎっています。といって、ギラギラした風はありません。たしかに、江差の町自体は、近ごろの地方の常で、さびれた感じですが、ここから「北前船フォーラム」がきっかけとなって元気を取り戻せば、素晴らしいなと思いました。
夜のレセプションは、そうした熱気がそこかしこにあふれ、なかでも食事のメニューは、地元に古くから伝わるソウルフードが目白押し。それだけでも楽しさいっぱいでした。
翌日は江差のホテルから送迎バスで新函館北斗駅まで。まわりはほとんど何もない場所に建つピカピカの駅のまぶしいこと。5時間余で東京まで戻りました。木古内【きこない】と新青森の間は30分近くトンネルなので退屈ですし、東海道・山陽新幹線に比べれば遅いのは否めませんが、わたし的には「初めて」ということに意義があるので、それもよしとしましょう。