2016年11月29日
今日でエジプトツアーも実質、最終日。朝食を終えると、ホテルの目の前に建つ国立博物館の見学です。のっけからもうびっくりしたのは、出土品、それも3000年前、4000年前のものが前庭のあちこちに、陳列というか放置というか、フツーに置かれていたこと。レプリカもあるのでしょうが、それにしても……という感じです。
建物の中に入ってもそれは同じ。見学する前に、ガイドさんが館内の“見もの”について簡潔に解説してくれたのですが、聞こえてくるのは「2000数百年前」「3000年以上前」といった数字。これにはもうあんぐりするしかありません。もちろん、こちらのほうが前庭の出土品より貴重なもののはずですが、それが廊下に置かれていたり、ほかの陳列物が並ぶ隅のほうに半分隠れていたりすると、なんだか信じられないような感じがします。もちろん、きちんと並べられている出土品だけでも数千あるのですから、まる1日かけたとしても、全部を観て回ることなどできません。ただただ、「すごい!」というしかないのです。
よくもまあここまでこまかく精巧に作ったな、よくもまあこんな美しい色が……と二の句が告げないような出土品が次から次へ。気候が乾燥しているせいもあるのでしょう、保存状態の素晴らしさは想像以上のレベルで、古代エジプト文明のすごさ(こんなありきたりの言葉で申し訳ないのですが)にはもう感動するしかありません。
一つひとつの出土品にまつわる解説は、もちろんその場限りなので、カタログでも買って、日本に帰ってからゆっくり見ればいいと思っていたのですが、期待していたミュージアムショップはほとんど開店休業状態で、これにはがっかり。なんでも、もうじき新しい博物館が完成し、展示品もすべてそちらに移されてしまうのだとか。なるほど、だから、いいかげんな置き方がされていたんだと、妙に納得してしまいました。
でも、ツタンカーメンの像、それが見つかった部屋に置かれていた棺や宝飾品には度肝を抜かれました。後世のハプスブルク王家やロマノフ王家、ブルボン王家など、どこの国の国王や皇帝ももちろん大変ハイレベルなのですが、古代エジプトのそれにはとてもかなわないのではないでしょうか。
ナイル川の水上レストランでランチののち、オールドナイル地区に立ち寄り、空港まで移動。感動というお土産をたんまり持って、夜には帰途につきます。