2016年11月26日
ナイル川クルーズ2日目。どちらの岸を見ても景色にさほど変化はないのですが。思っていたほど飽きは来ません。まあ、ここまでゆっくりできる時間は、ふだんなかなか経験できないせいもあるのでしょう。
この日の朝は、エドフという街を観光しました。船を降りると馬車が待っていて、それに乗ってホルス神殿まで行きます。時間にすれば10分足らずなのですが、大変なスピードを出して走るので、少し怖い感じもしました。
ホルス神殿はエジプトに多く残されている遺跡のなかでも、保存状態がとてもいいのだそうです。入口近くの空間は天井や壁が真っ黒で、せっかくの壁画もほとんど見えません。その昔──といっても2千年ほど前のことでエジプト的には比較的「最近」のこと──、キリスト教徒がエジプトに入ってきたころ、台所として使ったため煤で分厚く覆われてしまったためとのこと。しかし、そこ以外は、外壁も含め、素晴らしい壁画や彫刻が堪能できます。
いったん船に戻り、しばらく川を下ったところにあるコム・オンボ神殿が次の訪問地。2千年前にできた神殿なので、エジプトではもっとも新しいというか、ギリシア風のにおいがただよってきます。外壁に彫られたプトレマイオス13世のレリーフの大迫力にはたまげました。
クルージングの旅というのは、船が走っている間はただただボーッとしていればいいので、体も目いっぱいゆるんできます。今日は私の誕生日で、朝からフェイスブックに「おめでとう」のメッセージが次々と届いていました。
夕食も今日で3回目なのですが、適当に変化があり、それなりに楽しめます。そして、今夜はクルーたちが歌を歌いながら、大きなケーキを手に私たちのテーブルまでやってきました。こんなふうにお祝いしてもらったのは、人生でも数えるほど。なんだかんだいっても、祝ってもらえるのはうれしいもの。子どものような気持になってロウソクの火を消しました。
海外で誕生日を迎えたのは30年近く前、マドリッドで経験したことがあります。このときもツアーでしたが、「HAPPY BIRTHDAY」を歌われたときの気分、やはりいいですね。素直に喜べました。今日も同じ。なんだか「明日からまた頑張ろうー」という気分に……というのはウソです。