2016年11月25日
今日はいよいよ「王家の谷」の見学です。早朝からバスに乗り1時間ほどで到着。その手前に大きな石造の立っている場所がありましたが、要は、べらぼうに広い土地に墓地を作ったわけで、その入り口というか、玄関のようなものなのでしょう。ガイドさんの話を聞いていると、ひと山丸ごと一人の王の墓、隣の山は王女の墓……といったことのようでした。
「王家の谷」の本当の入り口まではトラムに乗って。数十も墓があるのですが、そのうち、比較的容易に見られるのはいくつかしかないようで、そうした墓をセレクトしながら観て回ります。棺はたいていいちばん奥に安置されているのですが、そこまではスロープや階段を降りていく途中の壁画の美しさといったらありません。4千年近くも経っているのに、いささかも色彩が衰えていないところもあり、これには驚きました。残念ながら写真は撮れないので(警備員にちょっと袖の下をつかませれば、見て見ぬふりをしてくれるようですが)、絵ハガキを買いました。
ここではやはり、ツタンカーメンの墓とネフェルタリ王妃の墓が双璧です。ツタンカーメンの墓は驚くほど小ぶりでしたが、そこに副葬品として金銀財宝がびっしり置かれていたのだそうです。その全貌は数日後、カイロの国立博物館に行けばわかるはず。ネフェルタリ王妃の墓は、その壁画の美しさに深く感動しました。つい最近まで観られなかったそうですが、ようやく一般にも公開されるようになったとかで、とても得をした気分です。ここの観覧料はほかのところの数十倍とかで、たしかにそれに見合う価値はありました。
3時過ぎに船に戻り、夕食の時間までゆっくりできました。デッキに並べられたソファーや安楽イスにめいめいが寝そべったり体を横たえたり。私にとっては存分にタバコが吸えるので、大変ありがたいひとときでした(船の中はもちろん禁煙)。
途中、川の高低差をクリアするための閘門があり、そこを通過するときはほとんど全員がデッキに上がってきました。9月に旅したフランスのストラスブールでも目にしましたが、さすがナイル川、スケールが段違いです。